Voigtlander(フォクトレンダー)MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount 実写レビュー

Voigtlander(フォクトレンダー)MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount の実写レビューです。
解像感やフリンジなどの画質、FUJIFILM Xマウントカメラに装着した際の使用感などを、実際に撮影した実写をもとにレビューします。
ピントリングの動きに連動したフォーカス拡大機能に対応しておりマニュアルフォーカスもやりやすい、Xマウントカメラ用のマクロレンズの中でもベストな1本と言えるレンズです。
目次
特徴/操作性
色収差の少ない高い描写性能
撮影倍率1:2のコンパクトなマクロレンズ
ピントリングに連動する拡大表示で、マニュアルフォーカスの操作性が良好
実写レビュー
オールドレンズのようなボケ味はフィルムシミュレーションとの相性抜群
高い質感描写
色収差が少なく、フリンジの発生がほとんどない
マクロレンズとしてだけでなく、標準レンズとしても優秀
画質
解像感
周辺部画質
フリンジ
フレア/ゴースト
比較
FUJIFILM フジノンレンズ XF60mmF2.4 R Macroとの比較
Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical VM
おすすめユーザー
Xマウントのマクロ兼標準レンズとして唯一無二の存在
マニュアルフォーカス専用は好みのわかれるところだが、操作性は良好
じっくりと被写体と向き合う、写真に個性を求めるユーザーにおすすめ
まとめ

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特徴/操作性
色収差の少ない高い描写性能

Voigtlander(フォクトレンダー)MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount は、異常部分分散ガラス3枚を使用した色収差の少ない高い描写性能が魅力のひとつです。
FUJIFILMのカメラは、マウントアダプターを使って社外品のレンズを装着すると色収差が目立つ傾向にありますが、今回のテスト撮影ではフリンジの発生はほとんど確認できず、名称に「APO」がつくだけあって良好に色収差が補正してあると感じました。
又、フォクトレンダーのレンズは各メーカーごとにセンサーの特性に合わせた精密なチューニングをする事でも知られており、MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount がXマウントに特化している事も、高い描写性能の一因となっている事は想像に難くありません。
撮影倍率1:2のコンパクトなマクロレンズ

本来APS-Cカメラは近接撮影に強いのが普通ですが、FUJIFILMには決定版と呼べるほどのマクロレンズがありません。
MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount は、マニュアルフォーカス専用のレンズなので、これを選べば安心というものではありませんが、ピントリングに連動した画像拡大機能や滑らかなフォーカスリングの動きなど、近接撮影では便利な機能が備わっており、使いやすいマクロレンズとなっています。
画角は35mm判換算で約50mmに相当し、開放f値も2と明るいのでコンパクトなマクロ兼標準レンズとして、使い勝手のいいスペックとなっているのも特徴です。
ピントリングに連動する拡大表示で、マニュアルフォーカスの操作性が良好

これはフォクトレンダーレンズに共通している特徴で、MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount だけのものではありませんが、良好なフォーカスリングの動作は、マクロレンズとしては大きなメリットとなります。
実際に使ってみると、ピント調整に神経を使うマクロ撮影でも、ピント合わせが楽しくなるくらいフォーカスリングの動きがスムーズで、レンズとしての質の高さが実感できます。
ピントリングに連動し画像拡大される機能にも対応しており、フォーカスリングを動かして画像拡大した後、シャッター半押しでフレーミングするといった動作もストレス無く行えました。
| フィルター径: | φ49mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 0.163m/1: 2 |
|---|---|---|---|
| 最小絞り: | F22 | 絞り羽根: | 10 枚 |
| 長さ: | 54.8mm | 重量: | 265g |
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実写レビュー
オールドレンズのようなボケ味はフィルムシミュレーションとの相性抜群

オールドレンズを彷彿とさせる柔らかく美しいボケ味は、FUJIFILMのフィルムシミュレーションと相性が良く、特にクラシッククロームやETERNAなどの彩度を抑えた少し渋めのカラーバランスが合うと感じました。
作例は、時期を過ぎてしまいわずかに残った紫陽花の花を、探して撮影しました。露出をアンダーにする事で、一りんだけ残った紫陽花の少し寂しい佇まいが表現できたと思います。
フィルムシミュレーションにはクラシッククロームを選びました。

竹垣に巻き付いてつる草を、諧調を重視したフィルムシミュレーションETERNAを選択して撮影しました。
コントラストよりも諧調を重視した、フィルム映画のような表現ができるETERNAは、派手でコントラストが強い画ばかりみせられている現代人にはむしろ新鮮に感じます。派手さを抑えた渋い色味も、竹垣という和のテイストを出したい表現にぴったりです。
MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount の美しいボケ味が、フィルムシミュレーションによる柔らかな表現を引き立ててくれたと思います。
高い質感描写

MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount は高い解像感とシャープネスを持ったレンズですが、それ以上に感じたのは質感描写に優れている事です。部分的に拡大して解像感が高いという事だけで無く、写真全体としてみてリアルに見える描写だという事で、これはFUJIFILMのカメラにも言える特徴です。
両者の優れた部分が掛け合わされて、より高いレベルの写りへと昇華しているのかもしれません。
今回、テストボディにはレンジファインダーカメラをイメージしたデザインのX-Pro3を選択しましたが、写りだけでなくカメラのスタイル的にもフィルムカメラを使っているようで、撮影のテンションが上がりました。

もどり梅雨の中、少し憂鬱な気持ちで雨を避けてテスト撮影に出かけましたが、雨の後は木々がみずみずしく見えたり、水たまりを活かした写真が撮れたりと、写真にとっては悪いことばかりではありません。
水に写った境内の五重塔を少しアンダーな露出で撮影したら、水たまりの下がにぶく黄金色に輝いているように見えました。
非常に彩度の高いフィルムシミュレーションVelviaによるちょっとしたマジックですが、こんな偶然があるのもフィルムシミュレーションを使う楽しさです。
色収差が少なく、フリンジの発生がほとんどない

FUJIFILMのカメラは純正以外のレンズではフリンジが発生する傾向が強いと感じています。フォクトレンダーのレンズでも、高性能なAPO-LANTHARシリーズ以外のレンズでは、明暗差の大きい被写体で派手にフリンジが発生する事があり、正直少し使うのが怖いという印象を持っていました。
そんな中、MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount は、色収差の少ないAPOタイプである事や、Xマウントセンサーに特化したチューニングが施されているおかげで、フリンジの発生はほとんど確認できませんでした。
作例では、水面に反射した光にフリンジが発生しやすいシチュエーションですが、全く発生していません。

夏らしい写真が撮りたいと思いながらシャッターを切った一枚です。彩度の高いVelviaを使うか迷いましたが、少しくすんだ青空がより夏らしい表現に思えて、フィルムシミュレーションにはクラシッククロームを選択しています。
フィルムで撮影していた時の仕上がりイメージです。
輝く瓦の質感が立体感を持って描写されており、MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount が逆光でも高い描写性能を維持する事を証明する一枚となりました。明暗差の大きい被写体ですが、フリンジも発生していません。
マクロレンズとしてだけでなく、標準レンズとしても優秀

今回のテスト撮影は、マクロレンズを使っているという事はあまり意識せずに行いました。勿論、近接のカットを撮る事はマストでしたが、どちらかと言うと最短撮影距離が極端に短い標準レンズと言う方がしっくりくるレンズだったからです。
開放F値が2と明るいので、被写体との距離がある程度離れていてもボケを活かした撮影ができますし、標準レンズをじっくりとマニュアルフォーカスで使うのが楽しくなってしまったから、と言うのが本音です。
作例は、ただの金網を前にカメラを構える私に、一緒に連れ歩いていた息子が「何撮ってるの?」といぶかし気に聞いてくるのを横目にシャッターを切りました。日常の何気ない風景を撮るのに標準レンズほど適したレンズはありません。

買い物に立ち寄ったスーパーの駐車場から、夕刻迫る夏空を撮影しました。
私はDOMKE F803 というブリーフケースタイプのカメラバッグを使っているのですが、MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount を装着したX-Pro3はコンパクトなので、薄型のカメラバッグにも楽々入ります。コンパクトなカメラ、レンズの組み合わせはデザイン的にもしっくり来て、バッグからの出し入れも楽なので、普段より撮影する機会が多くなった気がしました。
フィルムシミュレーションはETERNAを選択しましたが、夕焼けの光を写した時のETERNAのカラーバランスは本当に綺麗だと思います。
画質
解像感
作例3を拡大して解像感を見てみます。

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水に濡れた石畳の質感がリアルに描写されています。開放からシャープな解像感を持つだけでなく高い質感描写を持っており、FUJIFILMカメラとの相性も抜群に良い、フィルムシミュレーションのメリットを100%活かせるレンズだと感じました。
次に作例5を拡大して、近接での解像感を見てみます。

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近接撮影なのでf4まで絞った画像になりますが、非常にシャープでマクロレンズらしい近接での高い描写性能を持っています。水面の反射など明暗差が激しくなる部分でフリンジが発生していないのも立派です。
遠景、近景いずれでも高い描写性能をみせるMACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount は、マクロレンズ兼標準レンズとして、画質という意味でも安心して使う事ができそうです。
周辺部画質
作例8の周辺部分を拡大して画質を見てみます。

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Voigtlander(フォクトレンダー)MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount は、開放から周辺部までシャープな描写で、画質の均質性という意味でも優秀です。
周辺光量落ちも自然でそれほど大きくなく、全般的に扱いやすいレンズと言えるでしょう。
フリンジ
画像を拡大してフリンジの発生を見てみます。

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中心部ではほぼ発生しませんでしたが、条件によっては周辺部ではフリンジが発生しています。
とは言え開放でわずかに発生するだけなので、ほとんど問題になる事は無いでしょう。
フレア/ゴースト
今回のテスト撮影ではフレアやゴーストは発生しませんでした。
夏の日差しの中逆光での撮影も多かった中、フレアやゴーストが確認できなかった事からVoigtlander(フォクトレンダー)MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount の逆光耐性は高いレベルにあると考えて良さそうです。
比較
FUJIFILM フジノンレンズ XF60mmF2.4 R Macroとの比較

FUJIFILM Xマウントには思いのほかマクロレンズの選択肢がありません。
純正にはオートフォーカスの2本のマクロレンズがありますが、もしMACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount と迷うとしたら焦点距離の近いXF60mmF2.4 R Macro でしょう。XF60mmF2.4 R Macro が35mm換算で90mmとなる、より純粋なマクロレンズであるのに対して、MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount は標準域のマクロレンズでF値も明るい事から、汎用性という意味ではフォクトレンダーに分がありそうです。
反面マニュアルフォーカスの操作には、ある程度撮影者の技量が必要なので、好みの分かれるところかもしれません。
Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical VM

フォクトレンダーの高性能シリーズAPO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical VM は、マウントアダプターを付ければFUJIFILM Xマウントでの利用も可能です。
マクロを除く画質の面では同じレベルかそれ以上の高性能レンズですが、電子接点の無いVMマウントなのでフォーカスリングの動作に対応した画像拡大など、MF時の操作性は劣ります。また、Xマウント専用と考えると、近接に強いと言う事や画質面でも有利になるMACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount に軍配が上がりそうです。
APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical VM のメリットは、フルサイズ用なのでマウントアダプターを介して多くのカメラに取り付けられる汎用性の高さです。
おすすめユーザー
Xマウントのマクロ兼標準レンズとして唯一無二の存在

xマウント用のマクロ兼標準レンズとして考えるとMACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount の代わりになるレンズは少なく、唯一無二と言っていいほど存在感のあるレンズです。
特に明るさ、近接能力、画質のバランスがいい上コンパクトなので、マニュアルフォーカスが嫌でなければ普段から持ち歩く標準レンズとして自信を持っておすすめできます。
フリンジの発生が少なく解像感が高いレベルにある事も、MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount を選ぶポイントです。とにかくバランスがいいレンズなので、初めて使うマニュアルフォーカスレンズとしてもおすすめできます。
マニュアルフォーカス専用は好みのわかれるところだが、操作性は良好

とは言えシャッターチャンスという意味ではオートフォーカスでなければ撮れないシーンがある事も事実です。
この部分はレンズに何を求めるかという撮影者の好みになります。
個人的には逆にマニュアルフォーカスでじっくり撮らないと撮れないシーンもあると感じますし、操作性も良好なので、初めてMF専用レンズに挑戦したいXマウントユーザーに是非おすすめしたいレンズだと感じました。
じっくりと被写体と向き合う、写真に個性を求めるユーザーにおすすめ

バランスのいいスペックを持ったレンズですが、フォクトレンダーらしい個性、特に美しいボケ味を持っているので、じっくりと被写体と向き合い写真の表現を楽しみたいユーザーにおすすめしたレンズだと感じました。
ピントを合わせるというカメラの基本的な操作を手動で行う事は、表現していると言う事を実感出来てなかなか楽しい時間です。
クラシックでコンパクトなデザインが多くのFUJIFILMカメラとデザイン的にマッチするのもポイントです。
まとめ
-
・Xマウントの使いやすいコンパクトなマクロ兼標準レンズです
-
・色収差が少なくフリンジがわずかしか発生しません
-
・高い質感描写はフィルムシミュレーションとの相性抜群です
-
・電子接点付きで操作性も良好です
レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。
Voigtlander(フォクトレンダー)MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount
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