OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの実写レビューです。
2014年11月に発売されたマイクロフォーサーズ規格に準拠した望遠ズームレンズは高い光学性能と堅牢性を有し、どんな状況下でも常に高画質を提供する「M.ZUIKO PRO」シリーズの中の一本です。開放F値2.8通しの望遠ズームレンズとしてはとても小型な上、ズーム全域で安定した高い画質を有しているのが特徴です。
今回はそんな望遠ズームレンズの実力を実写を中心に紹介します。
特徴/操作性
大口径ズームでありながらワイドなズーム比
Proシリーズらしい高級感のある外観、使い易い操作性
素早い操作を可能にする機能
実写レビュー
高速なオートフォーカス
防塵防滴構造による高い信頼性
高い描写性能
テレコンバーターの使用
画質
レンズ単体の画質
テレコンバーター(MC-14)装着時の画質
まとめ
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROは、35mm判換算で80-300mm相当の画角をカバーしている、マイクロフォーサーズ規格に準拠したレンズです。
一般的なフルサイズ用の大口径望遠ズームより長い、望遠側300mm相当(35mm判換算)をカバーしている事は、センサーサイズが小さいマイクロフォーサーズ規格の利点を最大限活かしていると言えるでしょう。
それでいてスリムでコンパクトなデザインで、F2.8通しのレンズとは思えない取り回しの良さを持っています。
外装は金属製で、Proシリーズらしい高級感のあるしっかりとした作りです。
コンパクトなデザインのせいで、重量は三脚座を含めて880gとこのクラスの製品としては驚異的な軽さなのに、手に取るとずっしりとして重量感があるように感じられます。
ローレット加工されたズームリング・ピントリングは、いずれも操作しやすいとても滑らかな動きです。
フォーカスリングには、スライドさせるだけでAFからMFへ切り替えられる「MFクラッチ機構」が組み込まれているので、ボディ側の設定不要で素早く操作する事が可能です。
付属のフードはレンズに装着したまま伸縮させる事ができるので、使用しない時には素早く収められます。バックへの収納時にわざわざ裏返しに装着しなおす必要がなく、実際に使ってみると思った以上に便利でした。
側面にはファンクションボタンが配置されているので、必要な機能を割り振っておけば、レンズ側から素早く操作する事が可能となっています。OM-D・Penシリーズボディの他、Panasonic Lumixカメラの一部でも使用可能です。
フィルター径 | 72mm |
---|---|
最短撮影距離/最大撮影倍率 | 0.7m/0.21倍(35mm判換算0.42倍相当) |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
長さ | 160mm |
重量 | 760g(三脚座除く)/880g(三脚座含む) |
フジヤカメラでは、OLYMPUS(オリンパス)ミラーレス用レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。
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テストボディには小型軽量で機動力が高い上、高速でレスポンスのいいOLYMPUS(オリンパス)OM-D E-M1 Mark IIIを選択しました。
作例の共通設定は、アスペクト比3:2、ピクチャーモードはナチュラル、ホワイトバランスはオート、シェーディング補正はオフに設定しています。
被写体は望遠レンズという事で鉄道と飛行機を選択しました。
「DUAL VCMフォーカスシステム」という2つのレンズ群を2つのリニアモーターで同時に動かす方式により、AFがとても速いだけでなく、近接域での性能向上も実現しているようです。
C-AFの追従性能も良好で、レンズの発売当時よりも性能が向上した最新世代のボディで、より性能を引き出せているように思いました。
レンズのマウント周りや隙間には防塵防滴のシーリングが施されており、同じく防塵防滴構造のE-M1 Mark IIIとの組み合わせであれば、雨などで多少濡れても心配ありません。
この日は雨が降ったり止んだりという天候で、羽田空港へ移動して展望デッキに着いた時は小雨が降る状況でした。
機材が濡れる心配よりも、自分自身が濡れてしまう事の方が気になってしまうところですが、小雨なので撮影を続けます。
ズームの焦点域を問わず、写りに癖のようなものはほとんど見受けられず、上位クラスの製品らしい安定した描写性能を得られています。
センサーサイズが小さい事を感じさせない程の解像感が、絞り込んだ事で一層引き立っています。
まだまだ自由に旅行もしづらい状況で、久々に空港に来ただけでも気分が上がりましたが、離発着する飛行機や人の動きを見ていると、一日も早く普通に出かけられる日が来る事を願わずにはいられません。
駅のホームにいる有名な小便小僧を被写体にして、絞り開放での描写をチェックしてみます。
ピントの合った部分は開放からかなりシャープで、布地の質感まではっきりと解像していてシャープです。一方ボケは「とろけるような」といったボケ具合ではないですが、癖のような物も無く十分柔らかだと感じられます。
自動補正がかかっているのか、開放絞りでもフリンジはほとんど見受けられません。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROは、純正テレコンバーターを使用する事もできます。1.4倍の「MC-14」と2倍の「MC-20」の2種類がありますが、今回は「MC-14」を一緒に持ち出して、状況に応じて装着して撮影しました。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + テレコンバーターMC-14の組み合わせは、画質的にも良好なレベルにあります。
望遠端は35mm判換算420mm相当の超望遠となり、陽炎の影響もあってレンズ性能の判断が難しくなる所ですが、よほど拡大して見なければテレコンバーターの装着を感じられないでしょう。
コンパクトなテレコンバーターなので、荷物になりませんから、常にカメラバックに入れておいて必要に応じて装着するスタイルがおすすめです。
レンズ単体とテレコンバーター装着時のそれぞれで画質を見てみます。まずはレンズ単体です。
あまり光線状態がいいとは言えない条件ですが、高いコントラストを維持していて眠さも感じられません。
拡大してみても非常にシャープで細かい部分までシャープに解像しており、コックピット内のパイロットの姿まで写し止めていた事には驚きました。
次にテレコンバーターMC-14装着時の画質を見てみましょう。
周辺部分なので、中心部分と比較するとわずかに甘さがありますが、実用十分以上の高い描写力を維持していると思います。テレコンバーター装着時の画質としてはかなり高いレベルにあると言えるでしょう。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROはテレコンバーターMC-14と組み合わせる事で利便性が飛躍的に高まるので、是非購入を検討して欲しいアイテムです。
PROシリーズの名にふさわしい、高い性能と機動性を兼ね備えた望遠ズームレンズです。
取り回しの良い大きさ、堅牢な本体、F2.8通しでありながら300mm相当までをカバーし、センサーサイズの小ささを感じさせないシャープな解像感等々、多くの特徴が挙げられます。
レンズだけでなくシステムとして見ても小型軽量にまとまり、撮影中だけでなく移動時の負荷も減らす事ができるマイクロフォーサーズならではの一本と言えるでしょう。動体撮影に限らず幅広い撮影ジャンルに対応できるので、積極的に持ち出したいと思わせてくれるレンズだと感じました。
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