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2021.04.22
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PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII 実写レビュー オールドレンズ編

PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII 実写レビュー オールドレンズ編
APS-Cサイズセンサーを搭載した上質なデジタル一眼レフカメラPENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIIIで手持ちのKマウントオールドレンズを使ってみました。

ファインダーの見易さが売りのK-3 MarkIIIは、マニュアルフォーカスのレンズを使うのにもぴったりです。普段はK-1を使用して主にオールドレンズでスナップ撮影をしている現役ユーザーの視点から、PENTAX(ペンタックス)の純正レンズを中心に一部社外品のレンズも含めて、オールドレンズを使う使用感をレビューしたいと思います。
■この記事の監修

フジヤカメラ店

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PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII

外観


PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + ST50mm f1.8
PENTAX(ペンタックス) K-3 Mark IIIはAPS-Cセンサーを採用した機種の為、フルサイズセンサーを搭載したK-1よりも小柄なボディとなります。

おかげで、コンパクトなレンズが多いペンタックスオールドレンズを装着した際のデザイン的なバランスが非常に良く、どの世代のレンズと合わせてもマッチする絶妙なデザインとなっています。

適度に角ばったペンタ部、厚すぎないボディ、どこかクラシカルな印象を残しつつもモダンなデザイン、それでいて操作性を損なうような事もなく、K-7が出てきた時に謳われたプレミアムスモールという言葉にぴったりな上質なカメラとなっています。

ファインダー


PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + SMCM135/3.5
やはり気になるのはメーカーも大プッシュしているファインダーの仕上がりです。

レンズを未装着の状態で覗いてみると、APS-Cサイズセンサーのカメラとは思えないファインダー像の大きさに驚きました。これは、普段自身で使っているフルサイズセンサー機K-1と比較しても見劣りしない広さで、仕様上もフルサイズ機に迫る倍率を持っています。像の明るさという事ならK-3 Mark IIIが上回っているのではないかとすら感じる程です。

レンズを装着して実際に覗いてみると、期待を裏切らない素晴らしい見え味で、マニュアルフォーカス時のピントも掴み易い優れたファインダーだと思います。

オールドレンズ装着時の機能


PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + ST50mm f1.8 正面
PENTAX(ペンタックス)のオールドレンズと一口に言っても様々な種類が有りますが、大別してM42マウントと言われるスクリューマウントの物と、バヨネットタイプのKマウントに分けられると思います。

Kマウントの中でも電気接点が採用されたAレンズは、オートフォーカス出来ない事と分割測光が出来ない事以外は現行のレンズと比べて機能的に遜色無く、製品としても比較的新しいものになるので、今回は除外しました。M42レンズとMレンズ(初期のKレンズも含む)に絞ってレビューしよう思います。

スクリュータイプのM42レンズを使用するに際にはマウントアダプターを使う事になるので、レリーズ時に瞬間的に絞り込まれる自動絞りは機能せず実絞りまで絞り込んで測光、撮影する事になります。なお装着時に使用できるモードはAv・TAV・Mモードの三種類のみでこれは今までのPENTAX(ペンタックス)デジタルボディと共通です。
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + ST50mm f1.8 マウント部拡大
そしてPENTAX(ペンタックス)ユーザーが待ちに待った新機能は、電気接点を持たないKマウントレンズを使用する際にも自動絞りで絞り優先(Avモード)が使用できるようになった事ではないでしょうか。これはK-3 Mark IIIで初めて登載された機能です。

K-3 Mark III 以前のPENTAX(ペンタックス)デジタル一眼レフカメラでは、Mレンズ使用時に絞りリングを任意の値に設定してもレリーズ時に絞り込まれず開放で撮影されていました。

これがK-3 Mark IIIでは、レリーズボタンを押す→絞り込まれて測光→シャッター速度が決定する→シャッターが切れる、というプロセスでシャッターが切れる為、Mレンズでの絞り優先オートが使えるようになりました。
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + SMCM135/3.5 斜め
デメリットとしては、上記のプロセスがあるためシャッタータイムラグが長くなる事と、絞り込んでから測光される為、事前にシャッタースピードが把握出来ないという事です。

また、簡易的にではありますが絞り情報の記録も可能で、メニュー内の〔絞り情報記録〕をオンにしておくと、一段刻みですがEXIFへの記録が可能となっています。

ところで、メーカーの公式情報ではないのですが、撮影前にレンズを色々と付け替えていて、どうやってM42レンズとMレンズを識別しているのだろう?と疑問に思ってあれこれやってみると、どうやらマウントの電気接点に通電する物が触れているか否かで判断しているようです。ほとんど起こる事は無いと思いますが、M42レンズを使用する場合でも、接点に何か通電する物が触れているとボディがMレンズと誤認して測光プロセスが働いてしまう事があるようなので、注意した方がいいかもしれません。

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オールドレンズを使った実写レビュー


PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + オールドレンズ作例1
作例1: f1.4 1/640 ISO100 鮮やか マルチパターンオート レンズ:ST50/1.4
まずはM42スクリューマウントの、スーパータクマ―50mmF1.4を試してみました。これぞオールドレンズという、個性的なボケ味が特徴のレンズです。

スーパータクマ―50mmF1.4は、明るいオールドレンズによくある、開放はかなり甘く1~2段絞ると一気にシャープになるレンズで、開放では被写界深度が浅く、ソフトフォーカスレンズのような柔らかい描写になる為ピントの山がつかみにくく、普段ならピント合わせに苦労させられます。

しかし、K-3 Mark IIIの見え味の良いファインダーと、刷新されたAFセンサーによるフォーカスエイドの助けもあり、APS-Cサイズセンサーのカメラを使っている事を忘れるくらい快適にピントを合わせる事ができました。
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + オールドレンズ作例2
作例2: f2.8 1/3200 ISO100 フラット マルチパターンオート レンズ:ST50/1.4
F2.8まで絞ると、同じレンズとは思えないほどシャープな描写となり、ファインダー像も引き締まってくるので、K-3 Mark IIIのファインダーなら難しい中間距離でもフォーカスエイド無しで容易にピントを合わせる事ができます。

今までの機種と比べて、レンズの描写、絞りによる変化がリアルにファインダー像に現れている気がしました。
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + オールドレンズ作例3
作例3: f3.5 1/320 ISO100 フラット マルチパターンオート レンズ:SMCT28/3.5
続いて試したのはSMCタクマ―28mmF3.5です。一眼レフがピント合わせを苦手とする広角レンズでさらにF値がやや暗めと、ファインダー上では開放でもパンフォーカス気味に見えてしまう、どちらかと言えばピント合わせが難しい条件のレンズです。しかし、K-3 Mark IIIのリアルでピントの山がつかみやすいファインダーでは、意図した所に迅速にピントを合わせることができました。

K-5を使っていた頃によく使用していたレンズなのですが、その時よりも大きくパワーアップしたファインダーにより、まるで違うレンズを使っているような気さえしてきました。
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + オールドレンズ作例4
作例4: f4 1/2000 ISO400 フラット マルチパターンオート レンズ:SMCM50/2
今度はKマウントのレンズです。

K-3 Mark III以前は絞って使いたい場合はMモードで適宜露出を完全マニュアルで合わせるか、グリーンボタンに絞り込み測光機能を割り当ててシャッタースピードをシフトする、等のやり方が必要でした。K-3 Mark IIIではAvモード時、自動絞りで絞って使えるという、一眼レフでは通常の使い方での撮影が可能となりました。機構上、レリーズからシャッターが切れるまでにわずかにタイムラグが生じるので、シャッターチャンスには弱く動体撮影は得意としません。それでもシャッターのキレが良い為か、個人的には懸念していた程タイムラグによるストレスは無く快適に撮影できました。

十分に訓練されたPENTAX(ペンタックス)ユーザーであれば(笑)もはや今まで通りのMレンズの使い方も苦にはならないかもしれませんが・・・ それでも便利な新機能が追加された事はやはりうれしいものです。
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + オールドレンズ作例5
作例5: f5.6 1/160 ISO1600 フラット マルチパターンオート レンズ:SMCM135/3.5
SMCM135mm/3.5での作例です。PENTAX(ペンタックス)の古いレンズの中ではあまり人気の無いレンズですが・・・

このレンズはデジタルカメラでは少し絞らないとパープルフリンジが目立ってしまうため、作例ではF5.6まで絞って撮影しています。夕暮れ時でシャッタースピードが稼げず手ぶれが心配になりましたが、5軸5.5段の手ぶれ補正の効きは良好でブレずにしっかりと撮れました。ボディ内手ブレ補正の為、ファインダー上では効いている事が判断しづらいのですが、他社の手ブレ補正と比べても見劣りしない補正力を持っていると感じます。

一眼レフなのにどんなレンズでも手振れ補正が効く、そんなカメラは今やPENTAX(ペンタックス)だけになってしまいました。

社外品のオールドレンズ


社外品のKマウントレンズでも、純正のマウントに相当する物であれば純正同様に絞り優先撮影が行えます。

いまいち人気の無かった接点無しのレンズが、もしかしたら人気が出てきたりして・・・

※社外品のKマウントオールドレンズが発売された当時と、現在のマウントでは仕様が変わっている事もある為、レンズ装着やご使用については自己責任でお願いします
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + オールドレンズ作例6
作例6: f8 1/500 ISO400 鮮やか マルチパターンオート レンズ:タムロン90マクロ 52B Kマウントアダプトール
タムキューの愛称でお馴染みの、タムロンの定番レンズ90mmマクロの古いモデルです。

今回の撮影では、Kマウント用アダプトール(電気接点無し)では問題無く動作しました。

なお電気接点付きのアダプトール2では正確な絞り値が反映されなかったり、シャッタースピードがオートになったり、ならなかったりと相性が悪いようであまりおすすめできません。
PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII + オールドレンズ作例7
作例7: f4 1/1600 ISO400 鮮やか マルチパターンオート レンズ:リコー リケノン50mm2 初期型
ある意味純正レンズと言えなくもない、リケノン50mmF2は、当時の販売価格からは考えられない程の描写力を持ったレンズです。

初期型はリコー独自の接点も無いので問題無く装着、使用する事が出来ました。勿論絞り優先も試しましたが問題なく動作するようです。

しかし、リコー独自の接点が付いた新しいモデル、リケノンPタイプはマウントを痛めてしまったり取り外しが困難になる可能性が有るようなので、やはり使用はおすすめしません。

まとめ


当店のK-3 Mark IIIのレビューも今回で3回目となり、基本性能に関しては十分説明されていると思いますので、ここで多くは語りません。

良く練り込まれた素晴らしい見え味のファインダーは、マニュアルフォーカスしたい!と思える優秀なもので、オールドレンズメインでフルサイズ機を主に使っている私でも、購入意欲がふつふつと沸いてきてしまいました。

また、Mマウントレンズの自動絞りによる絞り優先への対応など、過去のレンズ資産を無駄にならないよう配慮してくれる辺りメーカーの懐の深さが伺い知れます。浅葉同様だいぶ個人的な主観が出てしまいました・・・どうかご容赦ください。

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PENTAX(ペンタックス) K-3 MarkIII
Photo & Text by フジヤカメラ 田中
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