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2021.02.23
本日のフジヤ【スタッフ レビュー&ハウツー】,

稀代のベストセラーカメラNikon(ニコン)F3の魅力と中古購入のポイント

製品寿命が長かったフィルムカメラの時代とは言え、20年の長きにわたり製造、販売されたNikon(ニコン)F3は、稀代の名機と言っていいでしょう。

当店でも中古を含め最も多く取り扱いしたカメラの一つであり、私が入社して二十数年、新品中古含めれば在庫が無かった日が無いかもしれないカメラの一つです。

今回はそんな名機Nikon(ニコン)F3についてご紹介したいと思います。
Nikon(ニコン)F3 中古在庫
■この記事の監修

フジヤカメラ店

東京都 中野区のカメラ専門店 フジヤカメラ店です。カメラ、レンズ、三脚、動画機材まで、新品、中古機材を多数取り扱っております。中古在庫は常時3,000点以上!これからカメラを始める方も、ベテラン、プロカメラマンも、機材の事ならフジヤカメラ店にお任せ下さい。

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F3とは


Nikon(ニコン) F3 + Ai50mm f1.4s 本体1
Nikon(ニコン)のフラッグシップ一眼レフカメラのシリーズは代々Fの名を冠されました。1980年に発売されたF3はその名のとおり3番目のNikon(ニコン)フラッグシップ機になります。

次の代のフラッグシップであるF4はオートフォーカスの機種となったので、マニュアルフォーカスでは最後のフラッグシップ機となりました。
Nikon(ニコン) F3 + Ai50mm f1.4s 本体2
デザインはイタリアの著名な工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロです。

グリップのふくらみやNikon(ニコン)Fのアイコンとも言える印象的な赤いラインなど、その後続くFの系譜に引き継がれるだけでなく、多くのカメラのデザインに影響を与えました。

又、現代のデジタルカメラまで続く、システムカメラの基礎となる多くの要素を含んでおり、今見るとシンプルな機能でありながら、これだけあれば十分、とも思える完成度の高さを持っています。
F3 + Ai50mm f1.4s 本体3
製造中止から20年あまり経過した現在でも人気のカメラで、愛用者も多いNikon(ニコン) F3ですが、現役当時のように極限の性能を持ったプロ機として使うユーザーだけでなく、カメラの全てを理解できる、分かり合える写真の相棒として使う方も多いように感じます。

そんなNikon(ニコン)F3の魅力についてみていきたいと思います。

F3の魅力と特徴


明るく見やすいファインダー

Nikon(ニコン) F3ファインダー取り外し
写真は報道カメラマン向けの派生モデルF3P
発売当初から評価の高かったファインダーの見易さは今見ても十分通用するレベルで、マニュアルフォーカスでのピント合わせもやり易いと感じます。

当時のプロ機のトレンドだったファインダーの交換や、ユーザー自身で簡単に交換出来るスクリーンなど、実用的かどうかはさておきギミックとしても面白く、男心をくすぐります。
Nikon(ニコン) F3 ファインダー照明
ファインダー表示はモノクロの液晶タイプでシャッタースピードなどが表示されます。絞り表示はレンズの絞りリングに刻印された表示を窓から直接読むタイプで、電気接点とデジタル表示に慣れた世代には、時代を感じさせて逆に新鮮です。

ファインダー内表示は暗闇での使用時には内蔵の照明を点灯させる事も出来て、温かみのある照明の光が、時代を感じさせてどこかノスタルジックです(照明のスイッチが小さくて押しずらいのもどこか懐かし)。

横走りの頑丈で心地よいフィーリングのシャッター

Nikon(ニコン) F3 シャッター幕
シャッターは最近のカメラでは見なくなったチタン幕の横走り式です。

長辺にそってシャッターが走る横走り式シャッターは、必然的にシャッターの移動距離が長くなり、シャッタースピードに制約がある一方、つくりがシンプルな事から堅牢で壊れにくい構造です。特にチタン膜のタイプは最も堅牢性の高いシャッター機構の一つと言っていいでしょう。フィーリングにも独特なものがあり、シャッターのショックをグリップで受け止めやすいので、ブレずらいと感じる人もいるかもしれません。

又、制御方式に電子制御式を採用しているのは、機械式に比べれてスピードのバラツキが極端に少なく、AE(オートエクスポージャー:F3では絞り優先AE)が使えるというメリットがあります。
Nikon(ニコン) F3 巻き上げレバー
Nikon(ニコン)F3のフィルム巻き上げは、驚く程滑らかです。

ライバル機種のCanon(キヤノン)New F-1の巻き上げがゴリゴリとした抵抗があり武骨な感じであるのに対して、Nikon(ニコン)のそれは繊細で抵抗感も常に一定の扱いやすいもので、人によっては滑らか過ぎると感じる事があるかもしれません。

因みにNew F-1の発売は、F3の翌年(1981年)でした。

プロ機らしい機構

Nikon(ニコン) F3 緊急用機械シャッター
Nikon(ニコン)F3は、本来はプロカメラマンの為の機材として作られました。

その為、プロカメラマン向けと言えるいくつかの特徴を持っています。その一つが緊急用の機械式シャッターです。

マウントに向かって左斜め下に設けられたレバーを押し込む事で、電池が無くても1/60の機械式シャッターを切る事が出来、電池切れや寒冷地で電池容量が減ってしまった時でもとりあえずシャッターを切る事が出来るのです。
Nikon(ニコン) F3 アイピースシャッター
三脚に固定して写真を撮る際など、カメラから目を離してレリーズする機会があります。

そんな時、ファインダー側から光が入る事で内蔵露出計の値が狂ってしまう事があり、これを防ぐ為にF3ではアイピース側からの光の流入を防ぐ為のアイピースシャッターが設けられています。

これも、記念写真などカメラから顔を上げてレリーズを切る機会の多いプロカメラマン向けの装備と言えるでしょう。
Nikon(ニコン) F3 ミラーUP
ミラーが上がる際の衝撃がある事は、一眼レフカメラの機構上の欠点で、ミラーが上がった瞬間の衝撃が、特に超望遠レンズなどではブレの原因となってしまう事があります。

このブレを極限まで防ぐ為F3ではレリーズ前にミラーを上げておくミラーアップ機構が内蔵されています。

そこまでしなくても、と思えるような数々の装備は、F3がプロユースを前提に作られたカメラである事の証と言えるかもしれません。

バリエーションモデル


Nikon(ニコン) F3P(プレス)
Nikon(F3)は、プロ用のカメラゆえにいくつかのバリエーションモデルが作られました。その一つがF3P(プレス)です。

報道カメラマン向けに作られたモデルで、報道写真に必要のない機構を排除し、幾つかの必要な機構を付加されています。例えば、ファインダー上のホットシューです。

巻き上げレバーの上にストロボを乗せるというNikon(ニコン)独自の機構では、フィルム交換の際にストロボを一々外さなければならず、交換の手間がかかるという事から付加された機能で、さらにぶつける事が多いファインダーカバーはより耐久性の高いチタン製になっています。
Nikon(ニコン) F3P ファインダー上ホットシュー
このような、報道カメラマンの意見を取り入れたモデルの存在は、カメラが手荒く使われるプロの現場で、Nikon(ニコン)F3が多く使われていた事の裏付けになっているように感じます。

F3を中古で購入する際のポイント


現在、Nikon(ニコン)F3は製造中止から20年程が経過し、手に入れるには中古品を探す事になります。

ここでは、F3を中古で買う場合の注意点、故障し易い箇所、購入の際のちょっとしたコツなどを紹介したいと思います。
Nikon(ニコン) F3 フィルムカウンター
当店では過去10年間で、数千台のF3を扱いました。その中から修理に出した回数の多かった箇所は、フィルムカウンターの不良、ファインダー内液晶表示(薄い、照明が点かないなど)、ISO感度ダイヤルが動かない、という3つでした。

いずれも簡単に手に取って確認出来る箇所なので、中古品購入の際には確認しておくといいでしょう。

とは言え、修理の絶対数は取り扱い台数に対して少ないので、古いモデルながら比較的安心して中古を購入出来る機種だと思います。
Nikon(ニコン) F3 ISO感度ダイヤル
実は、前述したような故障以外に、もっと多く修理に出された箇所があります。それはファインダーのカビです。

これは保管状態や使用状況によるものなのでカメラのせいではないですが、他の中古カメラと同様に、F3購入時も特にガラスが多く使われるファインダーはきちんと確認した上で購入する事をおすすめします。

又、経年劣化によるモルト交換のメンテナンスも多く行われていました。20年と言う長きにわたって製造された事で、経年劣化の度合いに差がある事も、F3購入の際のポイントの一つと言えるでしょう。
Nikon(ニコン) F3 シリアルナンバー
Nikon(ニコン)F3は20年間も製造されたカメラなので、製造初期の製品と後期の製品では、経年劣化に20年分の差があると考えられます。

特にシリアルナンバーが120万台や130万台といった製造初期のモデルは、スローシャッターにシャーという異音が混じる事も多く経年劣化の進行も懸念される事から注意が必要です。

対して最後期に位置するシリアルナンバー200万台のモデルは、経年劣化も初期モデルより少ないと予想出来る分人気が高く、場合によっては高額であるケースもあるようです。個人的には価格的にもリーズナブルで比較的新しいシリアルナンバーとなる180~190万代くらいがお買い得なように思います。

まとめ


今回は名機Nikon(ニコン)F3について取り上げてみました。

プロ機らしい堅牢で信頼性の高いボディは、今でも比較的入手性のいいNikon(ニコン)のマニュアルフォーカスレンズと併せて、フィルム愛好家から支持を得るのも納得の、使い勝手のいい機種だと思います。

新品で売っていた時代を知る身としては、中古価格が驚くほど安くなっているのも魅力の一つです。
Nikon(ニコン)F3 中古在庫
Photo & Text by フジヤカメラ 北原

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