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2020.05.21
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SIRUI 50mm f1.8 1.33X アナモルフィックレンズ 実写レビュー | Adobe Premierでの処理

SIRUI 50mm f1.8 1.33X アナモルフィックレンズ 実写レビュー | Adobe Premierでの処理キービジュアル


■この記事の監修

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SIRUI (シルイ) 50mm f1.8 1.33X アナモルフィックレンズ のレビューです。今回は、レンズのレビューだけでなく、Premier Pro CC での運用の仕方や、外部モニター(SmallHD FOCUS)でのアナモルフィックのプレビュー表示の仕方など、使い方まで含めてテストしてみました。

SIRUI (シルイ) 50mm f1.8 1.33X アナモルフィックレンズ は、シネマティック「2.4:1」ワイドスクリーンビデオを生成する事を前提に、16:9の中にデータを入れるように、横方向を圧縮した形で撮影する為のレンズです。編集時、横方向を1.33×広げて使う事を前提とした形で記録する為、撮影時は物の形が縦長に記録されます。

2.4:1という横長のアスペクト比は、パーンの迫力も出て、なにより映画を撮っているような気分が味わえ、撮影時には非常に気分が上がりました。また、車のヘッドライトなどの強い光源に対して、横に線を引く独特なフレアが発生する特性があり、通常のレンズにはない、クールな画を撮る事が出来ます。
それでは、テストボディの SONY α6400 に、SmallHDのモニターを載せて、テスト撮影に出かけましょう。

撮影テスト

SIRUI (シルイ) 50mm f1.8 1.33X アナモルフィックレンズ の記録は、横方向を圧縮した16:9のアスペクト比で行われます。 よってモニター上にも16:9で表示されるので、完成を予測しずらい、という難点があります。
そこで今回は、リーズナブルな価格でありながらクォリティの高い外部モニター SmallHD FOCUS (MON-FOCUS) 5インチ を使用して撮影テストを行いました。

SONY α6400 +smallrig(ケージ他)+smallHD(モニター)の組み合わせは、動画撮影では非常に使い易い組み合わせです

SmallHD のモニターには、アナモルフィックレンズでの撮影用のスケールが用意されているので、撮影時に、実際に左右を1.33×した映像を見ながら、撮影する事が可能で、非常に便利です。なにより、2.4:1の映像を見ながらの撮影は、映画監督にでもなったような高揚感が味わえて、とても楽しいものでした。
SmallHD FOCUS (MON-FOCUS) 5インチ の、アナモルフィックレンズの設定は、画面左をタップして機能の追加(+マーク)、「スケール」をタップして「アナモフィック」→「ADD TO THIS PAGE」で完了です。
※SIRUIでは「アナモルフィック」、smallHDでは「アナモフィック」と言っていて面白いです。当ブログでは「アナモルフィック」を採用しました。

追加機能の、「スケール」→「アナモフィック」を追加(ADD TO THIS PAGE)すればOK。レンズを模したアイコンが可愛い

折角、映画監督になった気分が味わえるので(個人の感想です)、今回の撮影は全てS-Log2(PP7)で記録しました。SmallHD のモニターには、LOOKをあてて表示する機能もあるので、これまた便利です。
動画撮影で外部モニターを使うというと、リアルタイムなマニュアルフォーカスの為だけだと思われがちですが、今回のようなスケールの変更やLOOKをあてた状態でのモニター表示など、多彩な機能が備わっており、非常に便利です。

上のカットは、FUJIFILMからF-Log用に提供されている、ETERNAのLUTをあてた映像です。本来F-Log用に提供されているLUTなので、使い方として正しいかはさておき、比較的簡単にそれっぽい画になるので、個人的によく使うLUTです( FUJIFILM F-Log用LUTダウンロードページ )。2.4:1の、シネマティックなアスペクト比と併せて、いい雰囲気になったと思います。

横に大きく長い画面は、やはり迫力があります。動画だけでなく、最近は、SIGMA fpに搭載されたアスペクト比21:9を写真で利用するのもちょっとしたブームのようなので、写真でチャレンジしても面白いかもしれません。モニター越しに、S-LogにLUTをあてた画を見ながらフレーミングするのがとても楽しかったです。

アナモルフィックレンズは、上のカットのように、車のヘッドライトなど強い点光源に対して、水平に強烈なゴーストが発生します。
写真で見るとただのゴーストですが、動画ではこのゴーストが車の動きに合わせて移動していくので、かなりカッコいい画が撮れます。 コツは、点光源がレンズに直接あたるように、カメラをヘッドライトの高さに合わせて、ローアングルにセットする事です。

街灯などにもゴーストは入りますが、ヘッドライトに比べると幾分控えめになります。ゴーストだけでなく、光の回りに発生するハレーションにも独特な雰囲気があり、非常に個性的です。
横に極端に広いアスペクト比のおかげで、50mmというAPS-Cサイズセンサーでは中望遠レンズとなる焦点距離が、ワイドスクリーン生成後は約37.5mmレンズの視野となり、オールマイティーに使い易い画角だと感じました。

操作性

しっとりとしたフォーカスリングの動きは、とても使い易く感じました。残念ながらブリージング(フォーカスの移動にともなう画角の変化)は、一般的な写真用の単焦点レンズのレベルで発生します。気になるなら、スケールで調整するなど後処理が必要です。

絞りリングは、動画での使用を前提としたレンズなので、クリックのない、フォーカスリングのような滑らかな動きです。一気に大きく動かすと明るさが変わってしまいますが、ゆっくりと動かせば、被写界深度だけが変化し、明るさの変わらない映像を撮る事が可能です。

Adobe Premier での処理

今回、横方向を1.33倍にして、2.4:1のアスペクト比に変換する処理は、Adobe Premier Proで行いました。Premier Pro では、フッテージの変換で、アナモルフィックレンズの設定を行います。手順は以下のとおりです(他の方法もあるかもしれませんが、私は以下の方法で行いました)

プロジェクトパネルに、編集する素材をコピーしたら、プロジェクトパネル上で右クリックすると、上図のようなウィンドウが立ち上がります。この中から「変更」→「フッテージの変換」とすすみ、

(今回は全ての素材を2.4:1にする為、プロジェクトパネル上の素材は全て選択して、一括処理するようにしています)
フッテージを変換の画面から「ピクセル縦横比を指定」→「HDアナモルフィック1080(1.333)」を選択、最後にEnterキーを押して決定します。今回はアナモルフィックレンズで撮影した映像だけだったので、プロジェクトパネル上の全てのクリップを選択して変換しました。

あとは、いつも通りに編集していくだけです。意外と簡単に出来ますね。以下は、ちょっと蛇足です。
今回の映像は、全てS-Log2で撮影しました。上の写真のタイムラインを見てもらうとわかると思いますが、私はカラーの調整は全て調整レイヤー(プロジェクトパネルを選択した状態で、ファイル→新規→調整レイヤー)を作って行います。
もとのクリップをいじると、もとに戻すのが面倒ですし、調整レイヤーのON、OFFでグレーディング後と前を確認しながら出来るのも便利です。
一定の補正をタイムライン上の全てのクリップに適応する事も出来るので、Premierで色補正をするなら、調整レイヤーを使うと凄く便利になります。

まとめ

これ一本でもかなり楽しいレンズでした。2.4:1の画面でフレーミングするだけで、こんなに楽しいとは・・・個人的にはLog撮影と組み合わせて使うのがおススメです。
マニュアルフォーカスである事や、アスペクト比変換後のイメージをリアルに想定出来るようにする為にも、外部モニターはあった方がいいと思います。撮影が格段に楽に、楽しくなります。
絞りやフォーカスの動きも使い易いものだと感じました。特殊なレンズで、安くはない価格なので、購入には勇気がいると思いますが、しばらくこのレンズだけと付き合って、色々と撮ってみたいと思わせるインパクトのあるレンズでした。

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