TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F053) のレビューです。 よく言われるように、35mmは少し広い画角の標準レンズと言ってもいい焦点距離で、1本だけ持って歩くならこの焦点距離をセレクトする方も多いと思います。
さらに TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は撮影倍率0.5倍、最短撮影距離で15cmと、マクロにも強いので、常用レンズとしての価値が非常に高そうです。
見た目で目を引くのは、パンケーキレンズなどでよく見るドーム型のフードで、普通のレンズではあまり採用されない形状だと思います。
本体の大きさ、重さやデザインは、同シリーズの他のレンズ 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) 、24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F051) とそっくりで、見分けがつかないほどです。
フードの形状で違いがわかり易くなっているのかもしれません。
※レンズにフィルターが付いている状態ではフードの装着が出来ない為、フィルターを装着しない場合はフードに装着する形になります(口径は同じ67mm)
テスト撮りは紅葉の見ごろを迎えた公園で行いました。
TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F053) のテストの前に同シリーズの24mmのテストを同じく紅葉に色づいた公園で行いました。ロケーションが同じだとつまらないと思い、35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、違う公園に移動して撮影しました。
このあたりはフジヤカメラのブログのこだわりです。
>>>TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 レビュー
今年の秋は雨が多いですが、短い晴れ間をうまく利用してテスト撮影が出来ました。
黒い池の水面に、青空が反射して綺麗です。ワイドレンズで撮ったような雰囲気になりましたが、TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 で撮影しています。
このあたりの、表現力の多彩さが、1本だけ持つなら35mmと言われる所以だと思います。
秋の柔らかな光を浴びて、椿の花びらが輝いて見えました。敢えて、手前の花にピントを合わせて、花びらの輝きはボケた背景で表現しました。先ほどのカットとは逆に、中望遠レンズで撮ったような写真になりました。
TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の開放f値2.8は数字的にはやや物足りない感がありますが、被写体にある程度近づけば、背景をここまでボカす事が出来ます。
同シリーズの24mm同様、オートフォーカスの動きや動作時のノイズはやや気になりますが、スナップなら十分なレベルです。
雨上がりのみずみずしい苔の上に椿の花びらがひとひら。
雨は写真を撮るには煩わしいですが、写真の価値を上げる演出をしてくれる事もあるので、良し悪しです。雨の日には雨の日にしか見られない風景、撮れない写真があります。
このカットは TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の近接の強さ(最大撮影倍率は0.5倍)を活かして撮影しました。マクロレンズで撮ったっぽくなっているでしょうか?
椿の花びらと落ち葉が交じり合い、ピンクでも茶色でもない不思議な色になっていました。
低くなった光が斜めからあたり、高いコントラストを作り出しています。
TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、先にテストした同シリーズの24mm同様、価格を超越した非常にシャープで高解像度なレンズで、細かい部分までよく描写されています。
絞り込んで、まだ緑のモミジの葉と、木漏れ日の太陽を同じフレームに収めました。
このカットは最小絞りのf22で撮影しましたが、TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、もう少し手前の絞り値から光芒が発生するようです。
35mmの画角は意図せずバリエーションに富んだ写真が撮れて、1時間ほどしか撮影する時間が無かったにもかかわらず、写真の選択が楽でした。
見ごろを迎えたモミジの葉を、秋の光を透かして撮りました。
このくらいの光線の強さであれば問題ありませんが、強い逆光線では若干ゴーストが出やすい印象です。これは先にテストした同シリーズの24mmでも感じた事なので、価格相応なのかもしれません。
反面、フレアの発生は少ないようで、逆光線でコントラストが落ちてしまう事はあまりなかった印象です。
落ち葉とコケは定番の被写体だと思います。背景に積もった落ち葉が入ったおかげで、秋らしい色合いの写真に出来ました。
近接に強いというのは、日常的に使うレンズでは重要なポイントだと思います。最短撮影距離を意識しなくて撮れるだけでなく、むしろまだ寄れるんだ!と驚かされる事が多かったです。
35mmは近接でも被写界深度が比較的広く、背景の写りこみも広いので周囲の状況を伝えやすく、思いのほかマクロ的にも使い易く感じました。
個人的にこのレンズの価値の一つはマクロに強い事なので、拡大して画質を見てみたいと思います。
落ち葉の表面の水滴まで描写され、非常に綺麗です。
開放f2.8で撮影しているので、かなり被写界深度が浅くなっており、又、もの凄くシャープという写りではありませんが、TAMRON (タムロン) らしい柔らかさがあって好感が持てます。
このレベルの描写力があれば、マクロレンズとしても十分以上に活躍てくれそうです。
雨上がりの公園を老夫婦が散歩されていました。私と同じで紅葉を見に来たようです。
TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、近接に強いお陰で、もともと表現の幅の広かった35mmという画角に、さらにマクロの要素を加えてくれました。
まさに1本だけ持ってあるくオールラウンドなレンズとして、いつでも持ち歩きたくなるレンズです。
フルサイズのSONYユーザーなら1本持っていて損のないレンズだと思います。
純正(SONY FE35mm f1.8) とどちらにするか悩むところです。TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の優位性はマクロの強さ、SONY FE35mm f1.8 は開放f1.8である事が価値となるでしょう。
f1.8はかなり魅力的ですが、今回 TAMRON (タムロン) 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 を使ってみて、最短撮影距離15cmの魅力を知ってしまったので大いに悩みます。しかも実売価格が¥20,000以上安い(2019.12.5現在)ので・・・結局予算次第でしょうか(笑)。どちらも魅力的なレンズです。
「いつもの日常に、新たな発見を」というTAMRON (タムロン)のキャッチコピーどおりの、使っていてわくわくするレンズでした。
>>> 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F053) ソニーE