本日はCanon (キヤノン) EF40mm F2.8 STM のレビューをお届けしたいと思います。
何故、いまさらEF40mm F2.8 STM のレビューを?と思われる方も多いと思います。なにせ2012年6月の発売なので、このブログを書いている時点で、発売から6年以上経過したレンズです。
きっかけは、レンズのレビューを書くときに、最近多用してしまう「ボケが綺麗」という言葉でした。
最近のレンズは、レンズの設計時にボケの感じまで念頭に置いて設計されているものが多く、実際に使ってみても、2線ボケなどの欠点と思われるよなボケになるレンズは少ないようです。
しかし、たまには「ボケが綺麗」じゃないレンズを見てみたくなります。
実は、この Canon (キヤノン) EF40mm F2.8 STM は、発売時、実写を見て、個人的に「ボケが個性的」だと思ったレンズでした。
レンズは良し悪しより個性を楽しむものだと思っています。最近「ボケが綺麗ばっかり言ってるな」と思った時、ふとこのレンズの第一印象だった「ボケが個性的」という事が思い浮かび、試してみたくなったのでした。
さて「ボケが綺麗」を打破できるくらいの個性を見せてくれるでしょうか!?
久しぶりに自分で使ってみての第一印象は思ったより「普通」でした(笑)
もっとかたい、ごちゃごちゃしたボケ味というイメージだったのですが、意外と普通に柔らかくボケてくれました。
気軽な感じで使うレンズだと思いますので、テストカメラは小さい事を重視して、APS-CサイズセンサーのEOS 80Dを選択しました。APS-Cサイズセンサーのカメラに取り付けると、35mm判換算で64mm相当という、微妙な画角になります。
悔しいので、別のレンズと比較してみました(笑)
左が「EF40mm F2.8 STM」、右が「EF50mm F1.8 STM」です。50mmは開放f1.8のレンズですので、ボケの量を近づける為にf2.8まで絞ってあります(焦点距離が10mm長いので、少しボケは大きくなっているかもしれません)。
右の写真の方が少しですが、ボケた部分の輪郭のグラデーションが滑らかで綺麗に見えます。
やはり「EF40mm F2.8 STM」のボケは少しかためのようです。
EF40mm F2.8 STM は薄いパンケーキタイプのレンズで、重さ130g、それ程高額なレンズといわけでもないので、レンズキャップ代わりに普段から持ち歩いているユーザーも多いと思います。
高級タイプのレンズではありませんが、強い逆光線でも、ゴーストやフレアの発生は少なく、写りはしっかりしたものです。
弱点は、単焦点レンズとしては暗めの開放f値2.8だという事でしょうか。ボケの量にはやや不満が残ります。
最近のレンズには、解像力で不満を感じる事は少なくなりましたが、念のため少し拡大してみましょう。
上の写真からの拡大ですが、石の質感などしっかりと描写されています。
このくらいシャープなら十分ですね。
写りさえ良ければコンパクトである事は撮影を軽快に、いい方向に持っていってくれます。
EOS 80D のバリアングル液晶と併せて、ローアングルも苦になりません。
撮りたいものが見当たらない時は、ググっとローアングルにしてみたり、逆に思い切りハイアングルにしてみたりすると、見慣れた風景も新鮮に見えてきたりします。
そんな時、小さく軽いはカメラマンの大きな味方になってくれると思います。
本当は、もうちょっとボケの個性について違いが出ると思ってテストしたのですが、さすがにデジタル世代のレンズは、この価格帯でも優秀です。
多少、かたさがありますが、十分許容範囲だと思います。
レンズとしては、コスパの高い、いいレンズという結果でしたが、もっと強い個性があると思ってテストしたので、記事としてはちょっと残念な結果となりました(笑)