フジヤカメラ

 

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2017.04.12
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フジヤ中古レンズ紀行 第8回「Voigtlander (フォクトレンダー) NOKTON 35mm F1.2 Aspherical VM II」編

フェンスと自転車
ISO1600 f1.4 1/60
歩くのに夢中になっていると自転車の透けた影とフェンスが見えてきました。撮ってみるとフェンス越しの透明感がスッキリ感じます。周辺の柔らかい滲みや点光源も立体感を引き立てています。

 

今回はフォクトレンダー NOKTON 35mm F1.2 VM IIをLeica Mモノクロームと組み合わせ、夜の街を撮影してみました。
鏡胴は高級感と重量感のある作りで、デジタルのライカボディーでは新旧が融合したようなデザイン。Leica M モノクロームは、白黒でしか撮れないカメラです。表現性はとても良く、レンズの性能が遺憾なく発揮されていると感じます。ライカの純正レンズと比べると何倍もの値段差がありますが、見た目のバランスも良く、雰囲気も非常に良いです。

 

f1.2開放での美しいボケは柔らかく自然です。高いコントラスト、スッキリした透明感。開放から繊細な描写をしてくれるます。折角なのであまり絞りたくないと思い、今回はf2.8以上は絞らないで撮影しました。

 

公園から高層ビルを望む人
ISO1000 f1.2 1/30
 

夕方の池袋です。日が落ちて、少し感度を上げて撮影。開放でもビルの繊細な描写は落ちていません。池袋駅の周辺は意外に広い公園があって、休んでいる人も意外に多いです。

 

車庫のトラック
ISO2500 f2 1/60
 

なんてことない風景も白黒だと雰囲気が出ますね。
大口径ならではの描写。透明感もあります。金属やガラスの艶やかな質感、アスファルト。それぞれの材質、その質感を開放から忠実に表してくれます。

 

サンシャイン60内催事会場
ISO2500 f2.8 1/1000
 

少し寒かったので思わずサンシャイン内に入りました。多少絞ると周辺部の描写低下や点光源の滲みも少なくなります。

 

ビルの狭間
ISO2500 f2.8 1/15
 

ビルの合間を見上げると空間が開いて空が見えました。空の締まった黒と、ビルの細かな模様が心地よい1枚です。アーチの光のグラデーションが、透明感と相まって滑らかに映し出されています。

 

消火栓
ISO2500 f1.4 1/125
 

光ものに惹かれやすいので、キラッと光る消火栓はつい被写体にしてしまいがちです。合焦部から滑らかにボケが溶けていくようです。アスフェリカルレンズを3枚採用しているためか、光の強い部分ではアスフェリカル特有の波紋のようなボケが多少出ていますが、気にならない程度ではないでしょうか。

 

タイルと階段
ISO2500 f1.4 1/500
 

シャープなレンズにはこういう描写を試してみたくなります。タイルの質感や、細かい模様も一本一本解像していて感動します。

 

UFOキャッチャー
ISO320 f1.2 1/3000
 

ガバッと鷲掴みで取ってみたいぬいぐるみたち。一つ取るのもやっとでした…。ふわっとぼけている部分はとても柔らかい印象です

 

格子のビルとライティング
ISO1000 f2 1/125
 

最近はデザインの強調された建物、特にビル等にカメラを向けがちです。光と影、モノクロームはこういう被写体や光源に向いていると思います。絵の具と筆の良さ同様、カメラとレンズの良さを感じます。

 

ユニオンジャック
ISO1600 f1.4 1/1000
 

見上げるとユニオンジャックがはためいていました。ライトが当たり、濃いディティールも階調が出ています。

 

2011年8月のチラシ(II型)

 

NOKTON 35mm F1.2 VMは、35mmとしては世界初のF1.2大口径レンズとして2003年に発売されました。今回のVM IIは、2011年にリニューアルされたレンズです。最短撮影距離が70cmから50cmになり、ローレット部などのデザインも変更になりました。また、I型はネジ止めのフードが付属されていましたが、II型はバヨネットのフードで別売となりました。


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