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2023.10.05
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FUJIFILM GFX 100 II レビュー × 曽根原 昇 | さらなる進化を遂げた超弩級高画素機

FUJIFILM GFX 100 II レビュー × 曽根原 昇 | さらなる進化を遂げた超弩級高画素機キービジュアル


ライター曽根原 昇(そねはら・のぼる)イメージ
■フォトグラファー紹介

曽根原 昇(そねはら・のぼる)

信州大学大学院修了後に映像制作会社を経てフォトグラファーとして独立。2010年に関東に活動の場を移し、雑誌・情報誌などの撮影を中心にカメラ誌などで執筆もしている。写真展に「冬に紡ぎき -On the Baltic Small Island-」(ソニーイメージングギャラリー銀座)、「関東牛刀ここにあり」(富士フォトギャラリー銀座)など、ほか多数。

はじめに

GFX100 II ボディ全体画像

富士フイルムの「GFX100 II」は、今年9月28日に発売された中判ミラーレスカメラになります。約1億200万画素という驚異的な超高画素機で、2019年6月に発売された「GFX100」の後継モデルにして、2021年2月に発売された「GFX100S」の上位モデルにあたります。

超弩級な画素数は従来モデルと変わりませんが、外観デザインや操作性は全面的に刷新され、描写性能をはじめとした基本性能は大きく進化しています。今回は「GFX100 II」の何がどれほど変わって、どこら辺が魅力なのかを探っていきたいと思います。

FUJIFILM GFX 100 Ⅱの特徴

着脱式バッテリーグリップを採用しながらの小型軽量化

FUJIFILM GFX 100 II とGF110mmF2 R LM WRを組み合わせた画像

中望遠レンズの「GF110mmF2 R LM WR」と組み合わせた「GFX100 II」

前モデル「GFX100」に対して、外観上の大きな違いは何といっても、バッテリーグリップが着脱式になったことでしょう。「GFX100」登場時は、1億画素のカメラだけにサイズが大きくなるのは仕方がないことだろうと、それなりに納得していましたが、やはりバッテリーグリップの着脱はユーザーが選択できるに越したことはありません。

GFX100 II とVG-GFX100IIを装着した画像

別売りの縦位置バッテリーグリップ「VG-GFX100II」を装着した状態。装着か非装着かをユーザーが選べるようになりました

「GFX100 II」のサイズは高さ×幅×奥行きが、117.4×152.4×98.6mm(EVF装着時)で、質量が約1,030g(メモリーカード・バッテリー1個・EVF含む)となっています。「GFX100」のサイズは高さ×幅×奥行きが、163.6×156.2×102.9mm(メモリーカード・バッテリー2個・EVF含む)で、質量が約1,400gですので、バッテリーグリップ分を差し引いたとしても、だいぶ小型軽量に仕上がっていることが分かります。

とは言っても、中判ミラーレスカメラであることには変わりませんので、APS-CサイズのXシリーズカメラと比べれば、相当に大きなカメラでもあります。また、固定式縦位置バッテリーグリップの不採用にともなって、「GFX100」にあった「背面マルチファンクションモニター」は省略されています。

NP-W235の画像

充電式のバッテリーには大容量な「NP-W235」を採用

バッテリーグリップが着脱式となったひとつの理由には、2200mmAhの充電式バッテリー「NP-W235」が採用されたこともあると思います。従来モデルでは1200mmAhの「NP-T125」が2個付属でしたので、1個でほぼ同等のバッテリー容量を確保できるようになりました。もちろん、バッテリーグリップを利用すればさらに大容量化できます。

大きく改善された外観デザインと操作性

操作性も前モデルより大きく変わっています。

GFX100 II を後ろから撮影した画像

カメラ上面部は視認性の良い傾斜デザイン

まず目を引くのが、カメラ上面部が手前側に11°傾いた傾斜デザインとなっていること。ファインダー撮影時やライブビュー撮影時など、実際に使っていてもカメラの設定状態を少ない視線移動で素早く確認できるので、非常に使いやすく感じました。サブ液晶画面が大型化しており、こちらの視認性が向上していることも好印象です。

GFX100 II のモードダイヤルの画像

カメラ上部左側に搭載されたモードダイヤル

そして個人的に嬉しいのがモードダイヤルの搭載。もちろん好みの問題という面もありますが、普段から「X-H2S」を愛用している筆者としては操作性の共通化を図れますし、なにより分かりやすさというものがあります。

加えて、「STILL」(静止画)と「MOVIE」(動画)のモード切り換えも、専用のスイッチが搭載されるようになりました。これも分かりやすく迷うことがありません。

GFX100 II のシャッターダイヤル上に装備された3つのFnボタンの画像

シャッターダイヤル上に装備された3つのFnボタン

GFX100 II のFnボタンの設定画面の画像

それぞれのFnボタンには好みの機能を割り当てることができます

前モデル「GFX100」では少なめだったFn(ファンクション)ボタンですが、「GFX100 II」には豊富に取り揃えられています。特にシャッターダイヤルの上部に備えられた三連ファンクションボタンは特徴的。デフォルトでは「露出補正」と、「(人物の)顔/瞳検出」および「被写体検出」のON/OFFが割り当てられていますが、「ファンクション設定」で好みの機能を割り当てることができます。

3方向チルト可動式モニターを継承、EVFはトップクラスの視認性

GFX100 II の3方向チルト可動式モニターの画像

約944万ドットの超高精細ファインダー。ファインダー倍率は1.0倍と、大きく美しい見え具合に気分が盛り上がります

着脱式のファインダー(EVF)は約944万ドットの0.64型有機ELファインダー。「GFX100」の約576万ドットの0.5型でも驚いていたのですが、さらなる大躍進を遂げてくれています。当然のように非常に精細で美しく、被写体や再生画面を正確に見ることができます。ブーストモード時には約120フレーム/秒の表示品質があり、速い被写体の動きも正確に把握できます。

GFX100 II の液晶モニター部分の画像

3.2型・約236万ドットのタッチパネル付きTFTカラー液晶

一方で液晶モニターはというと、前モデルから変わらずの、3.2型・約236万ドットのタッチパネル付きTFTカラー液晶となっています。しかし、十分な大きさと精細感がありますので、1億画素中判デジタルの再生画面を確認するのには申し分ない品質といえるでしょう。

GFX100 II の液晶モニターを縦にした画像

富士フイルムならではの3方向チルト可動式モニターを継承し、縦位置でも横位置でも素晴らしく撮りやすいです

3方向チルト式の可動モニターという点も変わりありませんが、バリアングル式の採用が増えている昨今としては、むしろ歓迎したい不変更点かと。素晴らしい継承と言ってもいいぐらい。横位置でも縦位置でも、光軸から被写体をずらすことなくローアングル撮影やハイアングル撮影ができます。

CFexpress Type Bカードに対応

GFX100 II のカードスロットの画像

記録メディアはSDメモリーカードとCFexpress Type Bカードのダブルスロット

記録メディアは、SDメモリーカードとCFexpress Type Bカードのダブルスロット。SDメモリーカードはSDXCメモリーカードまででUHS-II(つまり現行のほとんどすべての規格のSDメモリーカード)に対応しています。

CFexpress Type Bカード対応につきましては「まってました!」といって良いほど、中判デジタルカメラとしては対応が望まれていたと思います。ましてや、本モデル「GFX100 II」は約1億200万画素で、レスポンスやAF性能が大きく向上した最新モデルの中判ミラーレスカメラなのですからなおさらのことですね。

今回の試用では最高クラスのスピード性能をもったCFexpress Type Bカードを使いましたが、165GBの容量が2時間程度の撮影で、あっというまにいっぱいになってしまいました。仕方がないのでスピード性能的に下位クラスのCFexpress Type Bカードに交換したところ、今度は少しの連続撮影でなかなかデータの書き込みが終わらない(バッファが開放されない)といったジレンマに悩まされることになりました。

SDメモリーカードも併用できる仕様にしてくれたことは、現状では大変に的を得ていることだと思います。しかし、撮影スタイルにもよるとは思いますが、次世代の規格であるCFexpress Type Bカードですら性能を選ぶほどの超高性能カメラですので、本モデルにおいてはCFexpress Type Bカードをメイン、SDメモリーカードは予備として考えた方が良さそうだと感じました。

最新のセンサー&エンジンでさらなる高画質化と高速化

GFX100 II のセンサー部分のイメージ画像

撮像センサーのサイズは43.8×32.9mmで画素数は約1億200万画素です。最新の画像処理エンジンとの組み合わせで画質は悪かろうはずがありません

搭載する撮像センサーは、新開発で約1億200万画素の「GFX 102MP CMOS II HS」で、組み合わせられる画像処理エンジンには同じく最新の「X-Processor 5」が搭載されています。両者の組み合わせによって現行比最大2倍の信号読み出し速度を実現したとのこと。

1億という途方もない画素数ですが、43.8×32.9mmという撮像センサーのサイズを考えると、おおむね2500万画素クラスのAPS-Cサイズセンサーを4枚組み合わせたことになります。そう考えると多少は途方もなさのなかに、わずかな現実味を感じることができますね。

FUJIFILM GFX 100 II で撮影した作例

FUJIFILM GFX 100 II ・GF55mmF1.7 R WR・55mm(35mm判換算44mm)で撮影した山から海の風景画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF55mmF1.7 R WR・55mm(35mm判換算44mm)で撮影
絞りF8.0・1/45秒・ISO80・AWB・フィルムシミュレーション PROVIA/スタンダード

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わずかな現実味にいくらか気持ちを落ち着かせたところで、撮った画像が上のものでした。レンズの描写性能が高いということもあると思いますが、クドクドとした評価を言及するのが馬鹿らしくなるくらい、画面の隅々まで恐ろしいほど高い解像感が示されています。

筆者は、よく同じ場所で、さまざまなカメラを使い、同じシーンを撮影していますが、これほどの高画質をみるのは素直に初めてのような気がします。画素毎にあるマイクロレンズを改良したことで、センサー周縁部の集効率が向上し、結果的に周辺部分の画質も向上したとのことですが、決して大げさなことではなく、従来の中判ミラーレスカメラより明確な画質向上を果たしていると言っていいでしょう。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF110mmF2 R LM WR・110mm(35mm判換算87mm)で撮影したモデルのバストアップ画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF110mmF2 R LM WR・110mm(35mm判換算87mm)で撮影
絞りF4.0・1/140秒・ISO400・AWB・フィルムシミュレーション Velvia/ビビッド

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FUJIFILM GFX 100 IIのiso感度設定画面の画像

常用最低感度がISO80になったのも本モデルを使う上でのメリット。撮像センサーの設計技術向上により、飽和電子数が向上したことで可能になったとのことですが、従来モデルより広いダイナミックレンジかつ低ノイズで撮影できるため、女性の肌のような繊細な描写も最高品質で表現できます。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF110mmF2 R LM WR・110mm(35mm判換算87mm)で撮影したライトアップした東京駅の画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF110mmF2 R LM WR・110mm(35mm判換算87mm)で撮影
絞りF5.6・1/60秒・ISO12800・AWB・フィルムシミュレーションPROVIA/スタンダード

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FUJIFILM GFX 100 IIのiso感度設定画面の画像

一方で常用最高感度は従来から変わらずのISO12800。そしてこれは、現行のXシリーズカメラとも同じスペックになります。ただし、同じISO12800でも「GFX100 II」で撮影した画像は、高感度で撮ったとは思えないほどノイズが少なくディテールも良く残っており、一言で言って綺麗です。先に「おおむね2500万画素クラスのAPS-Cサイズセンサーを4枚組み合わせた~」という話をしていますが、その分、画素ピッチは据え置かれたまま粒子(画素)が細かくなっていることが要因ではないかと思います。1億画素、すごいですね。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF55mmF1.7 R WR・55mm(35mm判換算44mm)で撮影したライトアップした東京駅の画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF55mmF1.7 R WR・55mm(35mm判換算44mm)で撮影
絞りF5.0・1/2秒・ISO400・AWB・フィルムシミュレーション PROVIA/スタンダード

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そして本モデルはセンサーシフト式の5軸手ブレ補正機構を搭載しています。補正段数は8.0段と、中判カメラとは思えないほど強力です。ちなみに「GFX100」は5.5段、「GFX100S」は6.0段の補正段数ですので、見えにくい部分ではありますが着実な進化を遂げていると言えるでしょう。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影した白い曼殊沙華の画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影
絞りF16.0・1/17秒・ISO400・AWB・フィルムシミュレーションVelvia/ビビッド

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レンズ内に光学式手ブレ補正機構(OIS)を搭載している場合は、ボディ内の手ブレ補正機構と連携して働いてくれるため、さらに安心感は高くなります。白いヒガンバナがぼけ過ぎないよう絞り込んで撮影しましたが、遅いシャッター速度の望遠撮影にもかかわらずピタリとシャープに写すことができました。三脚が使えないようなシーンでは、本当に心強い味方になってくれます。

GFXシリーズ初の被写体検出AFを搭載

FUJIFILM GFX 100 IIの被写体認識設定画面の画像

「被写体検出AF」をGFXシリーズとして初搭載

GFXシリーズとしては初となる「被写体検出AF」が搭載されました。検出対象は「動物」・「鳥(昆虫)」・「クルマ」・「バイク&自転車」・「飛行機(ドローン)」・「電車」の6種類。

FUJIFILM GFX 100 IIの被写体検出設定「鳥」にした場合のモニター画面の画像

被写体検出設定「鳥」にした場合のモニター画面の様子

「動物」や「鳥(昆虫)」などの場合は瞳を、「クルマ」や「バイク&自転車」などの場合は操縦者の顔やヘルメット、「飛行機(ドローン)」や「電車」などの場合は操縦席や運転席を的確に検出しピントを合わせつづけてくれます。また、瞳や顔、操縦席などが見えない場合は被写体の全体像を検出します。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影したさぎの画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影
絞りF4.0・1/210秒・ISO80・AWB・フィルムシミュレーションASTIA/ソフト

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通常のAFではクチバシや胴体にピントが合いがちですが、被写体検出AFなら確実に瞳を射抜いてくれるので、被写体が検出対象であるならピントに困ることはほとんどなくなります。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影したミーアキャットの画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影
絞りF4.0・1/500秒・ISO400・AWB・フィルムシミュレーションPROVIA/スタンダード

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「動物」でももちろん正確に瞳を捉えてくれます。ここで使用した「GF250mmF4 R LM OIS WR」は質量1,425gある重量級レンズ。「GFX100 II」と組み合わせると2.5kg近くの重さになるのですが、AFは被写体検出AFに任せてフレーミングに専念できるので撮影は楽なものでした。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF110mmF2 R LM WR・110mm(35mm判換算87mm)で撮影したモデルのニーショット画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF110mmF2 R LM WR・110mm(35mm判換算87mm)で撮影
絞りF2.0・1/60秒・ISO80・AWB・フィルムシミュレーションPROVIA/スタンダード

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もちろん前モデル「GFX100」にも搭載されていた、人物の「顔検出/瞳AF」も引き続き搭載されています。撮像センサーと画像処理エンジンの処理速度が向上したこともあって、実際に使っていても、検出速度や精度に不満を感じることはありません。APS-Cサイズやフルサイズに比べ、相対的に合焦精度にシビアにならざるを得ない中判カメラですので、これは本当にありがたい。

FUJIFILM GFX 100 IIの高速連写設定画面 の画像

連写性能も向上しており、メカシャッター使用時では最高8.0コマ/秒、電子シャッター使用時は最高5.3コマ/秒の連続撮影が可能となっています。8.0コマ/秒というと、今となってはさほど速くも感じないかもしれませんが、なにしろ1億画素の中判デジタルカメラですので、少し大げさになりますが、これはもう高速連写機と言ってもいいかもしれません。なお、電子シャッター使用時にはブラックアウトフリー連写が可能になっています。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影したミーアキャット2匹の画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影
絞りF4.0・1/500秒・ISO320・AWB・フィルムシミュレーションPROVIA/スタンダード

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さすがに積層型センサーを採用した「X-H2S」のような、超絶したAF性能や連写性能ほどではありませんが、他のGFXシリーズカメラと比べれば動体撮影も十分にこなせるだけの性能があるといった印象です。使ってみると「中判デジタルカメラもここまで来たか」と素直に感心してしまいます。

新フィルムシミュレーション「REALA ACE」

FUJIFILM GFX 100 IIのフイルムシュミレーション設定画面の画像

新しいフィルムシミュレーション「REALA ACE」(リアラエース)が追加されました。「REALA ACE」は1989年に発売された富士フイルムのカラーネガフィルムで、非常に忠実な色再現が好ましく、ネガフィルムらしい優しく滑らかな階調性が特徴でした。筆者も気に入ってよく使っていたところ、2012年に販売が終了されてしまい残念に思っていたのですが、まさかまた逢えるとは。富士フイルムのデジタルカメラユーザーにとっては醍醐味ともいえるところでしょう。

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影したモデルのミディアムショットの画像

FUJIFILM GFX 100 II ・GF250mmF4 R LM OIS WR・250mm(35mm判換算198mm)で撮影
絞りF4.0・1/300秒・ISO400・AWB・フィルムシミュレーションREALA ACE

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ご覧の通りとても階調性が豊かなため、仕上りが大変優しく、ポートレートやスナップなどに打って付けです。ネガプリントの奥深い表現に興味のある人でしたら、結構病みつきになってしまうのではないかと思います。「PROVIA」や「Velvia」、「ASTIA」といったポジフィルム系のフィルムシミュレーションに慣れていると地味に感じてしまうかも知れませんが、「REALA ACE」の特徴である忠実な色再現性は、写真を鑑賞する際にどこかホッとできる落ち着きがあるような気がしてきます。

まとめ

約4年の時を経てフルモデルチェンジを果たした「GFX100 II」は、バッテリーグリップを着脱式にして、操作性を大きく向上させるなど、外観に対しては素晴らしいほどの改善が施されていることが、まずは最初の好印象。

約1億200万画素という画素数こそ変更はありませんが、途方もない画素数の画質は確実に向上し、それをストレスなく使えるだけのスピード性能とAF性能を獲得しています。レスポンスが良くなったことで増加する撮影枚数も、CFexpress Type Bに対応したことで問題なく処理できるようになりました。

これは、これまでのGFXシリーズカメラでは難しかった撮影領域を、広くカバーできるようになったということだと思います。

機動力を手に入れた最高・最強画質の中判デジタルカメラ、それが「GFX100 II」ではないでしょうか。交換レンズやアクセサリーを含め、価格に尻込みしてしまうのは仕方ありませんが、少し使ってみれば、直ぐに納得できるだけの、超最高性能のカメラであることに気づくことになると思います。

作例に使用したカメラ

FUJIFILM GFX 100 II

【商品情報】FUJIFILM GFX 100 II

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FUJIFILM GFX 100 IIバナー画像

作例に使用したレンズ

FUJIFILM GF110mmF2 R LM WR

【商品情報】FUJIFILM GF110mmF2 R LM WR

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FUJIFILM GF110mmF2 R LM WRバナー画像

Photo & Text by 曽根原 昇(そねはら・のぼる)

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