フジヤカメラ

 

分類

分類

2025.12.25
専門店・プロレビュー,

Canon EOS R6 Mark III × 写真家 岡嶋和幸 | 画質向上と高速連写性能を両立した万能フルサイズ機

Canon EOS R6 Mark III × 写真家 岡嶋和幸 | 画質向上と高速連写性能を両立した万能フルサイズ機キービジュアル


ライター岡嶋和幸(おかじま・かずゆき)イメージ
■執筆者紹介

岡嶋和幸(おかじま・かずゆき)

福岡県福岡市生まれ。東京写真専門学校卒業。撮影スタジオ勤務、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品を発表するほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集『風と土』のほか著書多数。写真展も数多く開催している。日本写真協会(PSJ)会員。カメラグランプリ選考委員。

はじめに

キヤノンの「EOS R6 Mark III」が11月に発売されました。
RFマウントのフルサイズミラーレスカメラのスタンダードモデルである「EOS R6」シリーズの第3世代になります。2022年12月発売の「EOS R6 Mark II」から約3年での登場となりましたが、新旧交代ではなく、価格や性能の違いなどで選べるよう併売されます。さらにその上位には「EOS R5 Mark II」もラインアップされていて、どの機種が自分に最適なのか悩ましいところです。
そこで今回は、EOS R6 Mark IIIをEOS R6 Mark IIやEOS R5 Mark IIと比較しながらみていきます。

Canon EOS R6 Mark III本体

【商品情報】Canon EOS R6 Mark III

» 詳細を見る

Canon EOS R6 Mark IIIバナー画像

高速ドライブ性能を維持しながら画素数アップ

EOS R6 Mark IIIに搭載されているフルサイズCMOSセンサーの有効画素数は、EOS R6 Mark IIの約2,420万画素から約3,250万画素にアップしています。
常用ISO感度が高画素化にともない、EOS R6 Mark IIの最高102,400から64,000に低下しています。EOS R5 Mark IIの51,200を少し上回っていますが、超高感度撮影を行わないのであれば特に気にする必要はないでしょう。

EOS R6 Mark IIIは画素数がアップしているのに、電子シャッター時の連続撮影速度は最高約40コマ/秒と、EOS R6 Mark IIと同等の高速ドライブ性能です。ちなみにEOS R5 Mark IIは約4,500万画素で、最高約30コマ/秒。メカシャッター時の連続撮影速度は3機種とも最高約12コマ/秒です。
さらに連続撮影枚数も大幅に増えていて、JPEG記録時はEOS R6 Mark IIの最大約190枚に対し、EOS R6 Mark IIIは最大約330枚となっています。
シャッターボタンを押したタイミングからさかのぼって最大20コマ(最大約0.5秒)記録するプリ連続撮影も可能です。

Canon EOS R6 Mark III本体

見た目以上の細かな進化 | AF向上、CFexpress Type Bに対応

EOS R6 Mark IIIは、ボディ内5軸手ブレ補正機構を搭載しています。レンズ内手ブレ補正機構との協調制御では、EOS R6 Mark IIの8.0段を上回る8.5段の補正効果(いずれも中央最大)を実現しています。
また、AFもアルゴリズムの改善により追従性能が向上し、動体撮影にさらに強くなっています。あらかじめ登録しておくことで特定の人物を検出、追従する「登録人物優先」機能が搭載されたほか、MFでは拡大表示でピントを合わせたあと、シャッターボタンの半押しで全画面表示に戻せるようになりました。

Canon EOS R6 Mark III本体:スロット

SDカードスロットが2基のEOS R6 Mark IIに対し、EOS R6 Mark IIIはCFexpress Type BカードとSDカードのデュアルスロットに変更されました。CFexpress Type Bカードが使えるようになったことで高速連写でも書き込み性能が安定し、動画を含めた撮影での信頼性が向上します。まだ使っていないユーザーは購入する必要がありますが、今なら発売記念キャンペーンでゲットするチャンスです。応募にはCanon IDの登録が必要ですが、2026年1月14日までにEOS R6 Mark IIIを購入すると、SanDiskのCFexpress Type Bカード(128GB)と、画像編集ソフトウェア「Neural network Image Processing Tool 年間(365日)プラン」の無料クーポンがもらえます。

EOS R6 Mark IIIは消費電力の増加に対応すべく、付属のバッテリーパックはEOS R5 Mark IIと同じLP-E6Pに変更されました。より安定した電源供給を実現し、デジタル端子からのUSB充電および給電にも対応しています。EOS R6 Mark IIに付属のLP-E6NHや、LP-E6Nも使用可能ですが(LP-E6は使用不可)、Wi-Fi接続やプリ連続撮影ができないなど機能制限があります。

Canon EOS R6 Mark III作例:ガラス越しのワイングラス

Canon EOS R6 Mark III・RF24-105mm F4 L IS USM
絞りF4・1/50秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

AFが迷いそうな条件ですが、難なくピントを合わせることができました。やや甘い描写になっているのは、ガラス越しの様子を自然に捉えているから。ワイングラスの重なりも平面的にならず、奥行きがうまく再現できています。

洗練された操作性はさらに使いやすく進化

EOS R6 Mark IIとEOS R6 Mark IIIの外観の違いは、よく見比べないと分からないくらいわずかです。EOS R6 Mark IIIはややエッジの効いたフォルムで、ボディの色はより引き締まったブラックです。サイズは全く同じですが、EOS R6 Mark IIIのほうが約21g(本体のみ)質量が増しています。持ち比べてもその差は分かりませんが、カードスロットの変更でグリップの後ろ側の形状がわずかに変わり、より握りやすく感じられました。

EOS R6 Mark IIとEOS R6 Mark III本体
左:EOS R6 Mark III、右:EOS R6 Mark II

EOS R6 Mark IIとEOS R6 Mark IIIのボタンやダイヤルの配置は基本的に同じなので、実際の操作感はほとんど変わりません。買い替えたり併用しても違和感なく安心して撮影できるでしょう。EOS Rシリーズに初めて触れるユーザーでも直感的に操作でき、すぐに手に馴染むと思います。

「S&F」ポジションが追加されたモードダイヤルは、EOS R6 Mark IIより少し小さくなっています。動画関連では、カメラの正面からREC状況が分かるタリーランプがEOS R5 Mark IIと同様に搭載されています。また、動画撮影ボタンが大型化され、内蔵ステレオマイクはEOS R6 Mark IIは正面でしたが、EOS R6 Mark IIIでは上面に移動しています。このほかHDMI出力端子がEOS R6 Mark IIのタイプDからタイプAに変更。ケーブル抜けを抑制できるなど、外部モニターを使用するときの接続安定性が高まっています。

Canon EOS R6 Mark III本体

背面のボタンやダイヤルなどのレイアウトもEOS R6 Mark IIと大きな違いはありません。光学ファインダーと見間違うほど高品位な表示の電子ビューファインダーや、明るい屋外でも見やすくタッチ操作が可能なバリアングル液晶モニターなど、EOS R6からEOS R6 Mark IIへの改善点がEOS R6 Mark IIIに引き継がれています。

EOS R6 Mark IIIはRATEボタンのところに「COLOR」の表示が追加され、従来の「ピクチャースタイル」に「カラーフィルター」と「カスタムピクチャー」を加えた3つのカラーモードが選べるようになっています。
カラーフィルターはシネマティックな映像表現ができる機能です。カスタムピクチャーはプロの映像製作者向けの画作り機能です。カラーフィルターは14種類で、静止画でも撮影可能ですがJPEG記録のみ対応。RAWとの同時記録や、RAW現像で後から効果を適用できないのが残念です。

Canon EOS R6 Mark IIIのカラーフィルター

14種類のカラーフィルター

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

無理のない自然な解像感による安定した描写

EOS R6 Mark IIと使い比べてみて、高画素化により驚くほど解像感が高まったという印象はありません。必要以上に細部が強調されるようなこともなく、輪郭などの再現性はより自然な印象です。階調のつながりも良く、トーンジャンプなど画像編集による影響も起こりにくいように感じられます。質感や立体感などもバランスよく表現できているようです。
プリントにおいては、トリミングや大きく引き伸ばしたときに解像度不足が起こりにくいといったメリットもあります。プリント表現を楽しむユーザーにとっては、そのあたりの余裕があるEOS R6 Mark IIIのほうが有利と言えるでしょう。

Canon EOS R6 Mark III作例:歩道を歩く二人の女性

Canon EOS R6 Mark III・RF50mm F1.4 L VCM
絞りF5.6・1/400秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

約1.6倍のクロップの効果をDigital Photo Professionalでのトリミングで再現。約3,230万(6,960×4,640)画素が、約1,244万(4,320×2,880)画素に。A4サイズでの印刷解像度は350dpiと、写真画質で仕上げるための条件をクリアします。

EOS R6 Mark IIIの作例

Canon EOS R6 Mark III作例:自転車

Canon EOS R6 Mark III・RF24-105mm F4 L IS USM
絞りF8・1/500秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

電子ビューファインダーは肉眼で見ているような鮮明さ。ダイナミックレンジは余裕があり、日差しの感じなど見たままの様子がリアルに捉えられていて驚きです。自転車の各パーツの質感などがダイレクトに伝わってくる仕上がりです。

Canon EOS R6 Mark III作例:フランス国旗

Canon EOS R6 Mark III・RF24-105mm F4 L IS USM
絞りF4・1/500秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

情報量が多いシーンですが、曖昧な描写にはならず、光と影をうまく捉えています。ヒストグラムを確認しながら露出を追い込みますが、輝度差がある条件でもダイナミックレンジに収めやすい印象です。レンズキットの標準Lズームとの相性も良い感じです。

Canon EOS R6 Mark III作例:窓から見えるジャケットとセーター

Canon EOS R6 Mark III・RF50mm F1.4 L VCM
絞りF1.4・1/160秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

手ごろということもあり大人気で、同時期に発売となったRF45mm F1.2 STMは使えませんでしたが、実はこちらが今一番欲しいレンズです。カリカリし過ぎず適度なシャープさで、約3,250万画素との解像バランスも良いように感じられます。

Canon EOS R6 Mark III作例:ガラス越しのカトラリー

Canon EOS R6 Mark III・RF50mm F1.4 L VCM
絞りF1.4・1/500秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

こちらもガラス越しになりますが、触れたときの冷たい感じが伝わってくるなど、金属の質感がうまく再現できています。ボケなども滑らかな階調で描かれていて、立体感もしっかり出せています。レンズの描写性能を上手に生かした仕上がりが得られやすい傾向です。

Canon EOS R6 Mark III作例:飛行機

Canon EOS R6 Mark III・RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
絞りF8・1/250秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

グラデーションを滑らかに再現するなど、階調のつながりが良く余裕が感じられます。画像編集で仕上げたりプリントするとき、階調が崩れたりなど粗が気になることがありますが、画素数アップが有利に働きます。

Canon EOS R6 Mark III作例:紅葉する葉っぱ

Canon EOS R6 Mark III・RF24-105mm F4 L IS USM
絞りF5.6・1/500秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

神社の朱色の鳥居を背景に紅葉を撮りました。輪郭や葉脈の様子など自然な解像感が得られています。ボケた部分の描写がやや粗く感じられますが、液晶モニターとプリントのどちらも、一般的なサイズや見せ方であればほとんど気にならないでしょう。

Canon EOS R6 Mark III作例:緑の郵便受け

Canon EOS R6 Mark III・RF24-105mm F4 L IS USM
絞りF4・1/640秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

雰囲気のある郵便受けに目が留まりました。交錯する光と影をうまく捉えられたのは、電子ビューファインダーが必要な情報をバランスよく提供してくれるからでしょう。色や明るさの判断もしやすく、もう一眼レフには戻れそうにありません。

Canon EOS R6 Mark III作例:白い建物

Canon EOS R6 Mark III・RF24-105mm F4 L IS USM
絞りF8・1/640秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

高コントラストの条件でもダイナミックレンジにうまく収まりました。白壁の質感もしっかり描写し、空のグラデーションも滑らかに再現しています。普段愛用しているEOS R6 Mark IIと同じ感覚で撮影できましたが、より寛容性が高いようにも感じられます。

Canon EOS R6 Mark III作例:公園の木

Canon EOS R6 Mark III・RF50mm F1.4 L VCM
絞りF8・1/400秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

無理のない解像感で、輪郭が立ちすぎることもなく自然です。重なる枝葉もうまく描き分けられているなど安心感があります。木や柱に白い縁取りが見られますが、このあたりはシャープネスを弱めることで改善できるでしょう。

Canon EOS R6 Mark III作例:ストレリチア

Canon EOS R6 Mark III・RF50mm F1.4 L VCM
絞りF5.6・1/400秒・ISO100・WB オート・ピクチャースタイル スタンダード

画像にマウスを合わせると拡大表示します

画像をスワイプすると拡大表示します

キヤノンらしい発色です。AWBの精度も着実に向上していて安定感があり、プリセットを選ぶより好ましい色合いが得られやすいです。画像処理でカバーすべき要素も少なく、よりイメージに近づけるための調整に集中できます。

まとめ

動画撮影メインならEOS R6 Mark IIIのほうが、EOS R6 Mark IIよりも有利な面が多いです。でもそうでなければEOS R6 Mark IIも選択肢に入れ、主に撮影する被写体やシーンでどのようなメリットが得られるのかよく吟味したいところです。とはいえ、一眼レフからの移行、フルサイズおよびAPS-CサイズのEOS Rシリーズからのステップアップなどでこの2機種は有力候補になると思われますが、性能や機能に決め手となる差がないことが悩みをさらに増幅させるかもしれません。
静止画メインで特にプリントしないのであればEOS R6 Mark IIで十分でしょう。価格的にも負担は少ないです。でもプリントしたり、ちょっとしたトリミングで解像度に余裕が欲しいのであればEOS R6 Mark IIIのほうが安心です。動体撮影、作画や画質面などで助けられる要素も少なからずあります。それらが必要であれば、EOS R6 Mark IIからの買い替えも有効でしょう。
EOS R5 Mark IIはオーバースペックであると感じるのなら、EOS R6 Mark IIIの性能とコストパフォーマンスの高さはかなり魅力的だと思います。

作例に使用したカメラ

【商品情報】Canon EOS R6 Mark III

» 詳細を見る

Canon EOS R6 Mark IIIバナー画像

作例に使用したレンズ

【商品情報】Canon RF24-105mm F4 L IS USM

» 詳細を見る

Canon RF24-105mm F4 L IS USMバナー画像

【商品情報】Canon RF50mm F1.4 L VCM

» 詳細を見る

Canon RF50mm F1.4 L VCMバナー画像

【商品情報】Canon RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

» 詳細を見る

Canon RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMバナー画像

Photo & Text by 岡嶋和幸(おかじま・かずゆき)

ブランド

Page Top
Page Top