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2024.03.01
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SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 実写レビュー

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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特徴/操作性

軽量コンパクトな超望遠レンズ

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 本体1

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports を手にしてみて先ず感じたのはその軽量さです。

単焦点レンズというと高性能さが優先されるイメージですが、このレンズは開放F5.6という控えめなF値とショートフランジバックを活かした設計による新しいコンセプトのレンズという印象を持ちました。

勿論、高性能を売りにしているSIGMAのレンズだけあって性能は申し分ありません。

高速なオートフォーカス

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 本体2

望遠レンズで重要なポイントとなるオートフォーカススピードは非常に高速です。

今回のテスト撮影では、動物園で動く動物をメインに撮影しましたが、シャッター半押しで瞬間的にピントが合うと、間髪おかずに被写体認識が動物を認識、動体→頭→瞳という切り替わりもスムーズで、純正レンズを使っている時と何ら差が無いという印象でした。

さらに驚いたのはパソコンで画像を確認した時で、ピントを外したコマはわずかで非常に歩留まりが良かった事です。

バランスが良く軽々と扱える取り回しの良さ

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 本体3

望遠レンズは、1.5kgを下回ると扱いやすいと感じます。

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports の重量は1,365gと1.5kgを大きく下回り撮影時の取り回しがとても良いと感じました。

単焦点レンズなのでバランスが常に一定で、テストボディに選んだSONY α7RVとのバランスが良かった事も、いつも以上に扱いやすいというイメージを持った要因のひとつかもしれません。

実写レビュー

1,370gの軽量さが500mmをより身近にしてくれる

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 作例:チョウ

作例1:F5.6 1/500 ISO160 露出補正±0

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400mmを超える超望遠が一般的になる中、次に注目したいのは「軽さ」という事かもしれません。

超望遠レンズはスマホには無いレンズ交換式カメラのアイデンティティーとも言えるジャンルですが、軽量なSIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsの登場により、アマチュアにとっても超望遠500mmがより身近になりそうな予感がします。

作例は望遠マクロ的な使い方をしていますが、軽量で取り回しの良いレンズが背景や前ボケを考えながらフレーミングする余裕をもたらしてくれました。

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 作例:チーター

作例2:F5.6 1/500 ISO320 露出補正±0

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多摩動物公園のチーター舎はチーターが走り回れるのに十分な広さがあり、写真を撮る際には動物をかなり遠くから狙う事になりますが、500mmあるとフルサイズでも十分な大きさで撮る事ができます。

何度も通っている撮影ポイントですが、軽量で高速なレンズのおかげで、これまでで最も快適に撮影できたのではないかと感じました。

少しネガティブな意見かもしれませんが、単焦点レンズはズームする必要が無いので、動物を追う事とシャッターチャンスに集中できた事も、快適に撮影できた要因かもしれません。

高速なオートフォーカスと軽量さは野鳥撮影にピッタリ

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 作例:ヒヨドリ

作例3:F5.6 1/500 ISO100 露出補正±0

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軽量で高速なオートフォーカスを持ったレンズは、シャッターチャンスがいつ訪れるかわからない野鳥撮影にピッタリです。

特定の鳥を目的にしないで探鳥しながら撮影していくようなスタイルでも、この軽量さならストレスなく対応できると感じます。

作例は移動中にみつけたヒヨドリですが、枝の向こうにいる鳥に高速なオートフォーカスと精度の高い被写体認識が瞬時に対応してくれました。

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 作例:ワシ

作例4:F5.6 1/500 ISO200 露出補正+0.3

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野鳥撮影に向いているもう一つの理由は描写性能が非常に高い事です。

野鳥の場合フレーミングを撮影時に精密に行う事は不可能に近いので、後からトリミングして大きさや構図を調整する方が多いと思います。SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsは非常に高い描写性能を持っているので、カメラの画素数にもよりますが、トリミングして被写体をアップにしても、画質の劣化はわからないのではないでしょうか。

今回、テストカメラにはSONYの高画素カメラα7RVを使いましたが、6100万画素の高精細なセンサーを活かしきる高い描写力を発揮しました。

被写体認識との相性の良さは過去最高

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 作例:ユキヒョウ

作例:F5.6 1/500 ISO640 露出補正±0

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高速なオートフォーカス駆動を持つレンズは、被写体認識との相性バツグンです。

撮影時には連写しているのであまり気づかないのですが、撮影データをパソコンで確認するとピンボケのコマが普段よりも明らかに少なく、歩留まり良く撮影できている事に驚かされました。

作例はガラス越しで尚且つほぼ最短撮影距離という難しい条件ですが、ここまでピントを外さなかったのは初めての経験かもしれません。

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 作例:アライグマ

作例:F5.6 1/500 ISO1250 露出補正±0

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被写体認識が実用レベルになって以降、こういった前ボケを使った表現が簡単にできるようになりました。

以前であればピンポイントに設定したフォーカスフレームを移動しながら撮る必要があるようなシチュエーションですが、α7RVとSIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsの高速で高精度な被写体認識オートフォーカスが苦も無く被写体を捉えます。

近距離では大きく美しいボケが楽しめるのも魅力です。

圧縮効果と高い光学性能で望遠レンズを満喫できる

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 作例:列車

作例:F11 1/500 ISO250 露出補正±0

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高い圧縮効果は超望遠レンズを使う楽しさのひとつです。

500mmの超望遠ともなると背景をかなり引き寄せてくれるので、標準レンズでは味わえない独特な表現が可能になってきます。

作例は出勤途中の中央線ホームから撮影しましたが、遠くにスカイツリーが見えるのに驚きました。200mmくらいの望遠レンズではここまで背景を大きく引っ張る事はできないので、500mmならではの表現を体験できた一枚となりました。

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 作例:ターキン

作例:F5.6 1/500 ISO1250 露出補正±0

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シャープなレンズがターキンの金色に輝く美しい毛並みを再現してくれました。

ISOは1250で撮影していますが、拡大するとノイズがレンズの解像感を損なっているのがわかり、ノイズが少なくなる感度で撮ればもっと解像感が高くなりそうです。

6100万画素のカメラで明らかに画素数を上回る解像感を持ったレンズというのは、なかなか凄い事だと思います。

画質

解像感

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 解像感作例枠
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SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 解像感作例

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6100万画素の高画素機で使っても破綻しない高い解像感を持っています。

拡大した作例では6336×9504ピクセルのもと画像から2960×1973ピクセルを切り出していますが、トリミングした事を殆ど感じさせないシャープな画です。

動く被写体は撮影後にトリミングして被写体の大きさや構図を調整する事も多いので、拡大しても高い描写性能を維持する高性能なレンズは使い勝手の良いもになるでしょう。

フリンジ

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports フリンジ作例

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今回のテスト撮影では、はっきりとフリンジが確認された画像はありませんでした。

これは、3枚のFLDレンズ、2枚のSLDレンズを使用した贅沢な光学設計により色収差を良好に補正した結果でしょう。

特に製造が難しいとされる口径の大きい前群に集中的に特殊レンズが使用されている事も大きいかもしれません。

フレア・ゴースト

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports フレア・ゴースト作例

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ゴーストを発生させようと頑張ってみたのですが、今回のテスト撮影ではゴーストは発生しませんでした。

わずかにフレアは発生していますが、最高クラスの逆光耐性を持ったレンズである事は間違いありません。

難しい光線状態でも高いコントラストを維持する事は、フィールドの様々なシチュエーションで使用される軽量な望遠レンズとして大きなメリットとなりそうです。

旧モデル・ライバルレンズ比較

SIGMA 500mm F4 DG OS HSM | Sportsとの比較

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports、500mm F4 DG OS HSM | Sports

旧モデルとなる一眼レフ用の500mm F4 DG OS HSM | Sportsと比較して最も大きな違いはサイズと重量です。

長さは旧モデルが380.3mmであるのに対して500mm F5.6 DG DN OS | Sportsは236.6mm(SONY用)、重量に至っては旧モデル3,310gに対して半分以下の1,365gしかありません。

開放F値が1段暗いF5.6となっているとは言え、使用感の違いからユーザー層に大きな差が出そうです。さらに500mm F5.6 DG DN OS | Sportsは、被写体認識オートフォーカスと相性の良い高速なオートフォーカスを持っており、使いやすさの点でも大きな開きがある新世代の超望遠レンズと言えるでしょう。

SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryとの比較

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports、100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary

SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryは軽量で使いやすい望遠ズームとして人気です。

500mm F5.6 DG DN OS | Sportsよりも200g強軽量になりますが、単焦点レンズとは言え500mmが200gちょっとしか重くないのはある意味驚きです。

500mmまでの焦点距離と望遠端で比較して半絞り明るくなる500mm F5.6 DG DN OS | Sportsは、フィールドで本格的に野鳥撮影などを撮影するカメラマンには大きな武器となるでしょう。

SONY FE 300mm F2.8 GM OSSとの比較

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports、SONY FE 300mm F2.8 GM OSS

SONY FE 300mm F2.8 GM OSSは望遠レンズの常識を覆す軽量コンパクトなデザインで、SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsとコンセプトが被るレンズです。

さらに純正レンズという事で1.4×、2.0×のテレコンバーターにも対応しており、現時点でSIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsを脅かす唯一のレンズと言えるかもしれません。

SIGMAを選ぶメリットはコストだけとも言えますが、これだけの高性能レンズが大幅にリーズナブルな価格で購入できる事は、ユーザーとしては嬉しいところです。

メリット・デメリットとおすすめユーザー

軽量で高性能な超望遠レンズはアクティブに使える

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 本体4

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsは、光学性能とフォーカススピードを備えた本格的な500mm望遠レンズとしては最軽量クラスのレンズであり、アクティブに高画質な写真を撮りたいユーザーには選択する大きな動機となるでしょう。

特に高速なオートフォーカスは高精度な被写体認識との相性がとても良く、動く被写体を撮る際には明らかに成功率が上がると感じました。

性能と高速さという望遠レンズにマストとなる性能と軽量さを併せ持っている事は、SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsを選ぶ大きなメリットです。

SONY用のテレコンバーターが無い事と高額な事はデメリット

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 本体5

言っても仕方ない事を言うのもなんですが、SONY Eマウント用のテレコンバーターが無い事はデメリットだと感じます。

特に単焦点レンズは用途が限られるので、テレコンを使って焦点距離を変えられない事は、どうしてもレンズの可能性を狭めてしまう事になるからです。

又、贅沢に特殊レンズを使った設計故仕方のない事ですが、高額な事も気になりました。もう少しコスパの高いレンズであれば良かったと思います。

野鳥撮影などアクティブに移動しながら撮影するユーザーにおすすめ

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 本体6

野鳥など被写体を探しながらアクティブに動くものを撮影するユーザーにおすすめしたいレンズです。

焦点距離500mmのレンズとしてはトップクラスに軽量な上オートフォーカスが高速なので、咄嗟の撮影に対応しやすいのも大きな利点と言えます。

描写性能が高くトリミングを前提とした撮影にも向いており、アクティブにシャッターチャンスを探すのにこれほど便利なレンズは無いかもしれません。

作例に使用したカメラ

SONY α7R V

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作例に使用したレンズ

SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

【商品情報】SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

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まとめ

・非常に軽量で取り回しの良い超望遠レンズです
・単焦点レンズらしい高い描写性能も魅力です
・高速なオートフォーカスが被写体認識をより使いやすいものにします
・解像度の高い高性能なレンズです
・色収差が良好に補正されておりフリンジの発生は殆どありません
・逆光耐性も非常に高いレベルにあります

Photo & Text by フジヤカメラ 北原

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