目次
広角レンズの特徴
広い範囲が写る
ピントの合う範囲が広い
遠近感の誇張
歪みと歪みの補正
広角レンズの撮影方法
パンフォーカスを活かす
ボケを活かしたいなら被写体に近づく
背景に多くの情報が入る
広角レンズの選び方
ミラーレス用がおすすめ
デジタル補正か光学設計か
意外と重要な最短撮影距離
撮影シチュエーションと使い方のコツ
建築物
風景
星景
メーカー別おすすめ広角レンズ11選
Canon RF14-35mm F4 L IS USM
Canon RF28mm F2.8 STM
SONY FE 16-35mm F2.8 GM II
SONY FE 35mm F1.4 GM
Nikon NIKKOR Z 14-30mm f/4s
Nikon NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
FUJIFILM フジノンレンズ XF8mmF3.5 R WR
FUJIFILM フジノンレンズ XF23mm F1.4 R LM WR
Panasonic LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO
OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
マウント別おすすめ広角レンズ9選
Canon RFマウント
SONY Eマウント
SONY Eマウント
Nikon Fマウント
FUJIFILM Xマウント
Mマウント
まとめ
広角レンズは一言で言えば広い範囲が写るレンズで、ダイナミックな風景や引いて撮れない室内の撮影などで活躍します。
焦点距離で言うと一般的に35mmよりも短いレンズを広角レンズと言いますので、対角線画角で63°(標準50mmが約47°)よりも広くなると広角レンズという事になりますね。
スマホカメラの代表格であるiPhone 15のカメラの標準(1×)が24~35mmくらいなので、カメラをやっていない方でも見慣れた画角と言えるかもしれません。
広角レンズは標準レンズや望遠レンズよりもピントの合う範囲が広くなります。
これはF値のかなり明るいレンズを使わないと大きくボカす事は難しいという事ですが、逆に画面全体をシャープにピントが合った状態(パンフォーカスと言います)にしやすいという事です。
又、ピントにあまりシビアにならなくても良いというメリットもあり、瞬間のシャッターチャンスを狙うスナップ写真などで28mmや35mmといった広角レンズが好まれる理由のひとつとなっています。
広角レンズを使うと遠くのものが実際よりも小さく写り、遠近感が誇張されます。
遠近感の誇張により風景を実際よりも広くダイナミックにみせる事ができますが、写したくない部分まで写ってしまう事も多く画面を整理するのに工夫が必要です。
遠近感の誇張と広い画角のせいでフレーミングが難しい分、使いこなす事で写真が上手くなるレンズと言えるかもしれません。
以前は広角レンズの欠点として直線が歪んで写る歪曲収差がありました。
しかし、ミラーレスカメラの多くが歪曲収差をカメラ内でデジタル処理して補正する機能を搭載しており、最近では超広角レンズでも直線をほぼ完全な直線として写しとめる事ができます。
カメラ内の補正を使うとわずかに画角が狭くなるという短所はありますが非常に効果が高いので、建物の撮影などをするなら積極的に活用したい機能です。
広角レンズのピントの合う範囲が広いという特性を活かす方法として、画面全体にピントが合ったパンフォーカスの写真があります。
特に20mmよりも焦点距離の短い超広角レンズなら標準や望遠レンズのように絞り込まなくてもパンフォーカスが得られるので、手持ちでのパンフォーカスも可能です。
画面全体にシャープにピントが合った風景や夜景の写真はとても見ごたえがあります。
ピントが合う範囲が広い広角レンズでボケを大きくするには一工夫必要ですが、最も簡単な方法は被写体に近づく事です。
被写体に近づく事でボケを大きくできるだけでなく、構図を整理しやすいというメリットもあります。
特に明るい単焦点の広角レンズで被写体に近づくと標準レンズと同じくらい大きくボカす事ができるので、是非試してみて下さい。
広角レンズの特徴のひとつである遠近感の誇張は、背景に多くの情報が入るという事でもあります。
どういった場所やシチュエーションで撮ったのかという情報を多く盛り込めるのは広角レンズならではで、特に被写体に近づいて撮影する際に有効です。
広角になればなるほど(焦点距離が短くなればなるほど)背景は広く画面に入るので、背景の入る範囲をズームで調整できるズームレンズが便利です。
一般的に一眼レフ用の広角レンズよりもミラーレス用の広角レンズの方が高性能でおすすめです。
ミラーレスカメラ用レンズはレンズからセンサーまでの距離を短くするショートフランジバックで設計出来るのが大きなメリットですが、焦点距離の短い広角レンズはその恩恵が特に大きいと言われています。
先に述べたボディ内レンズ補正を併用したミラーレスカメラ用広角レンズの中には、一眼レフ時代には考えられなかったような驚く程高性能な広角レンズも登場しています。
最近はレンズの収差補正にボディ内補正を使うのが一般的になりましたが、一部には光学設計だけで収差を補正したレンズもあります。
こういったレンズは一部のシネマカメラ(動画用のカメラ)や、スタックという特殊な処理が必要になる本格的な天体写真などに威力を発揮します。
しかし、一般的には収差の補正をデジタル、光学設計それぞれ得意な部分に分けた方がレンズ性能が良くなるので、光学設計だけで収差を補正する事にあまりこだわらなくて良いかもしれません。
広角レンズを購入する際に是非チェックしておきたいポイントに最短撮影距離があります。
先に述べたとおり広角レンズでは被写体に近づいて撮影するケースが多いので、レンズがどこまで被写体に近づいて撮れるかを表す最短撮影距離が重要になるからです。
又、広角レンズは写る範囲が広いので、最短撮影距離も標準や望遠よりも短い必要があります。焦点距離にもよりますが、20cmよりも近づけるとかなり幅広いシチュエーションに対応できるでしょう。
直線が多い建築物の撮影では、歪みを補正する為にボディ内補正を使って撮影しましょう。
又、建物の大きさなどに合わせて写る範囲を変える事ができるズームレンズが、外観だけでなく室内を撮影する際にも便利です。
室内の撮影ではパンフォーカスにする為にある程度絞り込んで撮影する必要があるので、手ぶれ補正が強力な事もレンズ選びのポイントとなります。
高画素でシャープに撮りたい風景写真では、ズームを使ってトリミングが最小限になるように撮るのがポイントです。
最近は高画素なカメラを使ってある程度トリミングを前提に撮る方も多いと思いますが、撮影時にできるだけフレーミングを決めてしまえばトリミングによる画素数の目減りを最小限にできシャープで高解像な写真を撮る事ができます。
レンズはズーム全域でF値が固定されたレンズの方が一般的に高画質でおすすめです。
風景と星を同じ画面にフレーミングして撮るのが星景写真で、高感度性能が格段に向上したデジタルカメラで人気の撮り方となっています。
星景のコツは出来るだけ明るく画角の広い広角レンズを使う事と、空が暗く多くの星が写る新月期(月の無い夜)を狙う事です。例えば星景で人気の「天の川」は実際には非常に淡い光なので、月のある夜に撮影しようと思っても月の光にかき消されてしまって写りません。
レンズは出来るだけF値の明るい単焦点レンズがおすすめで、地球の自転で星が流れてしまうのを防ぐために露出時間を短くしても明るいレンズなら暗い天の川を明るく浮かび上がらせる事ができます。
開放F4固定の軽量コンパクトかつ高性能なCanon RFマウントの広角ズームレンズです。
CanonのLレンズは性能を重視したレンズシリーズの為比較的重量のあるレンズが多いですが、RF14-35mm F4 L IS USMはその中にあって500gちょっと軽量で、風景写真などで長時間の異動が必要な際も持ち運びやすいレンズとなっています。
一眼レフ時代には16mmからの事が多かった広角ズームレンズですが、対角線で7°ほど広い画角となるワイド端14mmとなった、ミラーレス時代を象徴する高性能レンズです。
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普段づかいとしても使いやすいパンケーキスタイルのコンパクトな広角レンズです。
カメラにレンズが隠れてしまうほどのサイズはレンズを付けているのを忘れてしまう程で、大袈裟になりがちなレンズ交換式カメラをカジュアルなものにしてくれます。
小型化の秘密は「カモメレンズ」と呼ばれる特殊な形状の非球面レンズで、こうった特殊なレンズを設計・製造できるCanonの技術力の高さを象徴するレンズです。
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SONYが誇る最高峰のレンズシリーズ「Gマスター」の広角ズームレンズです。
6100万画素の超高画素カメラでも破綻しないよう非常に高解像に設計されてたレンズで、全メーカーを通しても最高クラスの性能を持ったレンズのひとつでしょう。
併せて重量は約547gと軽量で、開放F2.8の大口径ズームをより身近なものにしてくれます。
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最も標準に近い画角の広角レンズは、広角らしい広がりのある表現だけでなく、1.4という明るいF値による大きく美しいボケ味も魅力です。
高性能故に少し大柄なのが欠点ですが、それを補って余りある幅広い表現力と、シャープで高解像な最高クラスの性能を持ったレンズです。
最短撮影距離0.27m(AF時)、最大撮影倍率0.23倍(AF時)と広角レンズとしては高い近接能力を持っているのも魅力となっています。
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非常に高性能でありながら500gを切る軽量コンパクトさも魅力のNikon Zマウントの広角ズームレンズです。
SラインはZマウントの高性能レンズシリーズですが、その中でも特に人気の高い一本となっています。
ナノクリスタルコートという非常に高性能なコーティングが施され、逆光でもゴーストやフレアの発生が高いレベルで抑制されているのも魅力です。
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クラシックで飽きの来ないヘリテージデザインを採用した広角レンズで、同じくヘリテージデザインで人気のカメラ「Z f」の広角レンズとしてピッタリです。
直感的につかいやすい28mmの画角は、お散歩カメラに付けるレンズとしても使いやすく、いつでも持ち出したくなります。
Z fやZ fc以外のカメラにデザイン的にマッチするSpecial Editionでないモデルもあるので、スタンダードなデザインが好みならそちらを選択する事もできます。
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APS-Cサイズセンサー専用のFUJIFILM Xマウントの35mm判換算12mmとなる超広角レンズです。
人間の感覚を超越した極端な遠近感や広い被写界深度を使えば、見たことも無いような新鮮な写真が撮れるでしょう。
フルサイズでこのスペックのレンズをつくったらそこそこの大きさになると思いますが、APS-Cサイズセンサー専用のXマウント故にコンパクトなデザインとなっているところもこのレンズの大きな魅力です。
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35mm判換算35mmの広角レンズは、明るいF値と美しいボケ味、カメラに搭載されたフィルムシミュレーションで、個性的な作品を生み出してくれます。
スナップ向きと言われる35mmは単焦点レンズでありながら幅広いシチュエーションに対応できる万能レンズです。
又、リニアモーターを採用した静音・高速のAFは一瞬のシャッターチャンスを逃しません。
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ズーム全域で15cmの近接撮影が可能で、望遠端では撮影倍率0.5を達成する近接に強い広角ズームレンズです。
高級タイプのレンズでは無くF値もワイド端と望遠端で可変するタイプですが、リーズナブルな価格で実用的な性能を持っています。
レンズ設計を欲張っていない分重量が約345gと軽量なのもメリットで、コンパクトなカメラと組み合わせて軽快に使いたいレンズです。
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35mm判換算で16~50mmという広いズーム比を持つ広角ズームレンズです。
超広角の16mmを含みながら標準となる50mmも含む広いズーム比のレンズを設計できるのは、センサーサイズが小さいマイクロフォーサーズならではとも言え、1本で幅広いシチュエーションに対応できるレンズとなっています。
性能的に定評のあるOM SYSTEMのレンズの中でも最上位モデルとなる「PRO」シリーズのレンズで、画質的にハイレベルである事もおすすめする理由のひとつです。
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光学設計の段階で非常に高いレベルの性能を持つ大口径超広角レンズです。
特に収差が目立つ星景写真を強く意識して設計されており、画面周辺で星が点として写らなくなる収差「サジタルコマフレア」の抑制に最大限配慮するレンズ設計となっています。
超広角で自転による星の流れが少ないうえ、開放F1.4と非常に明るい開放F値を持っているので、赤道儀無しで明るい天の川や多くの星々を写しとめる事ができる星景写真を極めたい方向けのレンズです。
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Photo & Text by フジヤカメラ 北原