SIGMA(シグマ)のXマウント用の単焦点レンズ3本の実写レビューです。
解像感、フリンジなどの画質、純正の単焦点レンズとの比較、レンズの特徴とおすすめのユーザーなどを実際に使用した実写レビューを中心にご紹介します。
SIGMA初となるXマウント用レンズは、リーズナブルな価格と純正に劣らない画質で、3本揃えて、SIGMAらしい高い描写性能や美しいボケ味を楽しむのもおすすめです。
特徴/操作性
純正レンズに匹敵する高い描写性能
シンプルなデザインと操作性
リーズナブルな価格
16mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント 実写レビュー
リーズナブルな価格が魅力の大口径広角レンズ
純正に匹敵する高い描写性能
30mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント 実写レビュー
柔らかい描写と美しいボケ味
標準よりわずかに広い扱いやすい画角
56mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント 実写レビュー
コンパクトな中望遠レンズ
高い解像感の高性能レンズ
解像感
16mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント 解像感
30mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント 解像感
56mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント 解像感
フリンジ
フレア、ゴースト
純正レンズとの比較
XF16mmF1.4 R WRとの比較
XF35mmF1.4 Rとの比較
XF56mmF1.2 Rとの比較
購入のポイントとおすすめユーザー
リーズナブルな価格ながら高い描写性能
純正レンズとの違い
おすすめのユーザー
まとめ
SIGMAのXマウント用レンズ、16mm F1.4 DC DN、30mm F1.4 DC DN、56mm F1.4 DC DN | Contemporary の特徴として第一に挙がるのは、純正レンズと同等クラスの高い描写性能を持っている事です。
もともとArtライン並の高い描写性能を持つ、写りには定評のあるレンズなので、性能面で実績のある安心できるレンズと言えるでしょう。
また、各レンズとも純正のXマウントレンズとは違う、SIGMAならではの個性を持つので、その部分を楽しむのも面白いと思います。
デザインはフォーカスリングだけのシンプルなものです。
純正の同等クラスのレンズには、フォーカスクラッチ機構や絞りリングなどを備えているので、操作性については価格分の違いがあると言えます。とは言え、オートフォーカスで気軽に撮る分にはそれ程不便は感じないでしょう。
オートフォーカスの動きは純正と比べて違和感はありませんでした。
SIGMAというとレンズメーカーの中でも性能の高さに定評があり、Xマウント用がラインナップに加わった、16mm F1.4 DC DN、30mm F1.4 DC DN、56mm F1.4 DC DN | Contemporary の3本も高い描写性能を持ちます。高性能ながら価格はリーズナブルなので、非常にコスパの高いレンズと言えるでしょう。
いずれのレンズも同クラスの純正レンズの半分前後の価格で、Xマウント用の大口径単焦点レンズの中でも最も手を出しやすいレンズのひとつと言えるでしょう。
単焦点レンズは1本では表現の幅がどうしても限定されるので、価格の安さは大きな魅力です。
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フィルター径: | φ67mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 25cm/1:9.9 |
---|---|---|---|
最小絞り: | F16 | 絞り羽根: | 9枚 (円形絞り) |
長さ: | 92.6mm | 重量: | 405g |
16mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウントは、純正の同スペックのレンズと比較して、3本中最も価格差が大きいレンズです。
実売で5万円を大きく下回る価格は、35mm判換算で24mm F1.4となる大口径広角レンズとしてはかなりお得感があります。
純正よりも大柄なサイズが少し気になるところですが、今回テストボディに選択したX-T4とのバランスは良く、レンズが大きいと感じる事はありませんでした。
今回テストした3本のSIGMA Xマウントレンズの中で、最も純正レンズに描写が近いと感じたのが16mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント です。
デジタルカメラのレンズは、カメラ内のレンズ補正により同じ焦点距離でも画角が変わりますが、16mm F1.4 DC DN | Contemporary は純正とほとんど同じ画角で、解像感や周辺部の画質の低下も同じ程度に感じました。
純正と比較すると操作性とサイズがマイナスポイントですが、最もコスパが高く感じたレンズです。
フィルター径: | φ52mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 30cm/1:7 |
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最小絞り: | F16 | 絞り羽根: | 9枚 (円形絞り) |
長さ: | 73.6mm | 重量: | 275g |
少し意外だったのですが、SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント は、純正レンズ以上に柔らかいボケの美しさが際立つレンズでした。
開放では、純正のXF35mmF1.4 R よりわずかに眠い描写ですが、その分ボケはより柔らかく表現されるので、ポートレートなどにはこちらの方が使い易いかもしれません。
又、近接撮影時も描写の変化が少ないので、この点もSIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary の優れた点です。
30mmと35mm、わずか5mmの焦点距離の差ですが、SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary を使った後に35mmを使うと、思いのほか画角に違いがある事に気付きます。
APS-Cの30mmは、最近はやりの40mmに近い、少し広角寄りの標準レンズといった印象で、汎用性が高い扱いやすい画角だと感じました。
最短撮影距離は30cmと近接に強いわけではありませんが、APS-C用という事で、思ったよりマクロでも使えます。勿論、近接撮影でも美しいボケ味がメリットとなる事は言うまでもありません。
フィルター径: | φ55mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 50cm/1:7.4 |
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最小絞り: | F16 | 絞り羽根: | 9枚 (円形絞り) |
長さ: | 59.8mm | 重量: | 280g |
56mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント は、SIGMA Xマウントの単焦点レンズの中で最も小さいレンズです。
コンパクトな事で、今回テストボディにしたX-T4は勿論、X-E4などの小型のボディとのマッチングも良さそうです。
背景を大きくボカした印象的な写真が撮り易いレンズなので、気軽に単焦点レンズの魅力に触れられるレンズと言えるでしょう。
開発の主旨が違うと思うので、比較するのはナンセンスかもしれませんが、XF56mmF1.2 R と比べてわずかにシャープな描写に感じました。
柔らかさを重視して設計されていると思われるので、どちらがいいという事はありませんが、シャープな描写が好みならSIGMAを選択してもいいかもしれません。
価格やコンパクトさも56mm F1.4 DC DN | Contemporary の魅力で、非常にコストパフォーマンスが高いレンズだと言えるでしょう。
純正レンズと比較してわずかにシャープネスが劣るものの、通常は気付かないレベルです。
開放では周辺部分が少し眠くなる特徴も同じで、今回テストしたSIGMA Xマウント用の3本のレンズの中では最も純正に近い描写だと感じました。
開放でも高い解像感を持った高性能レンズです。
拡大して確認すると、わずかに眠いのがわかります。
シャープネスは純正のXF35mmF1.4 R にわずかに劣りますが、その分ボケは滑らかで美しいので、どちらを選ぶか迷うところです。
焦点距離が30mmと純正より5mm短く、その分画角が広い30mm F1.4 DC DN | Contemporary は、汎用性という意味では使い易いかもしれません。
シャープで高解像な高い描写性能です。
比較の為、同じ条件でXF56mmF1.2 R をF1.4に絞って撮影してみましたが、描写性能の差はほとんど感じられませんでした。
XF56mmF1.2 R では発生するフリンジが全く発生しないのも、見事としか言えません。
16mm F1.4 DC DN | Contemporary 、56mm F1.4 DC DN | Contemporary の2本についてはフリンジはほとんど確認出来ませんでした。
特に56mm F1.4 DC DN | Contemporary については、XF56mmF1.2 R のではフリンジが発生するような条件でもまったく確認出来ないほどです。
30mm F1.4 DC DN | Contemporary は他の2本に比べて設計が古いせいか、光線状態によってはフリンジが発生しました。
作例は、30mm F1.4 DC DN | Contemporary のものです。
条件によっては後処理が難しいほどフリンジが激しく発生する事があるので、注意が必要です。
作例は16mm F1.4 DC DN | Contemporary で撮影しましたが、今回のテストで唯一ゴーストが発生したカットです。
SIGMA Xマウント用レンズ、16mm F1.4 DC DN、30mm F1.4 DC DN、56mm F1.4 DC DN | Contemporary はいずれも逆光耐性は高いと言えそうです。
SIGMA 16mm F1.4 DC DN XマウントとFUJIFILM XF16mmF1.4 R WR の画質は、ほとんど同レベルと考えていいと思います。
中心部分のシャープネスや解像感、フリンジの発生なども殆ど同じレベルですし、高性能なFUJIFILM XF16mmF1.4 R WR でも周辺部分はわずかに甘くなるからです。
画角の差もほぼ無いので、レンズ性能の部分はほとんど同じと判断して良さそうです。
しかし、使用感について比較すると、違いは大きくなります。
FUJIFILM XF16mmF1.4 R WR には、SIGMAのレンズにないフォーカスクラッチ機構と、絞りリングが搭載されているからです。
特に、大口径のワイドレンズでは開放か絞り込むかで絞りの値を大きく変化させる事が多くなります。絞りリングなら、F1.4→F16の動作は一瞬で完了しますが、コマンドダイヤルではまだるっこしくなるくらい沢山ダイヤルを回す必要があります。
こういった事は少なからず撮影のストレスやシャッターチャンスに影響する部分です。
30mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント は画質的にはXF35mmF1.4 Rよりもわずかに眠い描写です。その分ボケ味は柔らかいので、描写については好みの問題だと思います。
それ以上に違うのは、焦点距離による画角の違いです。
焦点距離にして5mmの違いですが、意外と画角が変わります。
わずか5mmの差でかなり余裕が出るので、スナップを気軽に撮りたいなら30mm、ギリギリまで追い込んで、ノートリミングでフレーミングするなら35mmといったイメージでしょうか。
最近は広角気味の標準レンズが好まれる傾向にあるようです。
56mm F1.4 DC DN | Contemporary XマウントとFUJIFILM XF56mmF1.2 Rを画質面で比較すると、解像感やシャープネスは同程度に感じますが、XF56mmF1.2 Rはいくらかフリンジが発生し易いようです。
写真は先に紹介した、SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary Xマウント 解像感の作例と同一フレーミングで、レンズだけFUJIFILM XF56mmF1.2 R に交換して撮影した作例です。
XF56mmF1.2 R では、木の幹や花びらのエッジにフリンジが発生しました。
通常、開放ではこの程度のフリンジは普通なので、SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary がむしろ優秀だと言えるでしょう。
SIGMAのXマウント用レンズ、16mm F1.4 DC DN、30mm F1.4 DC DN、56mm F1.4 DC DN | Contemporary の大きなメリットはリーズナブルな価格です。
純正レンズと比較して実売で半額前後の価格でありながら、画質的にほとんど劣らない事もポイントで、一言で言って非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
オートフォーカスが純正と比べて違和感が無い事も、安心して使える理由のひとつです。
純正レンズと比較してマイナスポイントとして挙げられるのが、ボケ味などの写りのクセの違いです。描写のクセはポジティブに捉えて楽しむのがいいと思いますが、他のFUJIFILMレンズと混ぜて使った際に、違和感と感じられるかもしれません。
又、操作性についてはFUJIFILMのレンズ方が良好で、私自身、絞りリングが無い事に多少ストレスを感じました。
画質面以外では全般的にFUJIFILMのレンズに分があるので、この部分を価格差に見合ったものだと納得できるかどうかも購入のポイントです。
SIGMAのXマウント用レンズ、16mm F1.4 DC DN、30mm F1.4 DC DN、56mm F1.4 DC DN | Contemporary は、いずれも非常にコストパフォーマンスが高いレンズです。
リーズナブルな価格で、高性能で明るい大口径の単焦点レンズを使いたいユーザーにおすすめです。
勿論、SIGMAの写りでフィルムシミュレーションが使えるのも大きなポイントで、3本全てのレンズを揃えて、統一感のある画でスナップなどに使うのも面白いでしょう。
・リーズナブルな価格で高性能な、非常にコストパフォーマンスの高いレンズです
・純正レンズ並みの高い描写性能を持っています
・つくりはシンプルなので、操作性の良さは純正レンズの方が良好です
・純正とは違う写りの個性が楽しめます
・オートフォーカスのスピードは申し分ありません
レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。
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