SONY(ソニー) FE 50mm F2.5 G の実写レビューです。
解像感、周辺光量、逆光性能などの画質、コンパクトなレンズの操作感、オートフォーカスなどの使用感を、実際に使ってみた実写レビューを中心にご紹介します。
2021年4月に登場した比較的新しい製品は、コンパクトで高性能なだけでなく、高級感のある金属製外装や滑らかで質の高い操作感など、道具としての質の高さも見逃せないポイントです。
特徴/操作性
コンパクトなデザイン
高い質感を持つ金属製の鏡筒、フード
絞りリングのある直感的に扱い易い操作性
実写レビュー
開放から高い解像感の描写性能
自然なボケ描写
静かで高速なオートフォーカス
初めての単焦点レンズとしてもおすすめの標準レンズ
画質
解像感
周辺光量
逆光性能
FE 50mm F1.8との比較
おすすめのユーザー
まとめ
SONY(ソニー) FE 50mm F2.5 G は、フルサイズ対応の標準レンズとしては非常にコンパクトなデザインです。
明るさをF2.5と暗めに設定している分、普段から負担なく持ち運べる大きさを実現しています。標準レンズとしては暗い開放F値ですが、スタンダードなズームレンズと比較すれば1絞り前後明るくなるので、ボケを活かした作画にもある程度対応出来ます。シビアなピントを必要としない分、電子ジンバルを使った動画撮影などにも使い易いかもしれません。
同時に発売されたFE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 Gと、サイズ、重量、フィルター径、デザインなどが概ねそろえられているので、シリーズとして集めてみるのも満足感が高そうです。
レンズ鏡筒の外装と付属する専用フードは金属製で、質感の高さが感じられます。
レンズは写真を撮る為の道具なので、写真さえ綺麗に撮れれば文句が無い、というストイックなファンもいると思いますが、私のように長く写真に携わっていると、やはり持っていて楽しい、持つ満足感を満たしてくれる製品は魅力的にうつります。
SONY(ソニー) FE 50mm F2.5 G は、質感、デザインともに上質で好感が持てます。
コンパクトなサイズながらしっかりとしたフォーカスリングだけでなく、絞りリング、フォーカス切り替えスイッチ、フォーカスホールドボタンが備えられており、上位グレードのレンズと遜色ない直感的に扱い易い操作性を持っています。
マニュアルフォーカスを含めて多彩な使い方をされる標準レンズとして、操作性の良さは大きなメリットと言えるでしょう。
外観の質感と同様いずれも滑らかで操作感も良好です。
フィルター径: | 49mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率: | 0.35m(AF時)/0.18倍(AF時) |
---|---|---|---|
最小絞り: | F22 | 絞り羽根: | 7枚(円形絞り) |
長さ: | 45mm | 重量: | 174g |
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テストボディはレンズの小型さに合わせて、コンパクトなフルサイズ機α7Cを使いました。
共通設定として、クリエイティブスタイルはスタンダード、ホワイトバランスはAWB、レンズ補正は全てオフ(歪曲収差補正は「オート」固定で変更不可)、その他は初期設定のままとしています。
今回のテストでは敢えてカメラ内レンズ補正の内、周辺光量補正と倍率色収差補正をOFFにして撮影しましたが、開放から単焦点レンズらしいシャープな描写を見せてくれました。
開放ではレンズ由来の自然な周辺光量落ちが見られますが、気になるならカメラ内レンズ補正を使う事で発生を抑える事が出来ます。
F2.5という標準レンズとしては暗いF値である事から面白味の無いレンズなのでは?という先入観が少しありましたが、周辺光量落ちなど単焦点らしい個性と表現の幅をもったレンズです。
SONY(ソニー) FE 50mm F2.5 G は美しく自然なボケ味ですが、開放F値2.5という事でボケの大きさにはやや不満が残ります。
ボケを大きくしようと思ったら、作例のようにある程度被写体に近づく必要があり、ポートレートでバストアップを撮る際などでは、ボケの大きさが足りないと感じる事が多いかもしれません。
とは言え、一般的な標準ズームよりは明るいF値なので、初めて使う単焦点レンズとしてはピントにあまりシビアにならずに使えるので、むしろ使い易いかもしれません。
リニアモーターを2基搭載したオートフォーカスの動作は静かで高速で、カメラやレンズの駆動音が気になる動画でも使い易そうです。
F2.5という明るさも、ピントにあまり神経質にならなくてもいいとう点で、動画で使うなら適度と言えるでしょう。
今回使用したα7Cをはじめ、SONYのカメラは動画撮影を得意とするモデルが多いので、背景のボケた、映画のような映像を気軽に撮れるレンズとしてもおすすめです。
標準レンズは、初めて使うと少し画角が狭いと感じるかもしれませんが、構図を整理し易く遠近感も自然なので、良い写真が撮り易いレンズと言えるでしょう。
フレーミングによってシーンを切り取っていく、写真の基本を身に着けやすいレンズです。
被写体やジャンルを選ばず、広角から望遠っぽい表現まで多彩に使えるのも魅力で、標準レンズとはなかなか良い名称をつけたものだと思います。
作例8を拡大して解像感を見てみます。
開放から高い解像感を持つ高性能なレンズです。
周辺部分ではやや描写が甘くなりますが、絞る事で改善されます。
どちらかと言うと、コンパクトさやデザインに重きを置いて設計されたレンズだと思っていたので、性能の高さに少し驚かされました。
カメラの周辺光量補正がOFFの状態だと、開放ではハッキリと周辺光量落ちが見られます。
絞る事で改善するので、作例8をF4まで絞って撮影した画像との比較をしてみます。
1絞り半ほど絞っただけですが、大きく改善しました。
カメラ内レンズ補正を使えばより完全に補正する事が出来ますが、レンズの特性を活かして絞りによる写りの変化を楽しんでもいいかもしれません。
通常の使用ではFE 50mm F2.5 G の逆光耐性は比較的高いレベルにあります。
作例ではゴーストが発生していますが、絞り込む事でゴーストが発生し易くなる事はよくあるので、絞りを少し開けるか、アングルをわずかに調整する事でゴーストの発生を避けられたと思います。
少なくとも常にゴーストの発生に常に気を配るような必要は無いので、安心して使えるレンズと言えるでしょう。
SONYにはリーズナブルな価格で人気の標準レンズFE 50mm F1.8 があるので、どちらを選択するかは難しいところです。
表現の幅と言う意味ではF1.8に軍配が上がりそうですが、FE 50mm F2.5 G はグレードがひとつ上のGタイプとなり、描写性能や質感、操作感などは良好になります。
特に絞りリングを備えた操作性はFE 50mm F2.5 G の方がワンクラス上なのが選択のポイントになるでしょう。
個人的に初めての単焦点レンズとしておすすめです。F2.5の明るさは一般的なズームレンズより1絞り程度明るく、単焦点らしいボケを使った表現が可能で、なおかつF1.4のようなピントに神経質になる必要も少ないので、使い易いスペックと言えるでしょう。Gレンズの高性能さや、絞りリングを備えた良好な操作性も魅力です。
動画ユーザーなら背景をボカした映画のような映像表現をする為のレンズとしてもおすすめです。静かで速いオートフォーカスは動画向きですし、4Kなどの高画質な動画なら、F2.5程度の絞りで使う方がピントの面で安心だからです。
動画にしろ写真にしろ、開放で自然な周辺光量落ちが楽しめるのも、FE 50mm F2.5 G を選ぶポイントのひとつと言えるでしょう。
・開放から高い解像感を持つ高性能レンズです
・開放では自然な周辺光量落ちが楽しめます
・Gレンズらしい良好な操作、使用感です
・初めての単焦点レンズや動画用としてもおすすめです
レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。
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