Panasonic (パナソニック) LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.の実写レビューです。
マイクロフォーサーズ用の35mm判換算で約85mmとなる中望遠レンズは、風景の一部分を切り取るように撮ることができ、自然な遠近感で背景を整理しやすい画角です。大きなボケが得られるため、人物ポートレートでは定番と言っていい焦点距離と言えるでしょう。
中望遠レンズとは思えない驚異的な小ささ・軽さが特徴のPanasonic (パナソニック) LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.の実力を、実写を中心にご紹介します。
Panasonic (パナソニック) LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.の特徴は、一目見てわかるとおり、手のひらに収まる程小さなサイズです。
センサーサイズの小さいマイクロフォーサーズ規格に準拠したレンズはコンパクトなものが多いですが、その中でも特筆して小さく感じます。これはフルサイズ用の中望遠レンズが、普通は小さく無いからだと思いますが、こういったセンサーの特性を活かしたレンズ設計はPanasonicの十八番と言っていい特徴と言っていいでしょう。
小さい上にとても細身なので、「本当に85mm相当の中望遠レンズ?」と思ってしまいます。
外装は金属製で、シンプルなデザインと相まって高級感のあるデザインです。
本体カラーがブラックとシルバーの2色から選べるので、使用するボディに合わせたコーディネートも楽しめます。プラスチック製のしっかりしたフードが標準で付属しているので、高い遮光効果が期待できそうです。
フードを使用しない時に取り付け部に装着する化粧リングが付属しているので、無粋なバヨネットリングを隠して、スマートでコンパクトなレンズとして使う事も出来ます。
レンズ内手ぶれ補正機構POWER O.I.S.を内蔵しており、レンズ内・ボディ内両方の手ブレ補正機能を連動させるDual I.S.にも対応しているので、対応ボディと組み合わせる事により高い手ぶれ補正効果を得る事が出来ます。
鏡筒にPOWER O.I.S.の切り替えスイッチは無く、動作モードの切り替えはカメラ側で行う事になるので、頻繁に手ぶれ補正のON、OFFを切り替えて使うユーザーには少し煩わしいかもしれません。
最短撮影距離は31cm、最大撮影倍率0.2倍(35mm判換算:0.4倍)と近接にも強いので、簡易的なマクロレンズとしても使えそうです。
フィルター径 | 37mm |
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最短撮影距離/最大撮影倍率 | 0.31m/0.2倍(35mm判換算:0.4倍) |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 7枚羽根(円形虹彩絞り) |
長さ | 約50mm |
重量 | 約130g |
フジヤカメラでは、Panasonic(パナソニック) マイクロフォーサーズマウント レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。
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撮影には小型でレンズとのバランスもいいPanasonic(パナソニック) Lumix GX7 MarkIIIを使用しました。
カメラ側の設定は、フォトスタイルはスタンダード、ホワイトバランスはAWB、シェーディング補正と回折補正は共にオフ、アスペクト比は3:2設定です。
まだまだ暑さと日差しが厳しいですが、街中を散歩しながらスナップしてみました。
開放付近ではシャープな中にも少し柔らかさがある描写です。
ポートレートなどではシャープ過ぎる事がマイナスとなるケースもあるので、解像感より柔らかさを重視した設計なのかもしれません。そのおかげか、ボケ方は癖が無く自然で、心地よいものです。
開放では周辺部で若干口径食がみられますが(作例2)、レモン型の素直な形なので気になる事は少ないでしょう。
ピント合わせはインナーフォーカス方式で、スムーズかつ素早く動作します。
ピントが薄くなる開放ではピントの位置をどこにするか気を使いますが、GX7 MarkIIIのタッチAFを使って微調整する事で、狙った所へ容易にピントが合うでしょう。今回の撮影ではタッチAFを活用する事が多くマニュアルフォーカスはあまり使用しませんでしたが、フォーカスリングの動作は適度な重みがあり滑らかで、ストレス無く使用できそうです。
動作音は屋外ではほとんど気になりませんでした。
最短撮影距離が0.31mと中望遠レンズとしては驚異的に短い事は、センサーサイズが小さいマイクロフォーサーズ規格ならではの強みと言えるでしょう。
最大撮影倍率は0.4倍(35mm判換算)となり、ハーフマクロに近い近接撮影が可能で、テーブルフォトなどちょっとしたマクロ撮影もこなすので、撮影の幅が広がりそうです。
近接、開放でも、大きいセンサーのカメラと比較して被写界深度を稼ぎやすいのもマイクロフォーサーズの強みと言えるでしょう。
Panasonic(パナソニック)のレンズは、派手ではない上品な発色の良さを持つ製品が多いのも特徴です。LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.も例に漏れず色乗りの良さを感じました。
作例7の錆の質感などは、実物よりも鮮やかに再現されていますが、錆らしい色合いはリアルよりもイメージに近い印象の映像になったと思います。
フィルム時代には記憶色という言葉が流行った時期がありましたが、まさにそういった色再現のレンズだと言えるでしょう。
大口径レンズを明るい晴天屋外で開放やそれに近い絞りで使用するなら、光量を落とすためのNDフィルターは必須ですが、GX7 MarkIIIは1/16000までの電子シャッターが切れるので安心です。
今回のテスト撮影でも明るい場面では電子シャッターが作動するように、シャッター方式を自動切換えに設定しました。作例で、シャッタースピードが1/4000秒よりも速いコマは電子シャッターを使用しています。
大口径レンズを使う際には非常に便利で、積極的に使用したい機能です。
撮影距離を問わず高い描写性能を持ち、近景から遠景まで高い解像感を維持します。
全体を通して、シェーディング補正と回折補正は共にオフにした状態ですが、ある程度の自動補正が効いているのか、周辺光量の落ち込みやフリンジはあまり見受けられず、歪みも気になりません。
単焦点レンズらしい高い描写性能を持ったレンズです。作例2を拡大して画質を見てみます。
シャープで高い解像感のあるレンズです。
ボケ味についても、とろけるような柔らかさはないもののとても素直で、シャープさと大きなボケが両立していると感じました。
十分な解像感がありますが、鋭さを感じさせるようなものではないので、好みによってはカメラ側の画作り設定でシャープネスの調整をしてみても良いかもしれません。
Panasonic(パナソニック) LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S. はコストパフォーマンスに優れ、コンパクトで、性能的にも申し分ない、幅広く使いやすいレンズだと思います。
コンパクトでシンプルなデザインはLUMIXボディだけでなく、マイクロフォーサーズマウントの他社製ボディとの組み合わせでも、静止画・動画問わず幅広く使いやすいでしょう。
Panasonic(パナソニック)のレンズラインナップには、同じ焦点距離のLEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.がありますが、F1.2という開放F値以外は、LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.も、性能面など十分以上に健闘しています。さらに小型・軽量なマイクロフォーサーズシステムのボディとのマッチング、取り回しの良さでは勝っているので、どちらを選ぶか迷ってしまいそうです。
小さいながらも、上位クラスを喰ってしまいそうな程の実力を持つ製品があるのもマイクロフォーサーズ規格の面白いところだと言えるでしょう。
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