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2021.05.27
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FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 実写レビュー

FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 実写レビュー
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WRの実写レビューです。

スペック的に何か尖った部分があるレンズではありませんが、高い描写性能と自然な遠近感、使い易い画角を持った広角レンズは、引きを取るのが難しい街中のスナップなどにもピッタリはまりそうです。開放F1.4の明るさを活かして背景を美しくボカすのにも向いています。

そんなXF18mmF1.4 R LM WRを実写レビューを中心にご紹介したいと思います。
■この記事の監修

フジヤカメラ店

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FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR

特徴/操作性


FUJIFILM(富士フイルム) X-E4 + フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 本体1
フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WRの特徴は、FUJIFILM(富士フイルム)のレンズの中でもトップクラスの高い描写性能です。

個人的にFUJIFILM(富士フイルム)のレンズは全般的に性能重視というよりも味わい重視、技術点よりも芸術点を追い求めているというイメージが強いのですが、今回は解像感やシャープネスといった性能面をより重視して設計しているようです。とは言え、写りが固いという訳では無く、解像感と味わいのバランスを取ったというのが実写した印象です。

28mm(35mm判換算)という画角は、引きがとれない街中のスナップに便利なので、今回の実写レビューはストリートスナップにしました。
FUJIFILM(富士フイルム) X-E4 + フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 本体2
デザインや最短撮影距離、操作は他のFUJIFILM(富士フイルム)レンズと大きな違いは無くスタンダードです。

見た目にはスタンダードなレンズを、羊の皮を被った狼を気取って今回は小型のミラーレス一眼カメラX-E4と組み合わせて使いました。FUJIFILM(富士フイルム)の単焦点レンズとしては小さくないレンズですが、コンパクトなX-E4とのデザイン的バランスは思ったほど悪くありません。

単焦点レンズを多くラインナップし、レンズ交換するのが楽しいXマウントシステムでは、各レンズのデザインや操作性が統一されているのは大きな利点と言えるでしょう。
FUJIFILM(富士フイルム) X-E4 + フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 本体3
フォーカスリングや絞りリングなどの操作性も他のレンズと共通で安心です。

最近のFUJIFILM(富士フイルム)のカメラはオートフォーカスの性能も高いレベルにあり、今回の撮影でマニュアルフォーカスに頼る事は数回しかありませんでしたが、バイワイヤ方式のMFの操作も良好です。

フードはプラスチック製の花形タイプで、内側には乱反射を防ぐギザギザが刻んであります。
フィルター径 62mm
最短撮影距離/最大撮影倍率 20cm/0.15倍
最小絞り F16
絞り羽根 9枚
長さ 75.6mm
重量 370g

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イメージ

実写レビュー


FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例1
作例1: f1.4 1/640 ISO100 露出補正±0
街中のスナップ撮影でショーウィンドウは恰好の被写体です。ガラスに映った背景の入り方を意識しながら、標準より多くの情報が入る広角レンズの画角を楽しみつつフレーミング、シャッターを切りました。

被写界深度の広い広角レンズ、それもフルサイズに比べると焦点距離の短い広角レンズでの撮影ですが、さすがに大口径F1.4だと背景をある程度ボカして撮る事が可能となります。

ネガスタンダードの少しコントラストが低い豊かな諧調が、XF18mmF1.4 R LM WRの柔らかく美しいレンズのボケ味とマッチしました。
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例2
作例2: f1.4 1/4000 ISO100 露出補正±0
ビルの壁面に描かれたアートを金網越しに撮りました。広角レンズにより強調された遠近感のおかげで、ボケた手前の金網との距離感が面白い写真になりました。

少しオーバー露出にした際のフィルムシミュレーションVelviaの鮮やかで飛び気味の諧調が雰囲気にマッチしたと思います。

FUJIFILM(富士フイルム)のフィルムシミュレーションは、露出によって違った顔を覗かせてくれるので、色々と試してみるのが楽しい機能です。
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例3
作例3: f1.4 1/4000 ISO100 露出補正±0
引けないという事では、上から俯瞰するようなアングルも脚立や踏み台などを使わなければ撮影者の背丈以上には引けない撮り方です。

こんもりと丸く植えられた花壇の花が、画面周辺に向かって自然にピントが外れて、立体感のある写真になりました。遠近感を使った効果も、近距離での俯瞰も、標準レンズでは難しい、大口径広角レンズならではの手法だと言えるでしょう。

画面いっぱいに多くの情報を写し取る事が出来る広角レンズは、広い場所で使いたくなりますが、実は狭い場所で使うのが向いているレンズなのかもしれません。
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例4
作例4: f8 1/20 ISO400 露出補正-0.7
路地裏を歩いてふと立ち止まってシャッターを切ります。

路地のどこでシャッターを切るかがポイントとなりますが、ここだ!と思った瞬間に高速なオートフォーカスでピントを合わせて手際よくシャッターが切れるのは、X-E4のAF性能の高さと併せて、XF18mmF1.4 R LM WRの高速なAF駆動あっての事でしょう。

高速なオートフォーカスなど、広角レンズには不要な気もしますが、レスポンスの良さは感性をカメラに伝えやすいという新たな事実に気付いた気がします。
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例5
作例5: f1.4 1/1000 ISO100 露出補正±0
クレマチスの花にスポットライトのように光があたっていました。

明るいイメージの花ですが、このカットでは光の加減を写したかったので、フィルムシミュレーションは軟調なネガスタンダードを選択しました。色の出方はVelviaと比べると少し渋い感じになりますが、背景の黒が完全に飛ばないで、全体に薄絹を掛けたようなコントラストの低い諧調の豊かな画になりました。

XF18mmF1.4 R LM WRの近接性能は最大撮影倍率0.15倍と高くはありませんが、被写体との距離感が自然で使い易く感じます。
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例6
作例6: f7.1 1/200 ISO100 露出補正±0
ネガクラシックは写ルンですなどの古い、少しチープな、性能の高くないカメラで撮ったような雰囲気になる、好きなフィルムシミュレーションの一つです。

古い時代の、フィルムコンパクトカメラのレンズは28mm前後である事が多く、XF18mmF1.4 R LM WRはクラシックネガとの相性がいいと思いました。このカットは写真に興味もなく、旅行の時に思いつきで撮っていた頃を思い出してシャッターを切りましたが、ちょっと懐かしい感じの写真になったと思います。

私はフィルムカメラの時代を歩いた時間が長いのでわかりますが、最近の若い方もこういったカラーバランスにノスタルジーを感じるのは何故でしょうか?どうやら人間の感情と色合いには密接な関係がありそうです。
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例7
作例7: f1.6 1/250 ISO100 露出補正+0.3
ボケ味についてはFUJIFILM(富士フイルム)のレンズらしく非常に綺麗です。

一般的に高性能なレンズはボケが固くなるケースが多いようですが、XF18mmF1.4 R LM WRはシャープネスと柔らかさが上手くバランスされているようで、ボケ味についても非常に綺麗です。広角レンズとは言え開放はF1.4と明るいので積極的に背景を大きくボカして撮りたくなります。

コントラストが低く柔らかい描写をするフィルムシミュレーション、ネガスタンダードを選んだのも正解でした。
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例8
作例8: f5.6 1/20 ISO400 露出補正±0
緑が綺麗な草むらを上から俯瞰して撮りました。

シャープなレンズはほんの少しのピントのずれが全て写真に出てしまうので、このカットではF5.6まで絞って撮影しています。個人的に大口径レンズは開放で撮らないと勿体ないような気がして、絞りを開け気味で撮る事が多いのですが、特に高性能なレンズと高画素なカメラの組み合わせは思った以上にピントにうるさいので、表現によっては絞り込む勇気も必要です。

折よくこの日は好天に恵まれましたが、WR(防塵防滴)機能を持ったレンズなので、雨天の撮影でも安心して使う事が出来ます。

画質


開放F1.4での画質を拡大して確認してみます。
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例9拡大枠
枠内を拡大
FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR 作例9拡大
周辺部分の描写ですが、高い解像感で立体感についても申し分ないレベルです。広角レンズでこのレベルなら十分高性能と言っていいでしょう。

実は性能的に素晴らしいのは解像感以上に画質の均質性で、広角の大口径レンズでありながらこのような周辺部分でも流れる事無く高いシャープネスを維持しているのには脱帽です。

まとめ


FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WRは、周辺部まで均質な高い描写性能を持った使い易い広角レンズです。

ボケ味についてもFUJIFILM(富士フイルム)の真骨頂と言っていい非常に美しいもので、開放F1.4を活かした写真を撮りたくなります。ネガスタンダードやETERNAといった柔らかいフィルムシミュレーションとの相性もピッタリです。

描写性能とレンズとしての味が高いレベルで共存しているレンズだと感じました。

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FUJIFILM(富士フイルム) フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR
Photo & Text by フジヤカメラ 北原
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