フジヤカメラ

 

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2018.05.29
写真・動画の撮り方・ハウツー,

SONYのフルサイズ用標準ズーム どれがいい?

SONYのフルサイズ一眼カメラが第3世代目となり、より使い易く、高画質になりました。そんな中、これからSONYのフルサイズミラーレスへの移行を検討する方も多いと思います。

 

メーカーを乗り換える際に、最初に選択するレンズとして標準ズームを選ぶ方も多いと思いますが、SONYには4種類の標準ズームレンズが用意されています。

 

SONYのフルサイズ一眼に乗り換えるという事は、当然「高画質」を期待してでしょう。4種類のズームレンズの中で、どれが一番高画質なのか?悩まれる方も多いと思います。

 

という訳で、「FE 24-70mm F2.8 GM 」「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」「FE 24-105mm F4 G OSS 」の3本の標準ズームレンズについて比較テストをしてみました。

 

(FE28-70mm f3.5-5.6」は、廉価版のレンズと判断して、テスト対象から外しました)

 

性能比較

広角側テスト
SONY α7RIII+FE 24-105mm F4 G OSS  焦点距離:24mm 1/60 f4.0 ISO100 露出補正±0

 

先ずは24mm広角側での抜けの良さを比較しました。カメラはレンズにシビアなSONYフルサイズカメラの中でも、最もレンズにシビアなカメラ「α7 RIII」を使用しました。

 

広角側各レンズ比較

 

上の写真からの拡大イメージです。左から「FE 24-70mm F2.8 GM 」「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」「FE 24-105mm F4 G OSS 」です。f値はGMだけ開放f2.8をf4に絞って撮影しています。

 

抜けの良さは右→左→真ん中の順でしょうか?特にFE 24-105mm F4 G OSS(一番右の画像)は、ずば抜けて抜けが良くシャープに見えます。

 

広角端の性能は、FE 24-105mm F4 G OSS が、最もシャープなようです。

 

望遠側

 

次に望遠側、70mmで比較しました。FE 24-105mm F4 G OSS は、ズームして70mmで撮影、f値は全てf4での比較です。

 

望遠側テスト
SONY α7RIII+Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS 焦点距離:70mm 1/80 f4.0 ISO100 露出補正±0

 

望遠側でも70mmという事で、f4では少しボケの量に物足りなさを感じます。

 

望遠側各レンズ比較

 

上の写真からの拡大イメージです。先ほどと同様、左から「FE 24-70mm F2.8 GM 」「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」「FE 24-105mm F4 G OSS 」の画像です。

 

広角側より「FE 24-70mm F2.8 GM 」と「FE 24-105mm F4 G OSS 」の差が少なく、拡大してもその違いはほとんどわかりません。FE 24-70mm F2.8 GMは性能的に不利となる、ズームの端で撮影していますので、さすが、Gマスターらしい高性能さを発揮していると思います。

 

「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」は望遠側でもやや眠さを感じさせる描写で、シャープさよりも柔らかさを重視した撮影向きのようです。

 

歪曲収差

 

歪曲収差テスト

 

歪曲収差の違いを見てみました。

 

実は、周辺光量落ちも比較したかったのですが、うっかりカメラの自動補正をONにして撮影してしまった為、歪曲収差だけの比較となります。

 

各レンズ歪曲収差比較

 

一番左の「FE 24-70mm F2.8 GM 」に明らかにタル型の歪曲収差が認められます。「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」と「FE 24-105mm F4 G OSS 」は同程度で、良好に補正されていると思います。

 

しかし、周辺光量落ちはいずれも全くありませんでした。カメラ内補正の優秀さを改めて実感しました。あまりデメリットのない機能なので、是非活用したいところです。

 

焦点距離、明るさによる「圧縮効果」「ボケ量」の比較

圧縮効果テスト
SONY α7RIII+FE 24-105mm F4 G OSS 焦点距離:105mm 1/60 f4.0 ISO100 露出補正±0

 

「24-70mm f2.8」を選ぶか「24-105mm f4」を選ぶか、ボケの量と圧縮効果の量で比較してみました。

 

圧縮効果比較

 

上が70mm f2.8で、下が105mm f4で撮影した画像です。灯ろうが同じ大きさになるように、カメラを前後させて撮影しました。

 

f値は、下の画像ではf4となり、一段絞った状態になりますが、焦点距離が105mmと長くなっている為、ボケの量は殆ど同じくらいになっています。又、圧縮効果のおかげで、下の写真の方が背景の写る範囲が狭く、整理された印象を受けます。

 

どちらがいいかは撮影者の好みや、被写体、シーンによって違うと思いますが、24-105mmはf値が一段暗くなった分を、焦点距離でカバー出来ているのがわかると思います。

 

神社鳥居
SONY α7RIII+FE 24-105mm F4 G OSS 焦点距離:63mm 1/15 f4.0 ISO100 露出補正±0

 

まとめ

正直申し上げて、FE 24-105mm F4 G OSSの高性能さには舌を巻きました。24-105mmという一般的にもっとも使う焦点域を大きくカバーしながら、この性能は素晴らしいと思います。他社の24-105mm F4と比較してもトップクラスではないでしょうか?

 

SONY の、高画素のフルサイズ一眼で使う標準レンズの中では、このレンズがベストだと思います。

 

FE 24-70mm F2.8 GMは70mm側での高性能さとf2.8の魅力でポートレートに、Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSは性能的には他の2本には劣るものの、そのコンパクトさと歪曲収差の無さでスナップに向いていると感じました。

 

又、各レンズとも、ボケが綺麗だと感じました。ミラーレス用だからなのか、口径食も少なく、点光源が醜い形になるレンズもありませんでした。

 

点光源ボケ

 

上の写真は「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」のものですが(拡大イメージ)、点光源も素直に丸くボケて綺麗な部類に入ると思います。

 

実は個人的に欲しいと思ったのは「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」でした。

 

なんでわざわざ性能の低いレンズを?と思われるかもしれません。しかし、動画、しかもフルHDでの撮影がメインの私としては、この程度の性能差はあまり問題にならないので、高解像度である事よりも「ボケが綺麗」「ズームが滑らか」な事の方がレンズ選択の要因として大きいと感じたからです。

 

勿論、他の2本と比べて圧倒的にコンパクトな事も魅力です。

 

又、スーパー35mmで使用した際、36mm~105mmの焦点距離も、ガタガタと画が暴れないで撮れる限界値くらいなので、使い易そうです。値段も中古ならだいぶ安くなって来ましたしね!


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