SONYの「動物瞳AF」を、α7RIIIをアップデートして試してみました。
知り合いに動物を飼っている友人がいなかった為、公園にたむろする猫たちを撮影しました。
出会った猫たちはフレンドリーな猫もいれば、気ままな自由を愛する猫、あからさまに人間を敵視、警戒する猫もいました。要は、猫という生き物は「気まま」な生き物なんだと思います。
そんな、きままに動き回る猫たちを、動物瞳AFがどこまで追従するのか!?楽しみなテストとなりました。
この子は無関心派でした。写真を撮る為に近づいても基本無視なので、被写体としては最も撮り易いタイプの猫です。
調子に乗ったカメラマンが近づきすぎて、猫が「おや?」と目を開けた瞬間、 動物瞳AF が被写体を認識するのを確認してシャッターを切りました。
動物瞳AF の実力の程はまだわかりませんでしたが、とりあえずカメラの能力に任せてみます。
◆◆◆◆◆
テストレンズにはFE 24mm F1.4 GMを使用しました。
広角レンズとは言え開放f1.4、猫が無関心派だった為、かなりの近距離まで近寄って撮影しましたので、かなりピントがシビアな領域での撮影です。
カメラの能力を信じてシャッターを切りましたが、結果はどうでしょうか?少し拡大してピントを確認してみます。
来てます!来てます!
超魔術ではありあません。ピントです。
冗談ではなく超魔術かと思うくらい、ビシッと目にピントが合っていました。猫の鼻の高さはせいぜい1.5~2cm程度だと思いますが、鼻の頭とのピントの差がハッキリと確認出来ます。
SONYのカメラのAFの凄さには以前にもα9を使用した際に体験していますが、今回の 動物瞳AF でも同様、いやそれ以上に感激しました。
この子はフレンドリー派で、撮影にいそしむ私のあとを、ちょこちょことついて来てかわいかったです。そのくせ近づこうとすると逃げるので、猫の気持ちはわかりません。
広角レンズは被写界深度が深くなる為、逆にファインダーで厳密にピントが合っているかわかりずらかったりします。上のカットのようなシチュエーションだと、ファインダーでは拡大表示しない限り、猫全体にピントが合っているように見えてしまう事も多いと思います。
しかし、高性能なレンズを開放で高画素のカメラに付けて撮ると、厳密にはピントが非常にシビアになっており、パソコンで見てガッカリする事もあります。拡大して確認してみます。
ファインダー上ではわからないような、厳密なピントも 動物瞳AF は正確にフォーカスしてくれていました。
丸くかわいい顔の瞳に、バッチリピントが来ていると思います。
しかし、以前テストした時も驚かされましたが、FE 24mm F1.4 GMは素晴らしくシャープで、本当に性能のいいレンズですね!
最後はビクビクおどおど警戒派の黒猫です。
きちんとテストした訳ではないのですが、少なくとも目が開いている状態では、猫の色による動物瞳AF の認識に差はないように感じました。
逃げられないようにゆっくり近づいて、素早くシャッターを切ります。少し焦りながらラフにシャッターを切りましたが、AFの精度はどうでしょうか?
バッチリ瞳に合焦しています。
凄く血走った目でちょっと怖いです。
今回の実写テストでは、80%くらいの確率で、正確に瞳にピントが来ている写真を撮れたという印象でした。残りの20%は、私がまだ 動物瞳AF に慣れたいない故のピントズレ(瞳を認識する前にシャッターを切っているなど)だと思います。
今回の被写体の猫に関して言えば、精度的に既に高いレベルにあり、現時点でも十分に使える機能だと思した。今後さらに精度向上が期待できるというから驚きです。今回被写体に選んだ猫の写真で言えば、同じ状況で、カメラより正確にピント合わせする事は、人間業では不可能ではないか?と思いました。
又、今回のアップデートで、シャッターボタンの半押しで 瞳AF がONになるようになり、速射性がさらにUPし、より身近な機能になったと感じます。
そうでなくても優秀な、SONYのAFに、さらに強力な武器が加わったようです。