SONY α9 の新しいソフトウェアアップデート「Ver. 5.00」がリリースされました。
今春のSONYのアップデートの目玉と言っていい「動物瞳認識」は今回のアップデートには含まれませんが、新機能の追加、精度向上、操作性アップなど、10項目以上にわたる大型アップデートです。
特に、AIが被写体を認識、自動で追尾、AFを動作させる「リアルタイムトラッキング」の搭載は、カメラのグレードや特性を考えても、かなり魅力的な機能追加となると思います。
SONY 本体ソフトウェアアップデート (Windows) Ver. 5.00 ダウンロードページ
今回はアップデートの目玉である「リアルタイムトラッキング」について見ていきたいと思います。早速設定してみましょう。
先ずAFモードはAF-Cを選択します。フォーカスモードダイヤルをAF-Cに設定します。
フォーカスエリアはFnボタンのフォーカスエリア選択、又は、menu→撮影設定1→フォーカスエリアから「トラッキング」を選択します。
Ver. 5.00 では、フォーカスエリアの一番下に「トラッキング」のアイコンが追加され、十字キーの左右で「ワイド、ゾーン、中央、フレキシブルスポット、拡張フレキシブルスポット」のいずれかを選択出来るようになっています。
最初にピントが合った被写体をトラッキングする被写体と認識してAFが追従(トラッキング)を開始するので、条件によって最初にピントを拾い易いフォーカスエリアを選択するといいと思います。
個人的には、フレキシブルスポットか拡張フレキシブルスポットで、ピンポイントでトラッキングする被写体を決定するのが使い易いように感じました。
しかし、飛んでいる野鳥など、トラッキング対象となる被写体が手前に来ることが分かっているなら、ワイドやゾーンを使ってカメラに自動選択させた方が、激しく動く被写体の場合、命中率が上がるかもしれません。
顔/瞳AF設定(撮影設定1[5/13])でAF時の顔優先を「入」にしておけば、瞳AFと連携させてリアルタイムトラッキングを行う事も可能です。
今回のファームソフトウェアアップデートで、シャッター半押しで瞳AFがスタートするようになった為、リアルタイムトラッキンで被写体を追従しながら、瞳を検出すると自動的に瞳AFに切り替わります。
例えばリアルタイムトラッキングで被写体を追いかけつつ、被写体の瞳を認識した瞬間にシャッターを切る、等の撮影手法が可能となります。
一時的にリアルタイムトラッキングを行う
あらかじめ、カスタムボタンに設定をしておけばカスタムボタンを「押す間トラッキング」する事が可能になります。
撮影設定2の[9/11]カスタムキーから任意のボタンに押す間トラッキング[4/24]を設定しておけば、任意のボタンを押している間だけリアルタイムトラッキングを行う事が可能です。
フォーカスエリアは、設定されているフォーカスエリアに準じ、ワイドならトラッキング:ワイドに、フレキシブルスポットならトラッキング:フレキシブルスポットになるようです。
タッチパネルでトラッキングする被写体を選択する
勿論、タッチパネルでフォーカスエリアを変更、トラッキングさせる事も可能です。
MENU2からタッチ操作→入にして、タッチフォーカスをONにすればOK(タッチパネル/タッチパッドの設定はタッチパネル+タッチパッド又はタッチパネル操作のみを選択)、画面上で被写体をタッチすればいいので、直観的にも理解しやすいと思います。
タッチパネルでの操作なら、フォーカスエリアをトラッキング:ワイドにしておいても、タッチに連動してスポットになるので、両方のフォーカスエリアを併用して使えるような利便性もあります。
使い方は工夫次第
動体での撮影の為の機能ですが、例えばスナップ写真などでも、ピントを合わせたい被写体を事前にリアルタイムトラッキングで拾っておいて、フレーミングを整えてシャッターを切る、といった使い方も可能だと思います。
要は「ピントを合わせたい被写体を決めておける」という事なので、工夫次第で静物でも使うメリットがあるかもしれません。
店頭で短時間試しただけですが、リアルタイムトラッキングはかなり便利な機能だと思います。精度やスピードもかなり高いレベルにあり、かなり実用的な機能だと感じました。
例えば運動会の撮影で、我が子だけを常にAFが追い続けるような撮影も可能で、併せて瞳AFを使えば、開放f値の明るい、ピントの薄いレンズでも相当良好な確率で瞳にピントのある写真が撮れそうです。
後日、実写のテストもしてみたいと思いますが、SONY α9 ユーザーなら是非ファームアップを行い使いたい機能だと感じました。
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