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2019.02.03
専門店・プロレビュー,

デジタルカメラの画質は本当に進歩したのか?【新旧デジタルカメラ画質比較】

お店でデジタルカメラを販売する際、以下のようなフレーズを良く使います。

 

「デジタルカメラは新しいものの方がいいですから!」

 

画質については、この意見は基本的に正しいと思います。特に同一メーカーの場合、前の機種をベンチマークに、それを上回る性能で新型を投入する事が多いので「デジタルカメラは新しいものの方がいい」は基本的には正しいと思います。

 

それでは、10年前のデジタル一眼カメラと現在最新型に属するカメラで、どのくらい画質の差があるのか?

 

今回はそんなテストをしてみました。

 

Nikon D70とD7500で比較

Nikon D70、D7500 画像

 

さて、なんだかタイトルを大袈裟にしてしまいましたが、やる事は単純です。同一メーカーの新旧2機種について、実写テストを行い、画質を比較してみればいいのです。

 

今回はNikonの最新機種D7500(2017年6月発売)と、さかのぼる事、13年前(2004年3月)に発売されたD70で、どれ程の画質的な差があるのか?出来るだけ同じ条件にしてテスト撮影、比較してみました。

 

片や2088万画素で最高感度はISO51200、片や画素数は610万画素しかなく、最高感度にいたっては5段階も下の、ISO1600のカメラです。

 

解像感

時間が無かった為、解像感のテストは、ごちゃごちゃした店内のショーウィンドウを撮影しました。

 

レンズは高性能で定評のある Carl Zeiss (カールツァイス) Milvus 1.4/50 ZF.2 を使用しました。

 

Nikonのカメラなので、Nikonのウィンドウを撮影。

 

Nikon D70、D7500 比較テスト画像

 

これはD70で撮影したカットです。

 

店内は人工光がほとんどで、ホワイトバランスの性能も悪い為か、少し色が変です。

 

画質の差がわかり易いように、赤枠の中を拡大してみましょう。

 

Nikon D70、D7500 比較テスト画像拡大

 

向かって左がD70の画像、右がD7500の画像です。

 

明らかに左の画の方がボヤっとした眠い描写となっています。右の画では読める「D850」のカメラ名が、左の画像ではつぶれて不明瞭になってしまっていますし、印刷された文字も、エッジがにじんでしまいぼやけており、全体的にシャープさに欠ける為、ピントが甘い印象になってしまっています。

 

当時は「モアレ」を防止する為、ローパスフィルターは必須でしたので、こういった画になってしまうのかもしれません。

 

Nikon D70、D7500 比較テスト画像②

 

こちらは拡大しないで、上下にただ並べただけの画像ですが(D7500の画像はD70の画像サイズに合わせてリサイズ)、上の画像は緑被りして、くすんだ色になってしまっているのがわかります。

 

下の画像はD7500で撮影したものですが、人口光に対するホワイトバランスの処理が上手くなっており、白がかなり正確に白として再現されおり、全体的にクリアで透明感のある画になっています。ホワイトバランスや、映像エンジンの能力が向上している故だと思われます。

 

やはり13年の技術的進歩は大きいようです。

 

高感度時のノイズの比較

次に高感度ノイズの比較をしてみたいと思います。

 

ISO1600(D70の最高感度)を使用して中野のシンボル「中野サンプラザ」を撮影しました。

 

Nikon D70、D7500 比較高感度テスト画像①

 

上のカットはD7500を使いISO1600に設定(露出はマニュアル)して撮影したものですが、ノイズ感は皆無と言って良く、非常に抜けの良い描写になっています。

 

ホワイトバランスも良好で、白いビルの色が忠実に再現されています。

 

同じ条件、設定にしたD70で撮影したカットと、拡大、比較してみたいと思います。

 

Nikon D70、D7500 比較高感度テスト画像①拡大

 

左がD70の画です。

 

ビルの部分には盛大にノイズが発生しており、質感が大きく損なわれています。

 

先ほどの解像感のテスト同様、色については緑かぶりが激しく、街路樹の枝など、かなり眠い描写となってしまっており、ノイズのせいで立体感に乏しいベタっとした画になってしまっています。

 

低照度での比較

高感度だけでなく、スローシャッターを使って、低照度での比較もしてみました。露出はマニュアル、ISOは200に固定して撮影しました。

 

いつもテストで使う犬の銅像です。

 

Nikon D70、D7500 比較高感度テスト画像②

 

上がD70、下がD7500です。色以外は思いのほかD70が健闘していて、違いが少ないように見えますが、実は全体的にD7500で撮影した下の画像の方が明るく写っています。

 

カラーだとわかりずらいのでモノクロにしてみましょう。

 

Nikon D70、D7500 比較高感度テスト画像②モノクロ

 

モノクロにするとD7500で撮影した下の画像が、明るいのが良くわかると思います。

 

正確な原因は不明ですが、ISO200が正確に出ていないのかもしれません。当時、Nikonの露出は暗めだという事はよく指摘されました。原因はこういったところにあったのかもしれません。

 

まとめ

あたりまえですが、その差は歴然でした(笑)

 

D7500の圧勝です。

 

実は、プライベートでD70で撮影した写真をプリントする機会がありました。そのプリントがあまりにも冴えないものだった為「あれ?プリントサイズはL判なので、画素数の差は出ないはずなに・・・画素数以外に、どのくらいの画質的な差があるんだろう?」と疑問を持ちこのテストを決行しました。

 

あたりまえと言えばあたりまえですが、新しいカメラは「画素数」というわかり易い部分以外にも多くの面で古いカメラを凌駕しているようです。

 

>>> Nikon(ニコン) D7500


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