めったに入荷しないレンズが入荷しました。Nikon Sシリーズ用の「Nikon NIKKOR 5cm f1.1」です。
Nikon NIKKOR 5cm f1.1のような大口径のピントの薄いレンズを、レンジファインダーカメラで使うのは、かなり大変だったと思います。しかも、現像するまで上がりのわからないフィルムの時代で!
現代ではデジタル一眼カメラがあるので、ピントについてはそれほど不安を覚えずに使えます。写してすぐ画像を見て、ピントや露出を確認することも出来ます。いい時代になったと思います。
さっそく写してみました。カメラはSONY α7IIIを使い、絞りは全て開放を使いました。
前ボケ、後ろボケ、ともになんとも言えない味わいがあります。こういったレンズを「良し悪し」で判断するのは間違っているとおもうので、良い悪いは申しません。
しかし、このレンズにしかない、唯一無二感の存在感があります。
何気ないウィンドウのグラス達が、レンズの力を借りてキラキラと輝き始めます。
低い解像力でありながら、グラスの一つ一つの立体感出るのは「レンズ」というものが写真という芸術を完成させるための一つの要因である事を、改めて痛感させられます。
レンズを良し悪しだけで語るべからず(笑)
露出オーバーにして、飛ばしました。周辺光量が低下する為、画面の四隅に向かって諧調が残ります。
まるで、昔の8mmビデオから取り出した一コマのようで、雰囲気のある写真になりました。
前の写真同様に、オーバー露出にして飛ばし気味にしています。豪快にゴーストが入って、古いネガ写真を見ているようです。
正直私は新しい物好きで「オールドレンズ」のような世界にはあまり興味が無かったのですが、このレンズで動画を撮ってみたくなりました。
手の出る価格では無いですが・・・
何気ない風景がドラマチックに描写されます。
個人的には、Nikon NIKKOR 5cm f1.1 で、少し古い映画風の動画を撮ってみたくなりました。不思議なボケ感や周辺光量落ちを上手く作画に活かしたいですね!
写真はSONY α7IIIに装着したところです。
Nikon NIKKOR 5cm f1.1はNikon Sシリーズ用という事で、ヘリコイドが無い(Nikon Sはヘリコイドがボディ側にある)ため、ピント合わせにはフォクトレンダーのクローズフォーカスアダプターを使いました。
「クローズフォーカスアダプター+S→Mアダプタ→レンズ」とアダプターが二重にかかるかっこうになります。
Photo by S
予算がゆるせば、是非使ってみたいレンズです。
あくまで、予算がゆるせばですが。
Text by フジヤカメラ 北原