本日(2018.5.18)、韓国のレンズメーカー「SAMYANG」より、高品質なラインナップ「XPシリーズ」の標準レンズ「XP50mm F1.2」が発売になりました。
SAMYANGの高性能なシリーズが「XP」です。今回「XP50mm F1.2」が、XPシリーズの3本目のレンズとして登場しました。
マウントはCanon EFマウントで、マニュアルフォーカス専用です。電気接点を持ち、フォーカス以外はカメラとの連動が可能ですが、カメラ内レンズ補正が可能かどうかは確認出来ませんでした。
Canonの高画素カメラ、EOS5D Ⅳでテストしました。折角のF1.2ですので、全て開放での撮影です。
XP50mm F1.2はマニュアルフォーカス専用のレンズです。開放F値、f1.2という事で、ピントはかなり難しいく、特に近接側は私のような老眼では、光学ファインダーでのピント合わせはちょっと無理ですね(笑)。
上の写真は、若者が撮ってくれました。光学ファインダーだけで、奇跡的にピントが合っています!ボケもとても素直で綺麗です。開放F1.2ですが、周辺光量落ちもほぼありません。
上の写真の拡大イメージですが、素晴らしくシャープで立体感もあり、申し分ありません。さすがf1.2ピントが非常に薄く、アウトフォーカスへのピントのにじみ方も綺麗です。
誰だ!性能についていいイメージが悪い、とか言ったやつは!(笑)
大きなボケを使って、被写体を浮き立たせる撮影が楽しいレンズです。
マニュアルフォーカスの為、AFよりボケの位置や大きさを意識して撮れる気がします。ボケた部分から、ピントの合った部分への立ち上がり方も綺麗で、開放での撮影が楽しいです。
ふんわりとしたボケ感は、雰囲気があってかなり好感触です。急激にSAMYANGに対するイメージが好転して来ました。
ピント部分はやはり十分にシャープです。MFの楽しさもあり、ちょっと欲しくなって来ました。
実は今回のテスト撮影では、ピンボケ(わずかのものも含めて)が凄く多かったです。
3,000画素オーバーのカメラと、開放f1.2ですので、注意して撮影しましたが、やはりf1.2は難しい!可能なら、三脚や自立一脚を使い、ライブビューの拡大を使ってピント合わせを慎重に行いたいものです。
いつもの公園の狛犬で、他メーカーのレンズとの比較をしました。
上の写真はSAMYANG XP50mm F1.2のものです。周辺光量落ちがほとんど無いのは凄いです。背景の林のあたりを見ると、口径食がやや大きく、変な形に出てしまっていますが、周辺光量落ちがほとんどありません。
比較に使用したCanon EF50mm f1.2、Zeiss Milvus 50mm f1.4ともに、開放では周辺光量落ちが見られたので、これはなかなか凄いと思います。勿論、比較テストは三脚を使いライブビューの拡大でピントを合わせています。
他の標準レンズと比較してみました。左からSAMYANG XP50mm F1.2、Canon EF50mm f1.2、Zeiss Milvus 50mm f1.4です。絞りは全て開放で撮影しました(Zeissだけf1.4)。
わかりずらいですが、微妙にSAMYANGがシャープに感じます。高性能をうたうラインナップだけあって、他メーカーの高性能レンズと遜色ない性能を有しているようです。これには少しビックリしました。
口径食とボケの感じを比較しました。左からSAMYANG XP50mm F1.2、Canon EF50mm f1.2、Zeiss Milvus 50mm f1.4です。
SAMYANG、Canonは少し変な形に崩れてしまっています。個人的に一番好きなのはZeiss Milvus 50mm f1.4ですが、実は他の2枚と比べて少し暗いのがわかりますでしょうか?周辺光量落ちが一番大きかったのもZeissでした。
こういった部分はメーカーの考え方の違いなので、それこそ完璧なレンズは存在しないと思います。撮影者の好みもありますしね。標準レンズは奥が深いです。
こういった微妙な違いから、50mmを何本か所有しているカメラマンは多いと思います。
SAMYANG XP50mm F1.2 の写りは、価格以上なのは間違いありません。かなり高性能と言っていいと思います。テストカメラは3040万画素のEOS 5D Ⅳですから、トップレベルの一眼レフでも遜色なく使えるレンズだと思います。
大きく重いレンズですので、持ち歩くのが大変ですが、価格と性能のバランスを考えると、素晴らしくコスパの高いレンズだと思います。
Photo & Text by フジヤカメラ 北原