中古の常で、新型が出ると旧型が一気に安くなります。
又、これもよくある事ですが、旧型でもまだまだ充分使えるものも、少なからずあります。そんな「旧型」にスポットをあててみたいと思います。
今回はCanonのAPS-Cサイズセンサーカメラ用の標準レンズ「EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM vs EF-S17-85mm F3.5-5.6 IS USM」です。だいぶ前に発売されたレンズですが、中古価格は新型が旧型の倍以上するので、もし性能的に差があまりなければ(広角側がちょっと狭い17mmですが)、旧タイプがお買い得なのでは?と思い、テストしてみました。
テストボディはEOS 7D MarkⅡです。
先ずは17mm広角側から。上の画像より一部を拡大しました。EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USMは17mmの画角になるように調整して撮影しました。
左がEF-S15-85mm、右がEF-S17-85mmです。
おお!ほとんど変わりません、というか若干EF-S17-85mmの方がコントラストが高めにすら見えます!
次に50mm近辺でテスト。上の画像からの拡大です。
同じく、左がEF-S15-85mm、右がEF-S17-85mmです。
ここは完全に新型の勝利です。コントラスト、解像感ともに旧型を圧倒しています。通常ズームレンズは、ズーム域の端っこが性能的に一番悪いケースが多いと言われますが・・・
最後に望遠端85mmです。
おお!
これは右側の旧型(EF-S17-85mm)の方が高解像度のようです!ズーム域によっては旧型が新型を上回る事もあるんですね!
EF-S15-85mmは一般的なズーム域の両端に向かって性能が落ちるレンズのようです。対するEF-S17-85mmはズーム域の両端の性能が良くて、真ん中に向かって画質が落ちてしまうという、ちょっと使いずらい傾向を示しました。
残念ながら、総合的にはズーム域の中心に性能のピークがある事、広角側が15mmからである事から、EF-S15-85mmの方がいいレンズと言えそうです。
しかし、望遠端での描写は明らかにEF-S17-85mmの方が良好であると言えそうなので、ユーザーの好きな画角や使用目的、コストなどを考慮して、あえて旧型を選択する、というのもありかもしれません。
レンズ選びは奥が深いです。