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2017.03.11
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スタッフ高山のオレに試させろっ! 第47回「TAMRON (タムロン) SP 70-200mmF2.8 Di VC USD G2 (A025)」 編

蔵王キツネ村(宮城県白石市)
f8 AE(1/320) +0.3 AWB ISO800 焦点距離70mm
蔵王キツネ村は宮城県白石市にあります。100頭を超えるたくさんのキツネが放し飼いされているので、とても間近にキツネを観察することができます。これは入場口付近の風景。通路をほぼ塞ぐような形で、キツネたちがお客さんの入村を待って、出迎えてくれます。って寝てるの ?

 

2012年の発売以来、高性能ズームレンズとして高い人気を博してきたタムロン70-200mmF2.8 Di VC USDが、新しい2世代目に生まれ変わりました。昨年試させてもらった150-600mmと同じく「G2」という称号が与えられています。光学設計を一新するなど、基本性能を磨いた新しいレンズの実力はどのようなものでしょうか。ニコンD750に装着して、試してきました。

 

レンズをケースから取り出して、その上質さがまずは目を惹きました。スリムで単純にカッコいいのです。クールなイメージそのままに、ズームリングとピントリングが違和感なくレンズの本体に組み込まれている、そんな印象を受けました。ガチッと嵌まる大きめのフードもポイントが高いです。これを持って、宮城県の蔵王キツネ村に行ってきました。このレンズはとにかく剛性感が高いです。きっちり。がっしり。という言葉がピッタリ。ズームリングは適度な重さがあり、軽々しく回っちゃうなんてことはありません。あくまでもクールなのです。

 

それでいて仕事は完璧にこなしてくれる、そんなタイプ。でも、使い始めはちょっと戸惑うことがありました。ズームを回すつもりが、誤ってピントリングを回してしまうのです。これが何度かありまして、もうちょっとだけズームリングが手前にあったらいいのに。なんてことを思っていました。加えて三脚座も、もう少し大きいほうが掌にジャストフィットして使いやすいかもしれませんね。でもこれ、しばらく使っていたら慣れました。重さは1.5kg近くあるのですが、それと知るまではもう少し軽いだろうと想像していました。バランスが良いですね。例えばバッテリーグリップを使っていなくても、十分にホールディングはできると思います。

 

ちょっと野性的にも見えるシーン
f5.6 AE(1/800) +0.7 AWB ISO800 焦点距離185mm

 

ちょっと野性的にも見えるシーン。雪山(に見立てた)からひょっこり顔だけ覗かせている、そんなイメージを作りました。背景とは距離が大きいので、f5.6でもほどよくボケました。タムロンSP 70-200mmF2.8 Di VC USD G2 は17群23枚の構成 。高性能レンズを採用し、コントラストもいい感じです。

 

単独でのんびりしているキツネを発見。
f6.3 AE(1/1250) +0.7 AWB ISO800 焦点距離200mm

 

単独でのんびりしているキツネを発見。周囲をすべて雪にして、顔を上げたタイミングで狙いました。寛いだポーズのイメージです。タムロンSP 70-200mmF2.8 Di VC USD G2 はリング型超音波モーターを搭載するなど、合焦速度・精度が向上しています。このシーンを見つけた際も、すぐにAFが合い助かりました。

 

小雪が舞う中、手を伸ばせば触れられそうな距離。
f2.8 AE(1/1000) ±0 AWB ISO800 焦点距離 200mm

 

小雪が舞う中、手を伸ばせば触れられそうな距離。いい表情を見せてくれました。タムロンSP 70-200mmF2.8 Di VC USD G2 の最短撮影距離は、なんと0.95mです。先代のA009は1.3mなので、大きく短縮されました。ピンと立った耳、力強い目線からは強さを感じます。精悍な顔つきが撮れると嬉しくなります。

 

丸くなっているキツネ
f9 AE(1/250) +0.3 AWB ISO800 焦点距離 100mm

 

寒さに耐える木々と、丸くなっているキツネを対比させました。ときどき目を開けてこちらを気にしていましたが、撮影しているときも特に動くことはなく、じっとしていました。真冬の屋外撮影では気象条件も変わりやすく、防塵防滴性能がとても頼もしいです。安心して使えますね。

 

キューキューと鳴き声を上げていたキツネたち。
f5.6 AE(1/800) +0.7 AWB ISO800 焦点距離 150mm

 

キューキューと鳴き声を上げていたキツネたち。何となくレンズを向けていたら、いきなり立ち上がり、こんな格好でお互いに向かって声を出していました。表情は戦闘的な雰囲気ではないですし、組まれた手は仲が良さそうにも感じられます。咄嗟でしたが、AF は対応してくれました。

 

エサの取り合いからケンカが始まりました。
f 5.6 AE(1/400) +0.3 AWB ISO800 焦点距離 200mm

 

エサの取り合いからケンカが始まりました。こうして見ると、人間のケンカにも似ていますね。この時は最初、ヨコ位置でカメラを構えていました。足を入れたくてタテに構え直しましたが、すでに数秒遅れています。でも、一発でピントが合いました。すごいぞタムロン。やったぜ。

 

陽が差し込んできたら、お手入れタイム。
f5.6 AE(1/2500) +0.7 AWB ISO800 焦点距離 200mm

 

陽が差し込んできたら、お手入れタイム。舌がキレイにカールするタイミングを狙いました。タムロンSP 70-200mmF2.8 Di VC USD G2 の手ブレ補正は3つのモードから選べます。基本となるのはモード1。流し撮り専用はモード2、補正効果を優先するならモード3です。撮影に応じて使い分けができます。

 

目の前ではキツネたちの生活ぶりが どんどん展開していきます。
f8 AE(1/160) +0.3 AWB ISO800 焦点距離 122mm

 

キツネの生活している場に人間が入っていく蔵王キツネ村。目の前ではキツネたちの生活ぶりがどんどん展開していきます。目の前で起きるシーンを見つけて形にする、素早い動作が必要になります。これも至近距離でのカット。人工物はできるだけ入れずに、木を散りばめました。

 

雪が降っていても、丸まったままでした。
f4.5AE(1/1000) +0.7 AWB ISO800 焦点距離200mm

 

雪が降っていても、丸まったままでした。時が止まっているような、静かな雰囲気を感じ取ってもらえるでしょうか。キツネ村で生活するたくさんのキツネたち。シャッターチャンスを求めて歩き回り、とても楽しい撮影になりました。この場所でタムロンSP 70-200mmF2.8 Di VC USD G2 を使って正解でした。

 

D750+ タムロンSP 70-200mmF2.8 Di VC USD G2 (A025)

 


ニコンD750に装着したところ。スリムでとてもカッコいいです。新しいデザインを採用したスタイリングをはじめ、堅牢性や機能向上など、全工程を見直しています。ニコン用では電磁絞り方式に対応しました。これに加えて、1.4倍と2倍のテレコンバーターも用意されています。

 

実際使ってみて感じたのは、ストレスがない。ということです。AFが明らかに外れてしまうこともなく、応答性の良さに助けられました。被写体の突然の変化にも、対応してくれます。それでいて、写りの柔らかな雰囲気はちゃんと保たれています。シャープさのなかに、ふんわりした優しいところがあります。暖かそうな動物の毛並みも表現できました。さらに、AFの精度にも注目でしょう。狙ったところにきっちりと合っていて、後から確認したときには嬉しくなったほどです。また、けっこうな枚数を撮影したのにブレの大きなカットが殆どなくて、限界が上がったのかと勘違いしそうなほど。手ブレ補正機構のVCは、MODE3でなんと5段分の効果を発揮します。これは頼もしいですね。大きな信頼をもって使える1本になります。「純正」もいいけど、強い意志の元に「タムロン」を選ぶ。そんなユーザーが増えそうです。

 

■撮影場所

宮城蔵王キツネ村 http://zao-fox-village.com (2017年3月7日取材)

※撮影はJpeg、手持ちで行っています。ピクチャーコントロールは風景に設定。

Photo & Text by 高山景司

 

>>> TAMRON (タムロン) SP 70-200mmF2.8 Di VC USD G2 (A025)


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