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2024.01.19
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Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM 実写レビュー

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM 実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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特徴/操作性

軽量コンパクトで扱いやすい

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM本体1

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USMの最大の特徴はその軽量コンパクトさです。

一眼レフ時代に軽量かつ高性能で人気だったEF70-300mm F4-5.6 IS II USMの重量は約710gでしたが、RF100-400mm F5.6-8 IS USMはそれを大きく下回る約635gと軽量な上、望遠端は400mmまであるので望遠レンズとしての能力は大きく向上しています。

スマホのカメラが高性能になる中、レンズ交換式カメラの存在価値として望遠レンズの存在は欠かせませんが、そんな望遠レンズの可能性を広げてくれるレンズと言えるでしょう。

実用的な性能とリーズナブルな価格

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM本体2

幅広いユーザーが手を出しやすい比較的リーズナブルな価格と実用的な性能が両立している点も見逃せません。

これは無理のないF値とミラーレス専用設計によるもので、明るさにこだわらずショートフランジバックを最大限活かして設計した事で機能、性能、小型軽量化という3つの要素を上手くバランスさせています。

望遠側の開放F値がF8と暗い事を気にするユーザーも多いと思いますが、この10年の高感度性能の向上と、暗い開放F値でも高速なオートフォーカスが可能な像面位相差AFの進歩により大きなデメリットにはならないでしょう。

400mmまでの焦点距離とテレコンが使える事が望遠レンズの可能性をひろげる

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM本体3

スポーツにしろ動物や野鳥にしろ望遠レンズで撮る被写体はできるだけ大きく撮りたいというニーズが大きいと思います。

それに合わせてレンズも200mmよりは300mm、300mmよりも400mmとより大きく撮れる、焦点距離の長いレンズが欲しくなりますが、長焦点レンズの欠点は大きく重い事です。

RF100-400mm F5.6-8 IS USMはこれまで軽量コンパクトな望遠ズームが採用してきた300mmが400mmになり、さらにテレコンバーターの使用も可能なので、今まで大型の単焦点望遠レンズでなければ撮れなかったような写真を気軽にストレスなく撮れる、望遠レンズの可能性をひろげてくれるレンズとなっています。

実写レビュー

軽量コンパクトで取り回しが非常に良い

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM作例レッサーパンダ

作例1:F8 1/400 ISO8000 露出補正±0 焦点距離:400mm

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望遠レンズ、特に400mmを超える超望遠レンズを使う上での大きなハードルは、大きく重いという事とではないでしょうか。そうでなくてもブレやすい超望遠レンズを大きく重い機材をかまえて腕をプルプルさせながら撮影したのでは、成功率が下がるだけでなく楽しい撮影の時間が辛いものになってしまいそうです。

RF100-400mm F5.6-8 IS USMの軽量コンパクトさはそういった望遠レンズのネガティブな部分を取り払ってくれます。

レンズを装着したEOS R6 MarkIIを片手でぶらぶらと持ち歩いての撮影はストレスの無い非常に快適なものでした。

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM作例サーバルキャット

作例2:F8 1/500 ISO800 露出補正±0 焦点距離:400mm

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個人的にはズームリングの操作感がスムーズなだけでなく軽めに設定されている事も好みです。

動物園の撮影では、撮る場所や動き回る動物に合わせてズームを使って頻繁に画角を調整する必要がありますが、重いズームだとズームしている間にフレームから動物が外れてしまったりします。

その点、RF100-400mm F5.6-8 IS USMはズームの動きが軽いので、ズームの操作を軽快に行う事ができました。

オートフォーカスの追従性能はそこそこ

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM作例チーター横

作例3:F11 1/800 ISO3200 露出補正±0 焦点距離:560mm

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RF100-400mm F5.6-8 IS USMのオートフォーカスの追従性能はそこそこです。

正直に言って「速い」というレベルではありませんが今回テスト撮影を行った動物園では実用上十分と言え、落ち着きなく動き回るチーターを大きく歩留まりを損なう事無く十分な追従性能で撮影する事ができました。

これは肌感覚ですが、「L」レンズなどの高性能なレンズと比較して成功率は10%落ちくらいの印象です。

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM作例わし

作例4:F11 1/640 ISO6400 露出補正-0.7 焦点距離:560mm

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特筆すべき点は、1.4×のテレコンバーターを装着してもフォーカス性能が大きく損なわれる事は無かった点です。

テレコンバーターを装着すると望遠端は開放でもF11とかなり暗くなりますが、フォーカスの速さという面でも精度と言う面でも劣化はほとんど感じられませんでした。おかげで多くの時間をテレコンバーターを装着したまま撮影したくらいです。

テレコンバーターを装着できる事はRF100-400mm F5.6-8 IS USMの大きな魅力のひとつなので、これは大きなメリットになるでしょう。

望遠マクロとしても使える

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM作例チョウ

作例5:F8 1/320 ISO500 露出補正+0.7 焦点距離:259mm

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Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USMの最大撮影倍率は0.41倍(400mm時)とハーフマクロに匹敵する高い撮影倍率を誇ります。

高い最大撮影倍率と4倍のズーム比、400mmまでの焦点距離を使ってズームマクロ的に使うのも面白いのではないでしょうか。

ワイド端で被写体をフレームに入れてズームを使って大きさを調整するといったズームマクロならではの使い方は、シャッターを切るまでの時間短縮につながり一瞬のシャッターチャンスをものする事に一役買ってくれそうです。

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM作例チーターアップ

作例6:F11 1/640 ISO2000 露出補正±0 焦点距離:485mm

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マクロ撮影でも性能の劣化が少ないのもRF100-400mm F5.6-8 IS USMをズームマクロとして使う事をおすすめしたい理由のひとつです。

一般的に通常のレンズは無限遠側で最高性能となり近接では描写が少し落ちるのが普通ですが、RF100-400mm F5.6-8 IS USMではそういった事を実感する事はありませんでした。

望遠撮影ではややボケが小さいと感じる事もありましたが、マクロ撮影ではむしろ適度な被写界深度で使いやすいという点もメリットです。

テレコンバーターが使える

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM作例レッサーパンダアップ

作例7:F8 1/500 ISO800 露出補正±0 焦点距離:485mm

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RF100-400mm F5.6-8 IS USMのメリットのひとつがテレコンバーターが装着できる事です。

以前よりこういった、F値が可変する比較的リーズナブルな価格のレンズでテレコンバーターを使いたいというニーズは少なからずあったと思いますが、RFマウントレンズ用としてついに実現しました。

2×はさすがに厳しいだろうと判断して今回のテスト撮影では1.4×を装着してかなりの時間使いましたが、先に書いたとおりオートフォーカスの精度やスピードの劣化はわずかでストレスなく使えます。

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM作例2羽のわし

作例8:F11 1/640 ISO8000 露出補正-0.3 焦点距離:560mm

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1.4×のテレコンバーターを装着すれば、1kgを下回る重量で最近流行りの600mm(正確には560mmですが)までの超望遠ズームが完成します。

AF速度だけでなく描写性能についても大きくは劣化しないので、この組み合わせは個人的にかなりおすすめです。

欠点はコンバーターの色が白なのでデザイン的に少し浮く事と、コンバーターがレンズに匹敵するほど高額な事でしょうか。

APS-Cサイズセンサーカメラにもおすすめ

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM EOS R7作例サーバルキャット

作例9:F8 1/640 ISO1250 露出補正±0 焦点距離:400mm

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今回はテストボディにフルサイズのEOS R6 Mark II以外にAPS-Cサイズセンサーのフラッグシップ機EOS R7を用意しました。

EOS R7とRF100-400mm F5.6-8 IS USMの組み合わせは、換算画角で640mmまでとなるので超望遠で撮る多くのシチュエーションに対応できます。

特にR7やR10は操作性も上位機種に近く、優れた被写界認識オートフォーカスを持っているのでおすすめです。

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM EOS R7作例サーバルキャットアップ

作例10:F8 1/640 ISO1250 露出補正±0 焦点距離:400mm

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テレコンバーターよりも安価に克つ軽量に600mmまでの超望遠撮影が楽しめる点もメリットです。

APS-Cサイズセンサーというとやや下に見られる風潮もあるようですが、上位モデルは画質面でもスピード面でもフルサイズに引けをとらないレベルにあり、特に望遠での撮影ではメリットも多いと思います。

欠点は高感度性能はフルサイズに及ばないので、暗いレンズと組み合わせた際は日中に限定するなどある程度撮影条件を選ぶという事くらいでしょうか。

画質

解像感

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM 解像感作例枠
Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM 解像感作例

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物凄く高解像という事はありませんが、2420万画素のEOS R6 Mark IIに使うには実用上十分な解像感を持っています。

Lレンズなど超高解像なレンズを使っていると少し物足りなくも感じますが、画質よりは利便性を重視したレンズと考えるのが妥当かもしれません。

性能と利便性、価格のバランスが非常に良いという印象です。

フリンジの発生

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM フリンジ作例

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ゴースト・フレアの発生

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM ゴースト・フレア作例

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逆光線ではフレア・ゴーストがナチュラルに発生します。

特にフレアについては逆光気味程度でも発生してしまいますが、作画上柔らかい自然なイメージを与えるケースも多いので、一概にマイナスポイントとは言えないかもしれません。

最新のレンズでありながらこういった部分に少しクラシックな描写がみられるのもRF100-400mm F5.6-8 IS USMの魅力のひとつと言えるでしょう。

1.4×テレコンバーター装着時の画質

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM テレコンバーター装着時画質作例枠
Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM テレコンバーター装着時画質作例

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最近のテレコンバーターの高性能化は目覚ましいものがあります。装着しても殆ど画質の劣化がみられないレンズもありますが、RF100-400mm F5.6-8 IS USMは一般的に画質劣化が少ないと言われる1.4×テレコンを装着した状態でも、わずかに画質の劣化がみとめられました。

このレンズについては画質云々よりも装着できる事に大きな価値があるので、ある程度許容して使用する必要がありそうです。

又、F値も1.4×で開放F11、2.0×では開放ではF16となるので2.0倍のテレコンバーターの使用は画質・条件の両側面で妥協できる被写体で使用するのが良いでしょう。

比較

Canon RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMとの比較

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMはRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMのまさにグレードアップモデルとも言えるレンズです。

半絞り明るいF値、望遠端が100mm長い500mmまで、描写性能を担保するLレンズと、全てにおいてRF100-400mm F5.6-8 IS USMを上回る高性能レンズである分、価格は4倍、重量は2倍以上となり購入にはそれなりのハードルの高さのあるレンズとなります。

テレコンバーターが使えないというデメリットもあり、むしろRF100-400mm F5.6-8 IS USMを利便性の高いRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMの廉価版ととらえる方が自然かもしれません。

Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USMとの比較

RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM、EF70-300mm F4-5.6 IS II USM

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、F値の可変する望遠ズームが安かろう悪かろうから性能的にも高画素のデジタルカメラに十分使える水準にレベルアップした頃のレンズです。

価格のわりに高性能で使いやすいという意味でRF100-400mm F5.6-8 IS USMのコンセプトに近いレンズな気がします。

RF100-400mm F5.6-8 IS USMは望遠端をより長い400mmに、ショートフランジバックを利用したより高性能なレンズとなった後継機と言えるのかもしれません。

メリット・デメリットとおすすめユーザー

軽量コンパクトで気軽に迫力ある超望遠の世界が楽しめるのは大きなメリット

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM本体4

超望遠レンズというと少し敷居が高いと感じるユーザーが多いかもしれません。大きく重く手ぶれしやすい超望遠レンズはある程度の技術や重さを我慢できる体力が必要だからです。

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USMはそんな超望遠レンズの敷居を間違いなく下げてくれるレンズだと思います。

400mmまでというよほどのカメラファンでなければ敬遠してしまいそうな焦点距離を、軽量で実用上十分な性能のリーズナブルな価格のレンズで楽しめるのは大きなメリットです。

暗めの開放F値は撮影条件を選ぶ

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM本体5

開放F値が一般的な望遠レンズと比較しても半~1絞り暗い事は条件によってはデメリットとなるでしょう。

今回のテスト撮影でもF2.8やF4程度のレンズであれば消せる手前の網を消せなかったり、動物が日陰に入った際にはシャッタースピードに気をつかうといった事が必要でした。

撮影する時間帯や被写体によっては開放F値が暗い事がデメリットとなるケースもあるでしょう。

超望遠撮影入門者やアクティブに超望遠を使いたいユーザーにおすすめ

Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM本体6

超望遠レンズがつくりだす迫力ある写真を気軽にアクティブに撮影したユーザーにおすすめです。

初めて超望遠レンズを使うユーザーにはリーズナブルな価格と軽量コンパクトさが、中級者以上のユーザーには今まで以上にアクティブに撮影できる取り回しの良さが大きな武器となるでしょう。

性能面ではこれ以上のレンズもあると思いますが、ここまで軽量で取り回しのいいレンズは少なく初めて購入する望遠レンズや、より軽快に撮影したいと考えているユーザーにおすすめです。

作例に使用したカメラ

【商品情報】Canon EOS R6 MarkII

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【商品情報】Canon EOS R7

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作例に使用したレンズ

【商品情報】Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM

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Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USMバナー画像

まとめ

・400mmまでを含むフルサイズ対応の超望遠ズームとしてはトップクラスの軽量さです
・テレコンバーターが使える事も大きなメリットと言えます
・オートフォーカススピードは速いとは言えませんが余程高速で動く被写体でなければ実用的です
・リーズナブルな価格も魅力の一つです

Photo & Text by フジヤカメラ 北原

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