今、中古でデジタル一眼レフカメラがかなりお買い得になっています。小さく軽いミラーレス全盛の昨今、「大きく、重い」という欠点から、敬遠される向きが強い為か、特に中古では、上位機種でも驚くほど安く手に入る事があります。
性能についても、ここ7,8年以内に発売されたものについては、優れたレベルにあり、写りについても最新のミラーレス一眼と比較しても、大きな遜色が無いものが沢山あります。中古で安くなった憧れのプロ機を手に入れるチャンスでもあります。
そんなデジタル一眼レフカメラの中から、今(2019.12.30)中古でおすすめの、Canonの一眼レフカメラを3機種ピックアップしてみました。
それまで、プロ機を2系統(高画素機(EOS1Dsシリーズ)とハイスピード機(EOS1Dシリーズ))ラインナップしていたCanonが、プロ機を1本化したのに驚きました。
APS-Hサイズセンサーのカメラが無くなってしまう事に、プロカメラマンから、多少、非難もあったようですが、ベストセラーとなったカメラです。
EOS-1DXの発売日は2012年6月です。さすがに少し古いカメラなので、最新機種と比較して、画質について不安に思う方も多いと思います。
そこで、現行機種の EOS-1DX MarkII との画質の差を比較してみたいと思います。
EOS-1DX MarkIIの発売は、2016年4月なので、4年程ひらきがありますから、特に映像エンジンはかなり進歩しているはずです。
先ずは、通常の明るさで、感度はISO100にして画質の違いを見てみます。
上の画像から、黄みどり色の囲み部分を拡大します。
レンズは高性能で定評のあるEF35mm F2 IS USMを、f11まで絞って使いました。
上がEOS-1DX、下がEOS1DXMarkIIの画像です。
画素数が違いますので一概には言えませんが、諧調や細部の描写にやはり違いがあります。特に諧調は、新しい機種である EOS1DXMarkII の方が豊かで立体感に富む描写です。EOS1DXMarkII と比較すると、EOS-1DXはやや塗り絵的な平板さがあります。
それでも、EOS1DXMarkIIとの違いは、この大きさまで拡大してやっとわかるレベルで、EOS-1DXの画質について、発売当時非常に評判が良かった事にもうなずけます。
次に、高感度の画質を見てみます。
中野の夜の街でテスト撮影をしました。
レンズは先ほどと同様EF35mm F2 IS USMを使用、黄みどり色の枠の中を拡大して画質を見てみます。
上がEOS1DX、下がEOS1DXMarkIIで、左からISO51200→25600→12800です。
ノイズの差はそれほどではありませんが、立体感やシャープネスはEOS1DXMarkIIが上で、映像エンジン「デュアルDIGIC 6+」の優秀さがわかります。EOS1DXは比べるとわずかですが眠い描写に感じます。
ノイズについては、どこまでを「使える」とするかは個人の主観ですが、いずれの機種もISO12800あたりからグッとノイズが少なくなるようです。
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画素数がそれ程違わない2機種の為か、画質の差は高感度まで含めて思ったより大きくありませんでした。
これなら価格重視で、中古の EOS1DX を購入しても安心して使えそうです。カメラ自体はプロ機ですので、相当堅牢に作られていますから、中古でも比較的安心して使えるのもメリットの一つです。
一眼レフのプロ機故大きく重い機種ですが、それに耐えられれば EOS1DX の中古は、お得な機種と言って良さそうです。
>>> Canon(キヤノン) EOS 1DX シリーズ【中古品】
フルサイズデジタル一眼レフカメラを一般的なものにした、EOS5シリーズの3代目は、発売当時このジャンルの完成形と言っていい完成度で、多くのユーザーの支持を得ました。
オートフォーカスやホワイトバランスなど、様々な意味でMarkIIよりも精度が高いイメージで、当店でも非常に沢山売れた機種です。おかげで中古市場でもたま数が多く、その分中古は値下がりし易い、お買い得な機種となっています。
現行機種の 5D MarkIV と画質を比較してみます。
後継機の 5D MarkIV は、高画素機としてのカラーをより強く打ち出して、3040万画素のカメラとなっており、EOS5D Mark IIIとの画質差が気になるところです。
EOS5D Mark III & EOS5D Mark IV 画質比較
先ほどと同様に、通常の明るさで最も画質が良くなるであろう、ISO100で画質の違いを見てみます。
上の画像から、黄みどり色の囲み部分を拡大します。
レンズは先ほどと同様、EF35mm F2 IS USMをf11まで絞って使いました。
上がEOS5DMarkIV、下がEOS5DMarkIIIの画像です。
やはりEOS5DMarkIVの方が、暗部、明部とも諧調が残りダイナミックレンジが広く、情報量が多いシャープで抜けのいい画になっています。比べると、EOS5DMarkIIIは若干眠い画です。
しかし、ここまで拡大して、やっとこのくらいの画質差とも言え、EOS5D Mark III も、中古でお得な価格の、フルサイズの良さを体験する入門機としておすすめ出来ると思います。
次に、高感度ノイズについて見てみます。
先ほどと同様、中野の夜の街でテスト撮影をしました。
レンズはEF35mm F2 IS USMを使用、黄みどり色い枠の中を拡大してノイズ感を見てみます。
上がEOS5D Mark III、下がEOS5DMarkIVで、左からISO25600→12800→6400です。
EOS5D Mark III の画はコントラストが低く眠さを感じます。全体的に滲みも大きいようで、これが画のシャープさを損なう結果となっているようです。
しかし、ノイズについては、特にISO25600では EOS5D Mark III の方が少なく感じるくらいで、画素数が少ないメリットが出ているように感じます。
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Canon EOS5D MarkIII は、画素数こそ2230万画素と、高画素機として考えると物足りなさを感じますが、低照度もまあまあで、バランスのいいオールラウンドなカメラです。
中古のEOS5D MarkIIIが、いまだ人気なのにもうなずけます。
>>> Canon(キヤノン) EOS 5D Mark III【中古】
APS-Cサイズセンサー採用の最上位機種であるEOS 7D MarkIIは、発売から既に5年が経過し、新しくは無い機種ですが、今使っても優れた追従性能を持ったオートフォーカスをはじめ、十分上位機種としての性能を持ち合わせているカメラです。
個人的にもたまに使うのですが、非常にレスポンスのいいカメラで、光学ファインダーを持ったデジタル一眼レフカメラのいいところを味わうのに最適な機種だと思います。
新品がかなり安くなっている事もあり、現行機種でありながら、中古ではかなりお買い得感のあるカメラです。
Canon EOS 7D MarkII は現行機種ですので、後継機との画像比較が出来ません。
よって、CanonのAPS-Cサイズセンサーを使ったデジタル一眼レフカメラの中で、最も新しい機種である、EOS 90Dと比較しました。
EOS 90D は今年発売されたカメラなので、5年ほど隔たりがある事になります。
上の画像から、黄みどり色の囲み部分を拡大します。
レンズは EF35mm F2 IS USM f11まで絞って使いました。
上がEOS7D MarkII、下がEOS90D の画像です。
画素数の差が素直に画質の差に表れました。ビルのタイルの解像感など、明らかにEOS 90Dの方がいいようです。約3250万画素の情報量の多さはさすがで、かなり細かいところまで写っています。
次に高感度での画質を見てみます。
黄みどり色い枠の中を拡大してノイズ感を見てみます。
上がEOS7D Mark II、下がEOS90Dの画で、左からISO16000→12800→6400です。
APS-Cサイズセンサーという事で、ISO6400でもそれなりにノイズが出ています。EOS90Dは、超高画素のAPS-Cサイズセンサーを搭載し、高感度は不利なはずですが、EOS7D Mark IIと大差ないノイズに抑えられているのはさすがです。映像エンジンDIGIC 8の処理が秀逸だと考えていいでしょう。
EOS7D Mark II は、画質は中程度で、高速なレスポンスと光学ファインダーを重視してユーザーにおすすめの機種と言えそうです。
正直言ってEOS90Dの画質の良さには舌を巻きました。遅れて来た一眼レフというイメージだったんですが、高画質なAPS-Cサイズセンサー機として、是非使ってみたい機種です。
「中古でおすすめな、デジタル一眼レフカメラ 2019 Canon編」と題して、お買い得感のあるCanonのデジタル一眼レフカメラを3機種ピックアップしてみました。
購入の一助になればと、新機種との画質差を検証してみましたが、やはり新機種は性能アップがはかられており、厳しく画質について突っ込めば、新型がいいのは事実です。
反面、価格については画質の差以上に開きがあるケースが多く、多少の画質差には目をつぶって、安価な機種を選択するのもありだと思います。
個人的にはこのくらいの画質の差なら、価格を考えるとちょっと前のデジタル一眼レフカメラのコスパの高さに目を見張りました。