紅葉シーズンが近くなって来ました。紅葉のシーズンは観光地は勿論、カメラさえ持っていれば近所の公園や駅までの道のりすら撮影ポイントになる、写真を趣味にしていると最も楽しいシーズンの一つです。
で、ありながら、意外と散漫な写真になってしまいがちな、難しい被写体でもあります。被写体が美しいと逆に上手く撮れないのは、写真を趣味にしているとよくある事ですね!
今回はそんな紅葉を撮るコツ、アイデア、カメラの設定や機材などについて解説したいと思います。
紅葉を撮るコツ
カメラの設定を変えてみよう
絞り優先
ホワイトバランス
フィルムシミュレーションなど
表現はレンズで来まる!
紅葉が2倍綺麗に撮れる!PLフィルターを活用しよう
光をコントロールしよう
露出補正
ライティング
ライトアップ
写真は引き算
まとめ
紅葉の撮影では紅葉している木がモデルですので、出来るだけ綺麗に色づいている木を普段から探しておく事がポイントです。
又、いざ撮影となったら、出来るだけ綺麗な部分を探して撮影するのがいいでしょう。例えば1本のモミジの木でも、一番美しい枝ぶりや葉、全体を画面に入れる場合でも綺麗に見える方向などがあるものです。
枯れていたり萎れている部分を撮るよりは、美しい部分を切り取ってフレーミングした方が、写真としての見栄えもいいですし、写真を見た人から、自分も見てみたいという共感を得られやすいのではないでしょうか。
さて、美しい紅葉を見つけたなら、それをより美しく見せるのはカメラマンの技術です。先ずはカメラの設定を変えてみましょう。
普段は露出をオートで撮っている方も、簡単に撮影者の意図をカメラに伝えられるセミオートマチック的なモードである絞り優先を先ずは使ってみてはいかがでしょうか?
普段から絞り優先やマニュアルを使っている方には、ホワイトバランスの変更をご紹介します。
レンズの絞りを変えると、それに対応するシャッタースピードはカメラが自動的に決めてくれるモードが絞り優先です。
絞りはレンズを通る光の量をコントロールする装置ですが、あわせてピントが合う範囲をコントロールするのにも使います。例えば絞りを開ける(絞りの値、F値を小さな数値にする:例→f2.8)狙った印象的な葉っぱだけにピントを合わせて、他の部分はピンボケにするといった使い方や、逆に絞り込む(F値を大きな数値にする:例→f11)
ピントの合う範囲を広くしようと、あまり絞り過ぎるとシャッタースピードが遅くなって手ぶれしてしまいますので注意しましょう。
結構な写真のベテランでも意外とカメラ任せにしてしまいがちな設定がホワイトバランスです。
紅葉のような色が重要な要素となる写真では、例えば晴天なら晴天のモード、曇天なら曇天のモードといったように天候などに合わせてホワイトバランスを変える事で、より鮮やかな写真を撮る事が出来ます。ポイントは、変えてみてカラーバランスがどう変化するかモニターで確認する事です。
表現によっては、わざと実際とは違う色温度のホワイトバランスを使って、印象的な色を出す事も出来るので、積極的に使って自分なりの技を習得したいところです。
フィルムシミュレーションは、色のバランスをフィルムをシミュレーションしたカラーバランスに変える機能です。FUJIFILMのカメラに搭載されている、同社を代表する機能の一つと言えるでしょう。
ここではFUJIFILMのカメラを代表として出しましたが、他のメーカーでも色のバランスを変えるピクチャーエフェクトといった機能は搭載しているのが普通で、その場の印象を簡単にカメラに伝える事が出来て便利です。
作例は、SIGMAのcolorモードであるT&O(ティールアンドオレンジ)を使っていますが、リアルよりも印象的な写真になったと思います。設定するだけの簡単な機能なので、是非トライしてみましょう。
ミラーレス一眼や一眼レフカメラには何故あれほど多くのレンズが用意されているのでしょうか?それはレンズを変える事で多くの表現が出来るようになるからです。
遠近感が誇張される広角レンズ、至近距離での撮影が可能になるマクロレンズ、圧縮効果と狭い画角で風景を切り取る望遠ズームレンズなど、レンズごとの特徴を表現に活かして撮影する事で、同じ紅葉でも多くの表現で撮る事が出来るのです。
撮りたい写真や表現方法によってレンズを選択するのは写真の醍醐味の一つなので、最初は大変だと思いますが、めんどうがらずに色々試してみましょう。
レンズ交換式カメラには多くのレンズがラインナップされていますが、その中からおすすめのレンズをご紹介します。
それは明るい単焦点レンズです。個人的には焦点距離35mm~85mmくらい、明るさF1.2~F2くらいのレンズ1本で頑張ってみる事をおすすめします。画角が変えられないレンズは不便なように感じますが、フレーミングや、先に述べた絞りをコントロールする事で少しでも綺麗に撮れるように工夫するようになるので、意外と印象的で綺麗な写真が撮れるのです。
写真は自由過ぎたり、被写体が綺麗過ぎたりすると、意外と上手くいかないので、思い切って縛りをもうけるのは、上手く撮れるコツの一つだと思います。と言ってあくまでこれは私の好みなので、是非自分のお気に入りのレンズを見つけて下さい!
フジヤカメラでは、単焦点レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。
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PLフィルターは光の反射を除去するフィルターで、使うとそのもの本来の鮮やかな色で再現出来るようになります。
紅葉の葉にあたった光の反射(写真では白として表現される事が多い)を除去する事で、紅葉本来の色が非常に鮮やかに再現されて、美しくゴージャスな写真となります。作例は紅葉ではありませんが、秋、たわわに実った穂の黄色が鮮やかな色で再現されました。
回転させて効果を確認しながら使わなければならないので少し難しいフィルターですが、高い効果が期待出来るので是非使ってみましょう。詳しい解説は↓
写真は一瞬の光を写しとめる芸術ですが、紅葉の写真でも光のコントロールは重要です。
紅葉を綺麗に撮る方法として、写真の明るさをコントロールする露出補正と、光があたる方向をコントロールするライティングの2つについて紹介したいと思います。
露出補正はプラスマイナスを変えるだけという簡単な設定で写真の明るさを明るくしたり暗くしたりする機能です。
プラスにすると写真は明るく、マイナスにすると写真は暗くなり、それに合わせて色の濃さやイメージも変化するので、わずかな露出補正は色のコントロールにも使えるのです。作例では大きくプラスに補正する事で、モミジのはをパステル調の色に再現してみました。作例は実は店頭にオブジェとして飾ってあったモミジですが、露出補正で色や明るさをコントロールする事で印象的な写真になったと思います。
又、次に紹介する逆光線ではカメラの露出計どおりに撮ると暗い写真になってしまうので、それを防ぐ(プラスに補正して適正な明るさにする)のにも使います。
綺麗な紅葉を見つけたら、ついついそのままストレートに撮ってしまいがちですが、少し落ち着いて光がどちらからあたっているか確認してみましょう。
例えば太陽がカメラの正面やそれに近い方向から当たる逆光線や半逆光は、通常の人物写真では顔が暗くなってしまって避けられる事が多いですが、風景や紅葉の写真ではものの形が立体的に表現出来る、おあつらえ向きの光線状態となります。特に葉を光で透かして撮ると、まるでガラス細工のようになってとても綺麗です。そのまま撮ると被写体が暗く写るので、先ほどの露出補正を使って、思い切ってプラス補正する事もお忘れなく。
撮る前に、どの方向からカメラを向けるのが綺麗か、落ち着いて考えてからシャッターを切ってみましょう。
人工的な光であるライトアップはコントロールしやすい光の一つです。
そもそも紅葉が綺麗に見えるように光源が設置されているので、ただ撮っただけでもそこそこ綺麗に撮れてしまう、裏技的なライティングです。作例ではそこに一工夫加えて、池に写った木々を同時に画面に納める事でシンメトリーな構図を狙いました。夜なので、あまり綺麗でない池の水もわからなくなってしまうのもポイントです。
ライトアップを撮るコツは、少し明るめに撮る事で、これは暗闇に慣れた目はモニターの画面が実際よりも明るく見えてしまうからで、自身がなければ先ほどの露出補正を使って、明るさの違う数枚のカットを撮っておくといいでしょう。
さて、最後に少しプロっぽい写真が撮れるコツです。
それは出来るだけ画面にフレーミングするものは少なくシンプルにした方がいいという事です。これにより何を撮りたかったかが第三者からもわかるようになります。よく言われる写真は引き算という考え方です。
写真は引き算を実践するコツは、カメラのファインダーやモニターを四隅まできちんと見る事で、これは紅葉に限らず写真を上手くとるコツの一つなのです。
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写真を趣味にしていると楽しい季節、紅葉の写真の撮り方のコツやアイデア、カメラの設定やアクセサリーを紹介しました。
ゆっくりと時間をかけて撮れる紅葉の写真は、カメラの設定やフィルターワークなどを改めて見直してみるいい機会にもなるのではないでしょうか。
お気に入りのカメラ、レンズを持って紅葉のシーズンを楽しみましょう。