Nikon(ニコン)はプロカメラマンが好んで使うメーカーという事もあり、多くの単焦点レンズがラインナップされています。
Nikonというと、堅牢なボディというイメージが強いと思いますが、名玉と言っていいような美しい表現が可能なレンズを多く輩出する、優れたレンズメーカーでもあるのです。
今回はそんなNikon(ニコン)の単焦点レンズの特徴やおすすめのレンズ、使い方などをご紹介したいと思います。
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Nikon(ニコン)単焦点レンズの魅力
Nikon(ニコン)の単焦点レンズの魅力は、何と言ってもその豊富なラインナップと高い描写性能です。
レンズを固定して設計出来る単焦点レンズは、一般的に高性能に設計しやすいと言われますが、Nikon(ニコン)の単焦点レンズはリーズナブルな価格のものから高額なものまで粒ぞろいで、いずれも一定レベル以上の描写性能を持っています。
特に逆光でのフレアの発生を抑える事が出来るナノクリスタルコートを採用したレンズは、どのような条件でも安定して高性能を維持する事から、プロカメラマンからも高い支持を得ています。
FマウントとZマウント
Nikon(ニコン)の主なマウントは2つ、一眼レフカメラ用のFマウントと、ミラーレス一眼カメラ用のZマウントです。
ZマウントのレンズをFマウントのカメラに装着する事は出来ません。対してFマウントのレンズは専用のマウントアダプターを使う事でZマウントのカメラに装着する事が出来るので、より幅広いレンズを使いたいならZマウントのカメラがおすすめです。
Fマウントのレンズには最新のフルサイズミラーレス一眼カメラに装着しても性能的に十分使える優秀なものも多く、特に中古のFマウントのレンズはZマウントのレンズに比べてリーズナブルな価格なので、是非活用したいところです。
Nikon(ニコン)単焦点レンズの特徴
Nikon(ニコン)には多くのレンズがラインナップされていますが、写りやカラーバランス、ボケ味などに統一感があるという特色があります。
撮影中、何度もレンズ交換を行わなければならないプロカメラマンにとって、レンズごとにボケ味やカラーバランスが変化するのはあまり好ましい事ではありません。多くのプロカメラマンに使われ、高い支持を得ているNikon(ニコン)の製品は、こういった部分にも十分な配慮がされているのでしょう。
Nikon(ニコン)の製品を手に取るという事だけで、高いクォリティの写真が担保される、そんなレベルの物づくりがされている、Nikon(ニコン)の単焦点レンズはそんな製品群の一つなのです。
おすすめの単焦点レンズ（Fマウント）
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
リーズナブルな価格ながら高性能で、人気の高いレンズです。
開放F1.8の明るさでありながら一眼レフカメラ用の単焦点レンズの中では特に軽量コンパクトで、仮に標準ズームを持っていてもカメラバックに1本忍ばせておきたい、そんな魅力を持っています。
中古なら2万円を大きく下回る価格（2021.7.21現在）も魅力で、初心者から上級者まで使い勝手のいいレンズだと言えるでしょう。
価格帯的にナノクリスタルコートこそ採用されていませんが、高い描写性能を持ったシャープなレンズです。
ボケ味も柔らかく綺麗で、50mmという非常に汎用性の高い画角を持っている事から、1本だけ持っての撮影から、ズームレンズのバックアップとしてまで活躍の場が広いのもポイントです。
多くのNikon(ニコン)ユーザーから支持される隠れた名玉と言っていいレンズだと思います。
AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
マイクロニッコールの定番レンズは、発売から15年近く経った今でも十分通用する高い描写性能が魅力です。
105mm F2.8というスペック、最大撮影倍率等倍、レンズ手ぶれ補正内蔵などは、今見ると月並みなスペックではありますが、堅実なNikon(ニコン)らしい誠実さが感じられます。
一眼レフカメラ用のレンズですが、マウントアダプターを使ってミラーレス一眼カメラでの使用も視野に入る、使い勝手と性能のバランスがいいレンズです。
先に書いたとおり高画素、高性能なZシリーズのミラーレス一眼カメラにも十分対応出来る描写性能の高さもAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDの魅力の一つです。
マクロレンズとしてだけではなく、柔らかく美しいボケ味を活かした中望遠レンズとしても使える、汎用性の高さがあり、むしろマクロレンズとしてしか使わないのは勿体ないと言えるでしょう。
作例はNikon(ニコン)Z7IIにマウントアダプターを装着して撮影していますが、高性能な純正のSラインレンズで撮ったかのような、高い描写性能を見せています。
AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR
500mmのレンズとは思えない軽量コンパクトな超望遠レンズです。
全長（レンズマウント基準面からレンズ先端まで）約237mm、最大径約106mm、質量約1460gと超望遠レンズの常識を変える軽量コンパクトさは、PF（位相フレネル）レンズを使った特殊な設計によるもので、単焦点レンズのメリットを最大限活かしています。
高額なレンズではありますが、このレンズでなければ、というシチュエーションが多くある唯一無二のレンズと言っていいでしょう。
EDレンズ3枚を使った光学設計とナノクリスタルコートの採用により、描写性能についても高いレベルにあるレンズです。
PF（位相フレネル）レンズを使った際に発生する、点光源を囲むように発生する虹色のフレアもPFレンズに新素材を採用する事である程度抑えられており、理想の望遠レンズに近づいています。
Nikon(ニコン)を代表する単焦点レンズの一つです。
おすすめの単焦点レンズ（Zマウント）
NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
F1.8という大口径レンズでありながら開放から高い描写性能を誇るフルサイズミラーレス一眼カメラ対応の広角レンズです。
ミラーレス一眼カメラの特徴の一つであるショートフランジバック（レンズからセンサーまでの距離が短い事）は、レンズ設計の自由度が上がり、特に広角レンズで有利と言われますが、NIKKOR Z 20mm f/1.8 Sはそういった特徴を最大限活かして設計されています。
開放から周辺部までシャープな画質は、Zマウントの高性能レンズシリーズであるSラインの名に恥じない高レベルなものです。
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
高い解像力と美しいボケ味の両立を掲げるNikon(ニコン)Zシリーズ用Sラインレンズの特徴を良く表した広角レンズです。
一般的に汎用性が高いと言われる35mmという焦点距離に美しいボケ味が加わる事で、非常に幅広い表現力を持ったレンズとなっており、常用レンズとしておすすめです。
APS-Cサイズセンサーを搭載したカメラ用の標準レンズとしても使え、例えばZ50のレベルアップに使うのも面白い使い方だと思います。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
F1.2という大口径でありながら、周辺部までシャープな描写のレンズです。
標準レンズとしては大柄なレンズなので持ち運びが大変ですが、美しく大きなボケと、開放からシャープな描写性能は必ずや撮影者の意図に応えてくれるでしょう。
数多あるNikon(ニコン)の単焦点レンズの中で、あまり語られないレンズな気がしますが、個人的にはZマウントを代表すると言っていい素晴らしいレンズだと思います。
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
Nikon(ニコン)Sラインレンズの中では比較的コンパクトで写りもいい事から人気のレンズです。恐らくZマウントの単焦点レンズの中で最もユーザーの多いレンズなのではないでしょうか。
人気の高さに比例した性能の良さを持っており、定番らしい安定した満足度を得られるレンズです。
人気の高いレンズは中古でも入荷が多い為、リーズナブルで入手性がいい事もNIKKOR Z 50mm f/1.8 Sの特徴の一つかもしれません。
NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
50mmの標準マクロレンズは、基本的な性能が高い事やボケ味の美しさから、マクロレンズとしてだけでなく標準としても使い易いレンズです。
高性能シリーズのSラインではないものの、解像力、ボケ味ともに匹敵するレベルで、価格もZマウントのレンズとしてはリーズナブルな事から、とてもコスパの高いレンズだと言えるでしょう。
サイズもコンパクトなので、マクロレンズという特別なものとしてではなく、常用レンズとして使える懐の広さに貢献していると思います。
NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
ボケ味の美しさはZマウントの単焦点レンズの特色の一つですが、それが最も生きる焦点距離は中望遠レンズではないでしょうか。
NIKKOR Z 85mm f/1.8 Sはスペック的に大きな特色がある訳ではありませんが、高い解像力と美しいボケ味が魅力のレンズです。
先に述べたとおりNikon(ニコン)のレンズには写りのイメージに統一感があるので、他の標準や広角レンズと組み合わせても違和感なく使えるのもポイントです。
マウントで性能が違う？
Nikon(ニコン)の単焦点レンズには大きく分けて一眼レフ用のFマウントと、フルサイズミラーレス一眼カメラ用のZマウントがありますが、全体的にみてZマウントのレンズの方が高性能になります。
これはミラーレス一眼用であるZマウントのレンズの方が設計が新しいという事以外に、ショートフランジバック（レンズからセンサーまでの距離を短くする事）による設計の自由度の高さも大きな理由となっているようです。
特に広角レンズはレンズからセンサーまでの距離を＝焦点距離で設計出来る事で、一眼レフに比べて周辺部まで高い性能のレンズを設計し易いと言われています。
レンズ交換の仕方
多くのメーカーが装着の際、時計回りにレンズを回して装着しますが、Nikon(ニコン)のレンズは反時計回りに回して装着します。
販売店の店員のように多くのメーカーを使うと、これには一瞬戸惑いを覚えますが、Nikon(ニコン)だけを使うユーザーにとってはメーカーに対する愛着を覚える操作になるかもしれません。
仮に他のメーカーから乗り換えてもしばらくすれば慣れる操作ですが、最初はNikonを使い始めたとリアルに実感できるメーカーならではの特徴です。
まとめ
Nikon(ニコン)の単焦点レンズについて解説しました。
単焦点レンズは画角が変えられない分利便性についてはズームレンズにかないません。しかし、画質の良さやボケの大きさ、美しさなど、ある程度こだわりを持って写真を撮るならズームには無い多くの魅力があると思います。
そんな中でも老舗のカメラメーカーであるNikon(ニコン)は流石としか言いようのない魅力的なレンズを多くラインナップしており、単焦点レンズを使って写真を撮る楽しさを実感し易いメーカーなのではないでしょうか。
Photo ＆ Text by フジヤカメラ 北原
