星景写真向きのフィルター Kenko(ケンコー)PRO1D プロソフトン クリア(W) を試してみました。
星の写真を撮る際、ソフトフィルターがよく使われます。
ソフトフィルターを使う事で、星の光をにじませ、明るい星を大きく、暗い星を小さく表現する為です。
しかし、風景と一緒に撮る星景写真の場合、シャープに描写したい風景にもソフト効果が出てしまう、というデメリットがありました。
Kenko(ケンコー)PRO1D プロソフトン クリア(W) は、星にかかるソフト効果を、星景写真で人気の プロソフトン(A) の半分にし、風景へのソフト効果を最小限に抑えているフィルターです。
風景を出来る限りシャープに描写し、それでいて星にもある程度のソフト効果を期待したい、そんなユーザー向けの製品となります。
時節柄、暗い夜空を求めて遠出をするわけにもいかず、又、若干雲のある生憎のコンディションの中でのテスト撮影で、写真がいま一つですみません。
Kenko(ケンコー)PRO1D プロソフトン クリア(W) は、星の光のにじみ方は控えめで、肉眼で見たリアルな感じに近いです。
その分、景色の部分の滲みは最小限なので、ソフト効果の少ないシャープなイメージに写ります。
作例①の木々の部分を拡大しました。
枝や葉の輪郭が細かく描写され、ソフトフィルターの存在はほとんど感じられません。
レンズの性能がそのまま出ている感じです。
同じく作例①の星の部分を拡大しました。
明るい星の周りには光のにじみが出て大きく、暗い星は小さく表現されていますが、拡大しないと、どちらも殆ど点として表現されるため肉眼に近い感じになります。
にじみの大きさが控えめなおかげで、賑やかな、印象的な星景写真というよりは、リアルに近い印象です。
条件があまり良く無くて、空が明るいという事が一番の理由だと思いますが、星景写真としてはちょっと物足りない感じです。
Kenko(ケンコー)PRO1D プロソフトン クリア(W) の光のにじみ方は小さく、賑やかというよりは、リアルな感じを優先するユーザー向きだと思います。
脚色が少ない分、条件が良くなれば良くなるほど、感動が伝わる表現が可能になりそうです。
空を星空らしい青い色合いにしたくて、ホワイトバランスをタングステン光にして撮影しました。
街のある方角が明るくなってしまい、星の光が写らず残念です。
街灯があった為、手前に写った街路樹が明るく再現されました。拡大してシャープネスを見てみます。
いくらかソフトがかかっているのが分かりますが、コントラストの低下はわずかで、レンズの性能が十分に出ています。
やはり、Kenko(ケンコー)PRO1D プロソフトン クリア(W) は、風景を重視した星景写真に威力を発揮しそうです。
今回使用したレンズは SONY (ソニー) FE 16-35mm F2.8 GM ですが、葉の一枚一枚まで克明に描写されていて見事です。
風景を入れずに、星空だけを撮ってみました。
この日一番暗い方角に向けて撮ったので、多くの星が写りましたが、それでも光のにじみが小さく、賑やかとまではいきません。
PRO1D プロソフトン クリア(W) で、星空を賑やかにするには、地上の光の少ない高山など、相当な好条件が必要だと思います。
かなりの好条件を必要とするフィルターだと感じました。
通常の撮影だと、どうしても星の光のにじみが足りなくて、物足りなさを感じてしまいます。
反面、一緒に写る風景の描写は、思った以上に損なわないので、例えば高山で山と星の両方をフレームインさせる星景写真など、風景部分の描写に重きを置いて、さらに暗い条件のいい星空なら、大きな威力を発揮しそうです。
これから夏場にかけて、高所での星景写真を撮り易い時期に入って来ます。
いつか使いこなして、リベンジしたいと思います。
>>> Kenko(ケンコー)PRO1D プロソフトン クリア(W)