今回は、自身で購入した Manfrotto (マンフロット) XPRO フルード ビデオ一脚 アルミニウム5段 のレビューです。
シャッタースピードでブレを抑えられる写真と違い、動画ではカメラを固定しないとブレを防ぐ事は出来ません。
特に望遠レンズは、ガタガタと落ち着かない画になってしまい、可能な限り三脚などでカメラを固定したいところです。
しかし、実際に撮影するにあたり、常に三脚を持ち歩くのは面倒ですし、動く被写体をカメラを動かしながら撮影する動画の世界では、やはりよりアクティブにカメラを移動出来る事が望ましいと思います。
そこで、一脚の登場です。
一脚はセッティングも重さも三脚の3分の1以下で済むので、アクティブにカメラを動かせ、三脚ほどかさばらないので、持ち運びも楽です。
特に先端が3つに分かれている、自立するタイプのビデオ一脚は、取り回しは一脚並みに良く、条件さえそろえば三脚並みにカメラを固定する事が出来るので、おススメです。
有名なビデオ一脚のメーカーにはLibec(リーベック)とManfrotto (マンフロット)があります。
Libec(リーベック)は安定性と操作性に勝り反面大きく重い、Manfrotto (マンフロット)は若干安定感に欠けますが、コンパクトで取り回しがいい、という特徴があります。
特に、収納時の大きさはManfrotto (マンフロット)に大きく軍配が上がるようです。
私は、圧倒的にコンパクトで持ち運びが楽なManfrotto (マンフロット)を選びました。
実際に使用してみて、思った以上に使い易くて、満足だったので、今回使い勝手をレポートする事にしました。
自腹でレビューの始まりです。
Manfrotto (マンフロット)には数種類のビデオ一脚がラインナップされています。
素材の違いでアルミニウム製とカーボン製、段数の違いで4段タイプと5段タイプです。
私は5段のアルミニウムタイプを選びました。理由は3つ、
・カーボンの5段と比較して重量が100gも違わないのに安い
・Manfrotto (マンフロット)のビデオ一脚の中で、最も低くなる
・収納時小さい
先ずアルミ製とカーボン製です。
三脚なら、例えばManfrotto (マンフロット)で人気の小型三脚「190go!」でも、カーボンなら300gほど軽くなります。
が、足が一本の一脚は、そこまで軽くならず、アルミとカーボンの5段タイプの重量は、60gほどしか違いません。
その割にアルミなら価格は3割以上安くなります。
迷わずアルミ製を選択しました。
次に4段か、5段かです。
三脚ならロックが3個も多くなるので、多少手間が増えますが、一脚なら僅かに1個です。
さらに、Manfrotto (マンフロット)のクイックパワーロックシステムは、非常にスピーディーな固定が可能なので、手間の差はほとんど無いと言っていいと思います。
さらに、5段のタイプは最低高がラインナップ中最も低くなる(最低高 52.5 cm)というメリットもあります。
一脚の欠点の一つに、ローアングルが出来ない事が挙げられますが、それでも出来るだけ低く出来る方が有利と考えました。
勿論、最低高=縮長となるので、小さく持ち運びに便利というメリットにもつながります。
実際に使ってみて、目論見どおり、いや目論見以上だと感じた事の一つが、セッティングの速さです。
試しに、足を開いて、全伸高まで伸ばすまでの時間を測ってみました。
上の状態から、特に急ぐ事も無く、足を広げ、ロックをはずし、脚を伸ばして、ロックをして一脚を立てます。
ここまで、かかった時間はわずかに15秒弱(写真では見えませんがちゃんと5段全て伸ばしています)。
これなら、決定的瞬間の撮影に成功する確率も大きくUPすると思います。
実は、このセッティングの速さには理由があります。
先ず、足を開くのに、ロック等はありません。
力で広げるだけなので、余計な手間がかかりません。
一々ロックを解除するような手間が無い為、ストレス無くスピーディーに足を広げる事が出来ます。
それでいて、開いた足が勝手に戻らないように、開くと勝手にロックがかかるので、一脚がしっかり自立します。
次に、マンフロット独自のクイックパワーロックシステムの恩恵が挙げられます。
大きく滑らかなロック機構は、小さな力でスピーディーにロック、解除を行えます。
機構自体が大きいのがたまに傷ですが、一脚なら気になりません。
ビデオ一脚と呼ばれる理由は、自立するからだけではありません。
ミニ三脚部分はFLUIDTECH 機構と呼ばれる、ビデオ雲台のような滑らかな動きで可動するようになっており、ロックをフリーにすれば、カメラを一脚ごと動かす事が出来ます。
又、固定した状態でも、回転方向には回るようになっているので、一脚部分を持ったまま滑らかなパーンをする事も出来ます。
Libec(リーベック)の製品のように、ロックの解除を足で行う事は出来ないので、一々かがんでやるのが少し億劫ですが、その分、構造がシンプルで軽量なので良しとしましょう。
(正直に言うと、この機構についてはLibec(リーベック)の方が優れています)
ビデオ一脚は、使う条件によって、ビデオ雲台、自由雲台、雲台無し、と頻繁に雲台を入れ替えて使うと思います。
雲台の取り付けネジは太ネジと細ネジがあって、ネジが違う場合はネジの太さを変えるアダプターを使って取り付ける事になります。
Manfrotto (マンフロット)はこのネジが自動で切り替わる構造になっていて、非常に便利です。
ゴムのグリップが付いていて、持ちやすいです。
パイプ系の太さと併せて、カメラを取り付けた、ある程度重量のある状態での持ち運びにも不安感はありません。
カメラや背丈にもよると思いますが、縮めた状態なら、ケージに取り付けたトップハンドルを持って、ギリギリ一脚が地面に付かないかくらいでした。
ズバリ大正解です。
愛機のSONY α6400に135mm(35mm判換算200mm)のレンズを取り付けて試し撮りしてみたところ、ブレてもゆっくりとしたブレで、安定した見やすい映像を撮る事が出来ました。
特に、レンズの手振れ補正を併用すると、かなり安定した滑らかな画になるのでおススメです。
軽量で持ち運びが楽なのも、撮影のストレスを大きく軽減してくれました。
反面、自立については開脚幅が狭い為、完全には安定せず、キチンと立つには立ちますが少し不安な感じなので、この部分を重視するなら、Libec(リーベック)の製品を選ぶ事をおススメします。
Manfrotto (マンフロット)のメリットは、圧倒的なコンパクトさで持ち運びが楽な事と、スピーディーなセッティングにあるので、フィールド向きのビデオ一脚と考えて、この部分は諦めるべきでしょう。
旅行や、子供のイベントなどで、安定した映像と撮影の軽快さの、いずれも犠牲にしないで済む Manfrotto (マンフロット) XPRO フルード ビデオ一脚 アルミニウム5段 は、個人的にかなりおススメな製品です。
>>> Manfrotto (マンフロット) XPRO フルード ビデオ一脚 アルミニウム5段