SONYからVlog撮影向きの、1型センサーを搭載したカメラ VLOGCAM ZV-1 が発表になりました。
Vlogとは、Video blogの略で、簡単に言えば動画を使ったブログの事で、ブログを書く人をブロガーと言うように、Vlogを撮る人をVloggerというそうです。
SONY VLOGCAM? ZV-1 は、そんなVlogger向きのVlog作成用に開発されたカメラだそうです。
そんなメーカー側の開発意図はさておき、ZV-1は動画用のコンパクトデジタルカメラとして、かなり使えそうな機種なので、ポイントをまとめてみました。
ごく大雑把に言えばZV-1はRX100シリーズの動画特化モデルと言っていいと思います。
RX100シリーズは最新のM7まで写真ユーザーをメインターゲットとしている為、動画機としては幾つかの短所を持ち合わせていました。
例えば、大半のモデルで外付けマイク用の端子が無い、などですが、 VLOGCAM ZV-1 はVloggerなどの動画ユーザーをターゲットとしている為、動画撮影に必要な要素はバッチリ装備しています。
RX100M7 はRX100シリーズで唯一外付けマイク端子を装備したモデルです。
私も好きなカメラですが、動画撮影用のカメラとして考えると1つ欠点がありました。
レンズのf値が暗いという事です。
RX100M7のレンズは24-200mm(35mm判換算)、これはいいのですが高倍率ズームにした事で明るさがf2.8-4.5と犠牲になってしまいました。
そこに VLOGCAM ZV-1 が登場しました。
VLOGCAM ZV-1 のレンズはRX100M5Aと同じ 24-70mm f1.8-2.8 なので、RX100M7よりも1.5段明るくなり、1型のセンサーと合わせて、大きな背景ボケ、暗所撮影での高画質が望めそうです。
ここまで書くと、VLOGCAM ZV-1のイメージは RX100M5 にマイク端子を装備したカメラですが、それだけではありません。
AF性能については RX100M7 に準ずるので、SONYの最新の高速、高精度なオートフォーカスである事が期待出来ます。
さらに、Vloggerをターゲットにした機種という事で、「商品レビュー用設定」を搭載。
これは、自撮りしながら商品を紹介するような撮影をする際、顔認識で顔に合っていたピントを、前面に商品が入るとスムーズに商品にピント移動を行うモードですが、例えば子供を撮影している時に、つかまえたカブトムシを「見て!」と差し出された際のピント移動など、人物撮影で臨場感のあるフォーカス移動をする際などに使えそうな機能です。
勿論、精度の高いAFとして定評のある、リアルタイム瞳AF、リアルタイムトラッキングといった強力なAF機能を搭載しています。
通常、カメラに内蔵されたマイクはステレオマイクで、全体の音を拾ってしまうのが普通です。
人の声など前方の音をひろう場合、指向性の外付けマイクが必要になるのですが、ZV-1は指向性3カプセルマイクを内蔵しているので、外付けマイク無しでも話し手の声をクリアにひろう事が可能です。
さらに、風切り音を低減する、着脱可能な専用のウィンドスクリーンが付属しているので、カメラだけでもある程度高音質に録音出来そうです。
これはボタン一つで背景のボケの量を大→小と切り替える機能です。
恐らく絞りを変えているだけだと思いますが、カメラの知識が無くても、ボタン一つで被写界深度を変えられて、便利だと思います。
Vloggerなど、人の顔を写すことを主眼としたカメラなので、再現される肌の色(スキントーン)には、こだわりを持って開発されたようです。
また、顔を優先したAE(顔優先AE)を搭載しており、周囲が急に暗くなるようなシーンでも顔の露出を優先して暗くならないようにカメラが自動で調整します。
RX100シリーズとデザイン的な部分の違いで目を引くのはバリアングルモニターを搭載している事です。
これは、自撮りの多いVloggerを意識してのものだと思いますが、例えばハンドルを取り付けて撮影する際など、モニターの位置をハンドルの位置からずらせるので便利です。
又、グリップの装着や大きなRECボタンなど、片手でカメラを操作する事も多い動画カメラマンを意識したもので、好感が持てます。
SONY VLOGCAM ZV-1 は、動画撮影をするユーザーなら、かなり魅力的なカメラとなっていると思います。
外付けマイクが取り付けられるRX100M5Aというだけで興味を持つユーザーも多いと思いますが、バリアングルモニターや内蔵マイクが指向性だったりと、動画撮影用カメラとしてより高い価値のあるカメラだと思います。
軽さを活かして、小型のジンバルにのせての撮影など、バリエーションのある撮影が可能なのではないでしょうか。
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