特に明暗差の激しい被写体で、エッジに偽色がのってしまう事があります。パープルフリンジなどと言われる現象です。
レンズ性能由来、センサー由来など、原因はいくつかあるようです。
経験的には出やすいメーカーやカメラがあるように感じますが、どんなカメラ、レンズでも、多かれ少なかれ発生する場合があり、画質を損なうやっかいな現象です。
しかしこのパープルフリンジ、実は adobe Lightroom を使えば、後処理でも比較的簡単に除去する事が可能です。
adobe Lightroom は、最もメジャーな画像処理ソフトの一つでありながら、有名な Photoshop とペアで月額¥980(税抜)で契約出来るお得なソフトで、ご利用の方も多いと思います。
この Lightroom を使って、パープルフリンジを除去してみたいと思います。
はじめに、出やすいカメラ、レンズについてです。
あくまで個人的な経験になりますが、フォクトレンダーのレンズとFUJIFILMのカメラの組み合わせは、パープルフリンジが発生しやすいと感じます。
なので、FUJIFILMのカメラ + フォクトレンダーのレンズ の組み合わせでの使用は、個人的にあまりおススメしません。
FUJIFILMのカメラ+フォクトレンダーのレンズで、強烈にフリンジが出た例(拡大画像)。ここまで出るとさすがに修正は難しいので、この組み合わせはおススメしかねます。
又、例えば同じフォクトレンダーのレンズでも、APO-LANTHAR(アポランター)のレンズでは、パープルフリンジが殆ど出ないようなので、同じメーカーでも出やすい、出にくいが多分にあるように感じます。
逆に、他のメーカー、例えば純正レンズであっても、細かく見れば出ているケースも多々あり、レンズのガラスや性能にも大きく左右されるようですが、なかなか予測しずらい現象です。
いずれにしても、パープルフリンジが出るからダメなレンズ、パープルフリンジが出たから失敗カットと決めつけてしまうと、それ以外のレンズの良さや写真の面白さを活かせず、少しもったいないと思います。
Lightroom を使った後処理を知っていれば、対処のしようもあるので、試してみる価値はあると思います。
上の画像では、水面の反射にパープルフリンジがのってしまっています。
この画像を Lightroom に入れてフリンジ除去をしてみたいと思います。
水色の枠の中、小川の波に光が反射している部分が、紫色になっているのがわかるでしょうか。
勿論水面に紫色の光が当たっていたわけではなく、フリンジの発生によりこうなってしまっています。
拡大するとよくわかります。
明らかに不自然なのがわかると思います。
これを Lightroom のフリンジ軽減機能を使って除去します。
先ずは右上のアイコンをクリックして編集ウインドウを開きます。
編集メニューの中からレンズをクリックすると、補正のパラメーターが出てきます。
フリンジ軽減したい色(今回は紫色)を選択し、適応量を調整します。
今回は適応量20(最大)で、綺麗に除去できました。
拡大して細かい状況を確認してみます。
下が、フリンジ軽減適応後になりますが、自然な仕上がりで処理されていると思います。
今回は適応量で調整しましたが、フリンジセレクターを使って、ピンポイントにフリンジのカラーを選択、除去する事も出来ます。
綺麗に除去出来ました。
次にもう少し難しいフリンジ除去に挑戦してみます。
上の写真では、屋根と空との境界線にフリンジが発生しています。
前の画像と同様に、適応量だけで除去してみます。
除去出来ているように見えますが、よく見ると、パープルフリンジが出ていた場所と、出ていなかった場所との境界線にフリンジの一部が残り、不自然な線が出来てしまっています。
このままだと面白くないので、フリンジとして認識する色を変更するバーを使って、よりナチュラルな仕上がりを目指します。
ちょっと完璧にはいきませんでしたが、単純に適応量を最大にした時よりも境界があいまいになり、自然だと思います。
勿論、フリンジが出ないカメラとレンズの組み合わせで使うのが、ベストだとは思います。
しかし、古いレンズや、癖のあるレンズ、場合によっては時代遅れの古いデジタルカメラを敢えて使って撮るのも、写真の面白さの一つです。
フリンジがでるから、という理由だけで、そんな冒険が出来ないのもつまらないと思うので、メジャーな画像処理ソフトである、adobe Lightroom を使ったフリンジ除去を紹介してみました。
知っていると、効果の高い処理だと思いますので、是非チャレンジしてみて下さい。