ついに!ついに発表になりました!
SONY α6600!
「待ちに待った」という歓喜の声と「はやまった~!」という阿鼻叫喚が、同時に聞こえてきます。
かくいう私も、2ヶ月ほど前にα6400を購入、当ブログでも大喜びで「自腹でレビュー」記事を書いたばかりです。
正直に言うと、個人的には、仮にα6400、α6600が同時に発売されたとしてもどちらを購入するか、かなり迷うところです。そこで、現時点でわかっている α6600 のスペックを参考に、両機種および、旧機種α6500との違いも含めて、選択のポイントの解説を試みたいと思います。
α6600の特徴をふまえて「α6400」「α6500」との違いをいくつかのポイントに分けて比較してみたいと思います。
SONY α6600 は、α6500の後継機という扱いなので、ボディ内手振れ補正が搭載されています。
「光学式5軸ボディ内手ブレ補正」「5.0段分の手振れ補正効果」と、α6500に対して、ボディ内手振れ補正の部分での進歩、アドバンテージは無いようです。
手振れ補正機能のブラシュアップ、特に、動画向きの手振れ補正の搭載にかなり期待をしていましたが、手振れ補正については
α6500とほとんど同じ
のようです。
以前、Panasonic GH5との比較テストした際(動画撮影時 Panasonic GH5 の手振れ補正が凄い!)動画撮影時の、α6500の手振れ補正はあまりいい動きをしているとは言えませんでした。
特に歩きなど、撮影者が動いている際は、滑らかさの無い不自然な動きとなってしまい、手振れ補正をOFFにした方がいいと感じるくらいでした(本当はそういう時こそ使いたいのに・・・)。
今回のモデルチェンジでその部分の改善をかなり!かなり!期待していたので、残念です。
SONY のAF機能の売りの一つである「リアルタイムトラッキング」を搭載。リアルタイム瞳AF、動物瞳AFにも勿論対応で、現行の SONY のAF技術の最先端の仕様と言っていいと思います。
又、両機能が動画時にどう働くのかも興味のあるところです。が、恐らく基本的にα6400と同じだと思うので、α6400に大きなアドバンテージは無さそうです。
AFについては、
α6400とほとんど同じ
と考えて良さそうです。
センサーについてはα6300~α6600まで、同じものだと予測されます(あくまで予想ですが)。根拠は有効画素数が2500万画素と同じだからという事だけなんですが、多分そうでしょう。
映像エンジンについても不明ですが、最高常用ISO感度がα6400と同じ、ISO32000まで設定出来るようになったので、α6400と同等のものと考えていいと思います。
個人的には2000万画素くらいに落として、低照度耐性が1段階くらいUPしていると嬉しかったのですが、そうはなりませんでした。
センサーについては6400、6500共通?(予測)
と思ってよさそうです。
α6400、6600だけ映像エンジンの進化で、常用最高ISO感度が32000までとなっています。
さて、ここまで「同じ」とか「多分同じ」などの、あまり変わってない部分ばかり列挙して、ネガティブな印象を持った方もいらっしゃるのではないでし ょうか?
自分で書いておいてどうかと思いますが、私もそうです。
しかし!
重要な部分が新しくなっています。そこは、
バッテリー
です。たかだかバッテリーかよ!と思った方は多分SONYユーザーじゃない方だと思います。
SONY α6000シリーズユーザーの皆さん!ついに、ついに、ついに!
SONYの、バッテリーが全然もたない問題からの開放です!
α6600は、SONYのAPS-Cサイズセンサー搭載カメラの中で初めて、NP-FZ100 を使うカメラとなりました!
(NP-FZ100は現在α7IIIやα7RIIIに使用する大容量バッテリーで、α6300等が採用してきたNP-FW50の約2.2倍の容量があります。)
さらに!カメラの省電力化もはかられ、静止画なら、なんとα6500と比べて約2.3倍の約810枚の撮影が可能となったのです。
昨年、α7III発売時には、静止画で最大約710枚の撮影可能枚数に驚きましたが、今回の α6600 は、APS-Cサイズセンサーカメラとは言え、それを大きく上回る撮影可能枚数です。
よって、α6400、α6500と比較して、
圧倒的にα6600が良い
と言えると思います。
SONY=バッテリーのもちが悪いは既に過去のものです。
α6400の記事でも書きましたが、操作性の向上はカメラの使い勝手を格段に良くし、購入の動機となります。
α6600の大きな特徴の一つに内蔵ストロボが無い事が挙げられると思います。なぜ内蔵ストロボを無くしたのか、メーカーの意図はわかりませんが(個人的にはあった方がいいと思います)、実は内蔵ストロボが無くなった事で、一つメリットが生まれました。
背面の写真を見るとわかりますが、MENUボタンの隣に(α6500ではストロボのポップアップボタンがあった)カスタムボタンが設置されたのです(C3)。
SONYのカメラは、自身の撮影スタイルに合わせて、カスタムボタンを活用して使う方が使い易いと思うので、カスタムボタンが増えたのは少し嬉しいです。
操作性は、個人の撮影スタイルで変わりますので、判断の難しところですが、モードダイヤルには、S&Q(スロー&クイックモーション)モードも追加されていますし、
内蔵フラッシュが必要無ければシリーズの中では最も操作性のいいモデル
と言えるかもしれません。
動画ユーザーとして、一番うれしかった機能は、マイク端子だけでなく、ヘッドホン端子が新たに搭載された事です。
これにより、より厳密に、音を聴きながらの録画が可能となり、音にこだわった映像作品作りに使う際、かなり便利になったと思います。
動画性能、操作性については、4Kのオーバーサンプリングによる記録や、転送ビットレート、HDR(HLG)やlog、S&Qモードの搭載などはα6400と同等のようなので、
ヘッドホン端子の搭載以外はα6400とだいたい同じ
と言っていいでしょう。
個人的に、カメラと同じくらい注目したいのが、同時に発表となった2本のレンズ「E 16-55mm F2.8 G」「E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS」です。
各メーカーとも、やや力を抜いている感のある、APS-C用のレンズでありながら、本格的な描写性能を求められる大口径標準レンズと、廉価版ではない望遠ズームレンズであり、さらにいずれもグレードは「G」である事を見ても、SONYの本気を感じます。
特に大口径標準ズームレンズはメーカーの「顔」となるレンズなので、自身でSONY α6400を使っている事もあり、E 16-55mm F2.8 G の発売を嬉しく思います。
又、E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS については、リアルタイムトラッキングをはじめとした、高性能なAF機能をコンパクトに取り回し良く活かせるレンズとして、価値の高いものだと思います。
望遠側が300mmまでではなく、350mmまで(35mm判換算で525mm)というのも、本格的な望遠撮影をコンパクトな機材で行いたいカメラマンにはありがたいところだと思います。
さて、結論としてどのモデルを買うべきなのでしょうか。
先ず旧型のα6500は価格以外のメリットは無く、さらにその価格もそれほど安くないので(2019.8.30現在)、1円でも安くという事で無ければ、選択肢から外していいと思います。逆にα6500からα6600への買い替えは、AFがSONYの最新の仕様、バッテリーがNP-FZ100と言うだけでも価値があると思います。
考えあぐねるのは、α6400と比べてどちらを選ぶか、です。
価格を13~15万円程度と予測して、3万円程度の価格差なら、ボディ内手振れ補正があり、圧倒的にもちがいいバッテリーを使用出来るα6600に軍配が上がりそうです。5万円差があると、コストパフォーマンスでα6400の選択もありな気がします。
特に、動画ユーザーは、動きながらの手振れ補正がいまいちなら、α6600の利点はバッテリーのもちだけ(とは言え重要なポイントですが)と言えなくもありません。α6400でコスト削減してケージやマイクにお金をかけた方が良いという考え方も出来ます。
逆に写真ユーザーは、強力な手振れ補正とSONY 最新のAF機能を両方有し、APS-C判のα9と言った雰囲気のある α6600 には、大きな魅力を感じるでしょう。価格はα9の半分以下ですし、APS-Cのメリットもあり、価格も安く感じるでしょう。
センサーがAPS-Cというだけで、比較的安価かつコンパクトにSONYの最先端技術の恩恵を享受出来るα6400、6600は、いずれもとても良く出来たカメラで、コストパフォーマンスに非常に優れたカメラだと思います。