当社でも、メディアの仕入れなどでお世話になっている「ADTECHNO」さんが、どこからか動画にはまっているスタッフがいる事を嗅ぎつけて、フィールドモニターをテスト用に貸してくれましたので、レビューしたいと思います。
ADTECHNO のフィールドモニターは、5型と7型の2種類がラインナップされていますが、今回お借りしたのは、小さい方の5型モニターのモデル「55HB」です。
当店での扱いはまだありませんが、動画機を専門に扱う姉妹店「フジヤAVIC」では3万代後半で販売している製品で、外部モニターとしては比較的安価な部類に入ると思います。
安価なのはモニターとしての機能に特化している為で、レコーディング記録は出来ません。又、モニター上でLUTを当てたり、タッチパネルによる画像拡大する事も出来ません。非常にシンプルな製品と言えると思います。
そのおかげで、小型、軽量でシンプルなデザインとなっており、ピントさえ見えればいい、というユーザーには価格や取り回しの良さも含めて、おススメの製品と言えるでしょう。
今回は、SONYのα6400をスモールリグのケージに入れて、ハンドルの先端にADTECHNO フィールドモニター 55HB を、背面から見てケージ左側のコールドシューにオンカメラマイクを取り付けるセッティングにしてみました。
5型モニターは、ピントを見られる最低限の大きさと言っていいと思いますが、それでもカメラのモニターと比べれば格段にピントが見やすくなります。
併せて、α6400のような小さなカメラシステムでも、7型モニターのように大袈裟にならずにバランス良くセッティング出来ました。
モニターには上下と側面にも三脚穴が空いており、今回は下の穴を使いましたが、上の穴を使ってケージの手前側にモニターを持って来ても良いかもしれません。
写真で見ると少しごちゃごちゃして華奢に見えますが、実際に手に取ると、スモールリグのケージもしっかりしていて、安心して撮影出来ます。
バッテリーはCanonのLP-E6Nを外付けして使用しますが、出来れば内蔵か、もっとスリムなバッテリーなら、デザインを損なわずに良かったと思います。
実は外部モニターを使うのは初めてで、他の製品と比較出来ないのですが(すみません)、さすが5型のモニターで、カメラのモニターの数倍見やすく感じます。
ハンドルを握った際でも、モニターが目に近いところに来る事が、見やすさの一因かもしれません。
ハンドルを持ちながらのモニター確認も邪魔になる事も無く、快適でしたが、ウィンドシールドを装着した際にはマイクがちょっと邪魔だったので、マイクの取り付け位置に工夫が必要かもしれません。
(ビデオSALON 2019.5月号にケージやリグについて詳しい記事が載っているので参考になりますのでおススメです)
以前は、フィールドモニターと言えば、レコーディング機能が付いているのが普通で、モニターとしてだけ使っても意味があるのかわからなかったのですが、初めて使ってみて、画面の見やすさに驚きました。
ADTECHNO フィールドモニター 55HB が、小型軽量である事も要因として大きいと思いますが、これなら、AF撮影時の画像確認の為だけでも使う価値があるかもしれません。
MF時、ピント合わせをアシストするピーキングは5色(レッド、グリーン、ブルー、ホワイト、ブラック)の中から選択可能です。
先に書いたとおり、シンプル一途のモニターである為「LUTをあてる」「画面の拡大をタッチパネルで行う」などは出来ませんが、例えば画面の拡大などはカメラ側を使ってもそれほど不便を感じませんでした。
5型モニターで拡大してピント合わせを行えば、正確なピント合わせがスピーディーに出来ると思います。
スチル写真でも、三脚固定の風景写真などでピントを追い込みたい時など、外付けの大型モニターも一つの選択肢としてありかもしれません。
外部モニターは、動画撮影でマニュアルフォーカスを、映像表現の一つとして使うならマストアイテムの一つですが、ADTECHNO の 55HB は、価格まで含めてその最低ラインの製品と言えるでしょう。
タッチパネルも使えず、LUTも当てられない、となれば先進的な他社製品と比較とするとお世辞にも機能的に勝っているとは言えません。
しかし「初めて動画用のモニターを購入する」「低予算でなんとしてもマニュアルフォーカスを使った映像表現をしたい」などのユーザーには、価値ある製品だと思います。