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2018.11.07
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SONY (ソニー) α7II vs α7III 低照度時のノイズ比較

SONY (ソニー)?α7II と α7III の画質を、低照度・高感度を中心に比較してみました。

 

以前、SONY α7RIIとα7RIIIについて、画質だけに限定すれば、α7RIIが思いのほか健闘しているという記事を書いた事があります(→スタッフおすすめ中古「SONY α7RⅡ」記事)。

 

レスポンスの速さを求めなければ、α7RIIが思いのほかコスパが高いのでは?という記事だったわけですが、フルサイズのベーシック機種という位置づけのα7IIとα7IIIにも同様の事が言えるでしょうか?

 

店頭でも質問される事が多いので、特に低照度下でのノイズの出方を中心に、少し検証してみました。

 

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センサーの違いについて

既にご存知のとおり、α7IIIはイメージセンサーに新たに、裏面照射型センサーが使われています。

 

裏面照射型センサーの搭載により、前機種となるα7IIよりも、低照度下でのノイズ低減、高感度特性の向上が見込まれ、実際、α7IIIは7IIよりも、常用感度はISO51200までと1段階高く、又、拡張で最高ISO204800までの超高感度を設定出来るようになっています。

 

つまり、低照度や明暗差の大きいシチュエーションでの撮影で、画質面でα7IIIは7IIよりも、高性能なセンサーを搭載している、という事です。

 

低照度下での実写比較テスト

それでは実際に撮影テストをして、低照度下での画質にどのくらいの差が出るかみてみたいと思います。

 

常用最高感度は1段階UPしただけなので、

 

そんなに違わないんじゃない?

 

と、ちょっと疑いつつのテストです。

 

SONY α7II vs α7III 低照度時のノイズ比較 写真①
作例①:SONY α7III 1/60 f2.8 ISO12800 露出補正±0 焦点距離35mm

 

ISO12800での撮影ですが、このくらい明るさがあるとノイズだらけのザラザラした画にはなりません。これについてはα7IIでも同様です。

 

やっぱりそんなに違わないんじゃない?

 

しかし、細かく見ていくと、α7IIは映像エンジンが無理くり画を作っているのがわかり、立体感のない、リアリティに欠ける画になっている事がわかります。

 

少し拡大してみましょう。

 

SONY α7II vs α7III 低照度時のノイズ比較 写真①拡大
作例①拡大

 

中央のマンホールの部分の拡大ですが、下の画がα7IIIで撮影したカットです。明らかに立体感のあるリアルな再現である事がわかると思います。正直言って、

 

全然違う!

 

と言っていいほど違います。誰だ!そんなに違わないんじゃない?とか言ってた奴は!(スミマセン・・・)

 

最高ISO感度は1段階の差ですが、同一感度で撮り比べるとこんなにも差が出るのです。

 

SONY α7II vs α7III 低照度時のノイズ比較 写真②
作例②:SONY α7II 1/400 f2.8 ISO25600 露出補正±0 焦点距離35mm

 

感度をISO25600にして、さらに暗く、厳しい条件で比較してみました。

 

ISO25600はα7IIの最高感度にあたります。α7IIはギリギリの条件という事です。

 

上の写真はWEB用に880×587pixにリサイズしてあります。α7IIで撮影したものですが、このサイズであればなんとか見られる画になっていると思います。

 

しかし拡大して細部を確認すると・・・

 

SONY α7II vs α7III 低照度時のノイズ比較 写真②拡大
作例②拡大

 

上がα7II、下がα7IIIの画像です。

 

やっぱり全然違います!

 

最高ISO感度を使わなければならないα7IIはノイズによりリアリティのない破綻した画になってしまっています。

 

出来ればこの感度での撮影は避けたいところです。

 

対するα7IIIは十分な諧調とシャープネスが残り、リアリティがあり、写真として十分成立していると思います。たった1段の最高ISO感度の差ですが、映像にはこれほどの差が生まれるのです!ビックリ!

 

明暗差への対応

SONY α7II vs α7III 低照度時のノイズ比較 写真③
作例③:SONY α7III 1/250 f8.0 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離24mm

 

この写真は先日、FE 24mm F1.4 GM のテストでα7IIIを使って撮影した本栖湖と富士山の日の出です。

 

登りゆく太陽と、手前の湖面には相当の明暗差がありますが、α7IIIの15ストップ(低感度時)という広いダイナミックレンジは、全体に諧調を残しながら、バランスよく写し取っています。

 

拡大してみます。

 

SONY α7II vs α7III 低照度時のノイズ比較 写真③拡大
作例③拡大

 

最も明るい部分(太陽とその周囲)と暗い部分(手前右隅の湖面)、いずれも階調が残り(太陽の中心部分はさすがに飛んでいますがナチュラルです)、明暗差が滑らかに再現されています。

 

以前であれば、諧調のジャンプ(バンディング)が起きているシーンだと思いますが、明部暗部ともに素晴らしく自然に再現されているのには脱帽しました。

 

動画への対応

個人的に、α7IIIは写真と動画の両方に一定以上の満足を求めるユーザーにとって、ベストチョイスなカメラの一つだと思います。

 

理由は先に見て来たとおり、低照度への対応が非常にいい事、低感度での撮影時、非常に広いダイナミックレンジを持っている事です。

 

特に、シャッタースピードを「1/フレームレート」よりも遅く出来ない動画撮影においては、低照度下での優れた描写性能は非常に魅力です。

 

写真で使用する際はフルサイズカメラとして、動画撮影時はスーパー35で使用するのもいいかもしれません。

 

まとめ

画質を優先して選ぶなら、迷わずα7IIIだと思います。

 

高画質である事はもちろん、動画まで含めたあらゆるシーンに対応出来る、現行のフルサイズミラーレスカメラの中で最もバランスのいい機種の一つだと思います。

 

今回、α7IIとの比較をしましたが、本来はα7sIIとの比較が妥当だったかも・・・と思わせるくらいの、高い低照度特性を示しました。

 

欠点はやはり価格、でしょうか。SONYはベーシックグレードと考えているようですが、新品で22万を超える価格(2018.11.7現在)はまだ少し高いと感じてしまいます。

 

対するα7IIは何より低価格である事が魅力です。特に中古品は、後継機が優秀だと前型が安くなりやすいのが常ですが、そういった意味でα7IIは実力以上に安くなっている気がします。

 

今回テストしたような事は、低照度下などの厳しい条件下でないと差が出ないのが普通ですので、使い方によてってはコスパの高い機種と言えるでしょう。

 

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