発売当初より、大人気の HD PENTAX-D FA ★50mmF1.4 SDM AW のレビューです。
PENTAXのフルサイズデジタル一眼「K-1」専用標準レンズと言ってもいいレンズなので、高性能と味わいとのバランスが期待出来そうです。勿論、テストボディには PENTAX K-1 をセレクトしました。
最近の高性能レンズの常で、かなりヘビーで大柄なレンズとなっています。
15年前、上の写真のレンズを見て、全て50mm f1.4のレンズだと、誰が思ったでしょうか!
◆◆◆◆◆
重量は955g(フード付)、テストで使用したPENTAX K-1(約1kg)と併せると2kg近くなり、ミラーレスの、それもAPS-Cサイズセンサーのカメラに慣れた身としては、持ち出すのを躊躇する大きさ重さです。
しかしいざ撮影をスタートさせると、K-1はフォールディングも良く、光学ファインダーを覗いて撮ると、ガッチリと構えられて「撮っている」という実感が沸きます。
反面、軽快にライブビューを使って撮ろうと思うと、さすがにちょっと重いですね。カメラを支えるのが大変です。
ミンミンとうるさいセミの声を聴きながら近所のスナップを楽しみました。スナップは軽快に楽しみたいものなのでは?といった疑問を持ってはいけません。
撮影をしての第一印象は「やわらかい」でした。逆光線のかなり強い光で、やわらかいフレアが出て、全体的に優しい描写のレンズだと感じました。硬いレンズが多い昨今、これはある意味新鮮です。
PENTAXはカメラのカスタムイメージに「ほのか」モードがあったりして、優しい描写を得意とするメーカーですが、レンズもそういったイメージに合わせて作ってあるのかもしれません。
HD PENTAX-D FA ★50mmF1.4 SDM AW は、非常に高い解像力ですが、どこか優しい、やわらかい描写です。高性能でありながら、どこか肩の力を抜けるレンズだと感じました。
少し残念なのは、逆光線で明暗差の大きい被写体のエッジの部分には若干パープルフリンジが出てしまいまいした。これは個性ではかたずけられない弱点なので、もう少し頑張って欲しかったところです。
怖い恐竜もどことなく優し気に。
50mmは、雰囲気や個性で選びたいレンズです。PENTAXにもいくつかの標準レンズがありますが、また個性的な1本がラインナップに加わったと思います。
こういったレンズはパソコンのモニターで見ているだけでなく、プリントで見てみたくなります。
描写が柔らかい分、開放のボケはとてもやさしく綺麗だと思います。
ボケの感じが見たくて撮影したカットですが、見返してみると看板のキャラクターが「これより先レンズ沼、立ち入り注意!」と言っているように見えて来ました。
当店にも、同じようなレンズをとっかえひっかえしているスタッフが何人かいますが、立ち入りにはくれぐれも注意しましょう。HD PENTAX-D FA ★50mmF1.4 SDM AW は、結構沼の深いところに位置するレンズかもしれません。
ことしの夏は兎に角暑い!
テスト撮影も命がけ!と言えば大袈裟ですが、暑さに耐えながらの撮影は厳しいので、撮影は夕方から行いました。
持ち出す時と、バックに入れて持ち運ぶ時は重く感じるレンズですが、撮影中は夢中になっているので、重さが全く気にならないから不思議です。
噴水のライトアップのブルーが涼しげに見えたので撮影していたら、丁度後ろをモノレールが通り過ぎました。
なかなか面白い写りで、使っていて楽しいレンズでした。
優しく繊細な描写は、空気感の伝わる、PENTAXらしさを発揮した写りだと感じます。
反面「大きく、重く、高性能」という最近のレンズのトレンドそのままなのは、PENTAXならもうちょっと変わった事をしても良かったのでは?と感じます。
例えば、Limitedシリーズのような、コンパクトで個性的なデザインにするとか・・・
過剰な期待かもしれませんが、個人的には、他メーカーの成功を真似するだけでなく「PENTAXならでは」を期待してしまいます。
>>> PENTAX(ペンタックス)HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW