昨日レビューをお届けした「TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)」ですが、今回は動画に使用した際の、ズームの動きや、ブリージングなどについてレポートしてみたいと思います。
先ずは、ズームの動きについてです。
ズーム自体が表現の一部分となる動画では、ズームの動きが滑らかである必要があります。TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD のズームは、動きが滑らかで、トルクが全域にわたってほぼ均一なので、回転スピードを一定に保ちやすくなっています。
安いレンズだと、ぎくしゃくとした動きになってしまう事も多いのですが、流石f2.8固定の高級レンズだけあって、しっかりしたつくりです。
ゆっくり、ジワッとズームするなど、動画ならではの表現にもうまく対応出来そうです。
もう少し回角度があれば(ゆっくりしたズームは回角度が大きい方がやりやすい)申し分ありませんが、使い易い方だと思います。
写真ではあまり問題になりませんが、最近のズームレンズは広角側と望遠側でピントの位置が変化するのが普通です。
動画では、ズームによってあまり大きくピントが移動してしまうと、ズームした際ピントがずれてしまい、良くありません。
特に、フルサイズのカメラは、センサーの小さいAPS-Cやマイクロフォーサーズと比較して、同じ画角ならどうしてもレンズの焦点距離が長くなる為、映像にピントのズレが出やすくなります。
TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD については、ワイド→テレにすると、テレ側でかなり前ピンになってしまいました。映像として問題になるかどうかは、サイズ(FHD、4Kなど)にもよると思いますが、絞り開放で、背景をボカしながら寄って行くのは難しいレベルだと思います。
上の写真は、絞り開放(f2.8)で、28mm側(下の画像)でピントを合わせ、ピントを動かさずに望遠側で再度撮影した画像(上の画像)です。被写体までの距離がは2m弱です。
サイズはフルHD相当(1920×1080ピクセル)、ピントがわかりやすいように2倍程度に拡大しています。やはり開放f2.8では、望遠側のピントのズレが大きく、フルHDでもピンボケがはっきりわかります。
同様のテストをf5.6まで絞って行うと・・・
比較的被写体までの距離が近い(今回は約2m)撮影でも、フルHDサイズくらいならf5.6まで絞ると、映像上問題にはならなそうです。
しかし、f5.6まで絞ると、28mm側は背景をボカすのは難しそうです。
今回のテストは広角端~望遠端までズーム全域を使って行いました。実際にはここまで大きくズームするケースは少ないかもしれませんが、ズームによるピントの移動がある事は覚えておいた方がいいでしょう。
通所写真用のレンズは、近接と無限遠側で少し画角が変化(ブリージング)してしまうのが普通です。
動画の場合、ピントの移動も映像表現として利用されますので、場合によってはこの画角変化が気になる事があります。
TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD も、多少の画角変化がありました。
すみません。テスト撮影をしたのですが、全然わかりませんよね。
店内の撮影で、遠景を撮れなかったのが失敗のもとです。
実際にファインダーを覗いていると、ピントの移動に伴い、少しですが画角が変化していくのがわかります。
フルサイズ用のレンズを、APS-Cカメラに使うのは、大きさの面で無駄とというか、もったいない感じもしますが、個人的には、このレンズをAPS-Cサイズカメラの望遠ズームとして使うのもおススメです。
APS-Cセンサーサイズのカメラに装着した場合、35mm判換算で42mm~112mmの標準~望遠ズームレンズとして使えます。
動画ではブレの事もあるので、100mmを超える望遠レンズを使う事は少ないと思います。
TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD は、丁度使い勝手のいい焦点域をカバーした、中望遠ズームとしても使い易いと感じました。
自分で使ってみて「これは使い易いぞ!」と思ったのですが、文章に起こすと全然それが伝わらないですね・・・
a6300に装着して、キャンプの動画を撮影するのに使って、f2.8の明るさと、75mmまでの中望遠レンズのボケ味がとても良く、かなり気に入ったのですが。
28-75mmで開放f2.8というスペックがAPS-Cサイズセンサーのカメラに装着した際「はまった」というのが大きかったんだと思いますが、スペックとしては月並みですからね。
個人的にはAPS-CサイズのSONYカメラで動画を撮るユーザーの望遠レンズとしてかなりおススメです。