TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) の実写レビューです。
TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD は、最近の大口径の標準ズームレンズでも当たり前となった、ワイド側24mmを敢えて捨てて、28mmからとすることで、大きさ、価格、性能をうまくバランスさせたレンズです。
コンパクトな大口径標準ズームレンズの実力を、実写テストを中心にご紹介したいと思います。
しかし、今年の酷暑はひどいですね!
あまりの暑さに、歩き回るのがつらくて、いつでも建物の中に避難できるよう、駅周辺でテスト撮影を行いました。
TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)は、メーカーが売りにしているとおり、開放のボケはとても綺麗なレンズです。
しかし、被写体との距離が少し離れるとボケの量に少し不満が残りました。以前であれば、f2.8のボケに十分満足していましたが、最近は単焦点レンズを使う事が多い為、贅沢になってしまったかもしれません。
ボケの量を最大にする為、この写真では焦点距離を長焦点側の75mmにしました。
最近の標準レンズは24mmからのものが殆どで、TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD の広角側28mmに多少不満を感じなかった訳ではありません。
反面、無理をしない設計となっている為、f2.8通しのズームレンズとしてはコンパクトにまとまっているのは、撮影を軽快にしてくれて、とても良かったです。
f2.8の純正のズームレンズ「Gマスター」よりも、大きさ重さなど、軽量コンパクトなミラーレス一眼カメラとのバランスは良く感じるくらいです。
少しでも涼しくなる、夕方から撮影を行った為、すぐに日没を迎えました。
フルサイズでの望遠側75mmは、少し物足りないかと思いましたが、スナップ撮影には十分でした。
大きさを犠牲にするくらいなら、この程度の望遠いいと思います。
メーカーの説明では、開放はやや柔らかく、少し絞って描写力がUPするとの事でした。
絞り過ぎると回折現象が起きると思われるので、2.5段ほど絞って、このレンズの最高画質近辺と思われるあたりで撮ってみました。上の写真はf7.1まで絞ってあります。
少し拡大して解像感を見てみると・・・
カメラは4240万画素のSONY α7RIIですので、かなり高い拡大率になりますが、ビル壁面のタイルの一枚一枚が、細かく解像しています。
f7.1近辺が最高画質というのは私の当て推量ですが、かなり高い解像力だと思います。TAMRON (タムロン) 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)は、かなり高性能なレンズであると言っていいでしょう。
ここまで高性能なら、α7RIIのような、超高画素のカメラでも、安心して使えそうです。
不思議な電飾に彩られた、自転車のオブジェがありました。
明るいネオンにも変なハレーション等はほぼ無く、抜けのいい描写だと思います。
先ほどの夕焼けの写真もそうですが、空や雲のグラデーションも繊細に描写されています。最初は、純正のGマスターから、価格的に妥協して購入するレンズ、というようなイメージを持っていましたが、描写力は最近のタムロンらしい妥協のないものだと感じました。
価格よりは、大きさで選ぶ、というのが正当な評価のようです。
実は、広角端28mmでは、タル型の歪みが出ます。
歪みの目立つ被写体では、35mmくらいまで望遠側にもどして使うか、カメラ内レンズ補正に対応したレンズなので、補正をONにして使用した方がいいと思います。この写真では補正はOFFにして、広角端から少しもどして35mmで撮影しているおかげで、歪みは目立たないレベルになっています。
カメラ内レンズ補正はとても便利な機能です。レンズメーカー製レンズも徐々にカメラ内レンズ補正に対応して来ているのはユーザーとしては助かります。
AFのスピードやズーミングなどの操作感は申し分ありませんでした。
素早く撮影したいスナップは、AFの迷いが意外とストレスになりますが、そういった事も殆ど無く、小気味よく撮影が行えました。
次回、同レンズの動画撮影時の使い勝手もレビューしようと思っていますが、スムーズなズームリングの動きは、とても使い易いものでした。
すっかり日も落ちて、暗くなってしまいました。
30℃をゆうに超える気温の中、2.5時間程撮影しましたが、カメラが重くて煩わしく感じる事はありませんでした。性能さえ良ければやはり軽さは正義だと思います。
ズーム、AFといった使用感もとても良く、大きさも手頃である為、撮影がとても楽しいレンズでした。
夕方から夜にかけての撮影でしたが、開放f2.8の為、手振れ補正と併せて、手振れをあまり気にする事なく撮影出来たのもとても良かったです。
フルサイズのf2.8通しの標準レンズとなると、SONYならGマスターを選択するしかなく、持ち運びなど、どうしても覚悟のいるものでした。
肩の力を抜いて、気軽にf2.8の標準レンズを持ち運べる大きさ、重さのレンズが発売され、フルサイズミラーレスの世界がより快適になったと思います。
最近は、いいものは売れ、いまいちだと売れない、という2極化が顕著だと感じます。やはり、長く欠品が続くような製品は、相応に使い易く高性能な製品ですね!