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2018.04.17
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PENTAX K-1 II 実写レビュー リアルレゾリューションII 高感度性能

PENTAX K-1 MarkⅡの実写レビューです。

 

K-1のマイナーチェンジモデルという事で、目新しい機能はあまり無いのですが、新しくなったリアルレゾリューション(リアルレゾリューションII)と、高感度特性について試しました。

 

以前より興味のあった、PENTAX独自の技術である「リアルレゾリューション」と当社スタッフ高山も注目していた、高感度特性を中心にレビューしたいと思います。

 

PENTAX K-1 II

 

新しくなったリアルレゾリューション

前機種K-1にも搭載されていた「リアル・レゾリューション・システム」は、手ぶれ補正機構を利用して、イメージセンサーを微小に動かし、4枚の画像を連続撮影、1画素ごとにRGB全ての色情報と輝度情報を得る事で、超高精細画像を生み出す技術です。

 

この機能には、大きな制約がありました。センサーを動かして4枚の画像を合成する機能である為、基本的にカメラも被写体も一切動かない事が必要だったのです。

 

今回マイナーチェンジされた K-1II では、手振れ補正と連携させる事で、手持ちでのリアルレゾリューションが可能となり、限られたシチュエーションでしか使用出来なかったリアルレゾリューション機能が、グッと身近に、実用的になったと言えると思います。

 

リアルレゾリューションII 手振れ補正モード

PENTAX K-1 II 作例①

 

PENTAX K-1II のリアルレゾリューションIIから、手持ちでリアルレゾリューションが出来る「手振れ補正モード」が搭載されました。

 

上の写真のような、ローアングルなどの三脚使用が面倒な状況でも、手持ちでリアルレゾリューション撮影が出来るようになり、より便利になりました。

 

PENTAX K-1 II 作例②

 

いちいち三脚を開脚して、撮る面倒から、リアルレゾリューションを使うのを諦めてしまうシチュエーションでも、カメラの持つポテンシャルを全て引き出した、最高画質で撮影出来るようになったのは、特に風景写真など、細密描写を必要とする撮影では威力を発揮すると思います。

 

PENTAX K-1 II 作例②拡大

 

拡大してノーマル画像との比較してみます。下がリアルレゾリューション手持ちモードでの撮影です。微妙な差なのですが、下の画像の方が、植物の毛の部分の解像感が高くなり、微細に描写されています。

 

リアルレゾリューションII 動体補正モード

K-1IIから入った動体補正モードも試してみました。

 

PENTAX K-1 II 作例③

 

最初にハッキリ申し上げておけば、このモードは万能とは言えません。

 

例えば、風景撮影などで、風の吹いているような状況では、動体補正モードでは補正が追い付かず、失敗するケースが多いと思います。

 

私も失敗しました。被写体が画面上でどのくらい動いているか、補正がどこまで出来るか、見極めがなかなか難しく、バックアップとして通常撮影も行っておいた方が安全だと思います。

 

PENTAX K-1 II 作例③拡大

 

撮影時少し風があり、木の葉や枝が揺れている状況でした。上が、通常のリアルレゾリューションモード、下は動体補正ONでの撮影です。上の画像では、合成が失敗してモアレのような破たんした画像になっています。自然のものなので、条件が完全に同じとは言えませんが、下の写真では画像的に破たんの少ない画が撮れていると思います。

 

しかし、実を言うと、下の画像も、風による葉や枝の動きが激しい部分では、画が破綻している部分がありました。

 

機能を過信せず、リアルレゾリューションを使った画と、使わないで通常撮影した画と2枚撮っておくなどの、工夫が必要な機能と心得ておいた方が良さそうです。

 

リアルレゾリューションII 固定モード

やはりカメラも固定、被写体も動きの無い状況が、一番効果がわかりました。リアルレゾリューションIIの魅力を一番享受出来るのは、やはりカメラを固定して静物を撮影する時のようです。

 

PENTAX K-1 II 作例④

 

山梨にある「山梨県笛吹川フルーツ公園」からの展望です。日中の、低コントラスな、のっぺりとした画ですが、拡大して見るとリアルレゾリューションの効果が明らかに発揮されていました。

 

PENTAX K-1 II 作例④拡大

 

下がリアルレゾリューションONです。スーパーの看板の文字など、下の画像の方がコントラスト、解像感とも明らかに向上しており、レンズを高品質なものに交換したように見えます。

 

やはり、リアルレゾリューションは固定したカメラと動かない被写体向けの機能の様です。それなら、旧タイプのK-1でいいじゃないか!とういう声が聞こえて来そうです。確かに旧タイプのK-1は値段も安くなって来ていますし、個人的にもおススメです。

 

しかし!リアルレゾリューションIIの超高画質は「風景写真」にこそ是非使いたい機能です。上の写真のように、成功した時の抜けの良さは細密描写が求められる「風景写真」には非常に魅力的です。

 

成功すれば「超高画質」で撮影できる、という不確実性も写真の醍醐味だと思うのですが、いかがでしょうか?

 

高感度、低照度性能

PENTAX K-1 II 作例⑤
PENTAX K-1II 焦点距離:40mm 1/100 f5 ISO12800 露出補正+1.0

 

最高ISO感度は819200とフルサイズセンサーカメラの中でもトップクラスの最高感度です。又、以前スタッフ高山も試していましたが、PENTAXはKP他高感度に力を入れているメーカーです。

 

スタッフ高山のオレに試させろっ! 第46回「ペンタックスKPの高感度はすごいぞ ! 」記事はこちら

 

実際に最高感度の819200を使うかどうかは別にして、高感度に余裕がある事が予想されます。

 

PENTAX K-1 II 作例⑤拡大

 

上がISO12800、下がISO6400です。ISO12800はさすがにノイズが目立ちます。高画質と言えるのは、ISO6400前後くらいまでのようです。ほぼ同じ画素数(3635万画素)のNikon D810の常用最高感度がISO12800だった事を考えると、やはりPENTAX K-1 IIは高感度に強いと言っていいと思います。

 

まとめ

リアルレゾリューションIIが成功した時の、高精細な画質には、正直驚かされました。必ず成功するとは限らない不確実性はあるものの、成功した時のシャープな画質は、是非風景写真に使ってみたいと思わせるに十分な魅力だと思います。「手振れ補正モード」「動体補正モード」を上手く使って、フィールドでも是非使いこなしてみたい機能です。

 

Photo & Text by フジヤカメラ 北原


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