今回は FUJIFILM X-H1 の動画性能、特にフィルムシミュレーション ETERNA モードについてのレビューしたいと思います。
まずはじめに、
FUJIFILMさんごめんなさい!
またまた謝罪からスタートする本日のフジヤです。理由は、以前FUJIFILM X-H1の発表の際、その動画性能について、数値上のスペックだけを見て「X-H1は動画機としては月並みの能力」などと書いてしまいました。
すみません・・・間違いでした。
実は、今回試した、動画用に新しく追加されたフィルムシミュレーション「ETERNA」モードが素晴らしく良かったのです!
以下の写真は、全てFHD動画からの切り出し画像です。
FUJIFILM X-H1 ETERNA モードテスト(FHDからの切り出し画像)
シャドウトーンの諧調が豊かで、優しい色合いは、まるでネガフィルムのようです。PROVIAやVelviaの彩度が高い、ハッキリ、クッキリした画を見慣れていると、むしろ新鮮に見えます。又、画質的にもかなりいいですね!
メニュー画面の「ETERNA/シネマ」の表記が表すとおり、ETERNAモードは映画用アーカイブ(長期保存)フィルムのシミュレーションであり、本来は動画で使用するモードだと思いますが、状況によっては写真で使っても面白そうです。
強烈な逆光線の夕日も柔らかく描写され、とても綺麗です。真っ白く飛ばずに、夕日のオレンジ色が、うっすらと残る雰囲気がいいですね。
少し眠いともとれる、低いコントラストのお陰で、どこかノスタルジックな懐かしい感じの表現が可能です。
フィルム映画のような独特の雰囲気が出せる「ETERNA」モードは、情感を描写するには最適なモードだと思います。
FUJIFILMではスタンダード(STD)と表記されるフィルムシミュレーション「PROVIA」モードと比較してみました。
一目瞭然だと思いますが、上が「PROVIA」、下が「ETERNA」モードです。
写真で見て見栄えがいいのはPROVIAかもしれませんが、落ち着いた色合いで、夕暮れ時の雰囲気が出ているのは ETERNA だと思います。
こういった薄暗い状況でも、ETERNA モードでは、シャドー部の諧調が残り、全体として雰囲気のある画になります。
ちなみに、ダイナミックレンジは諧調重視で400%にしています。最低感度がISO800になりますので、一眼カメラらしい背景ボケを楽しみたければ、やはりNDフィルター(最低でも5段階程度)は必須だと思います。
夕暮れ時の撮影でしたが、NDフィルターが無かった為、一部フリッカー覚悟で高速シャッターで撮影しました。
FUJIFILM X-H1 のフィルムシミュレーション ETERNA モードを使って、中野駅周辺のスナップ動画を作ってみました(一部PROVIAとの比較画像あり)。
スナップという事で、三脚の使用は煩わしいと思い、Libec (リーベック) の自立一脚 HFMP を使って撮りました。パーンなどは、手で一脚を支えながら行いましたが、手持ちで撮るよりはずっと安定した落ち着いた画になったと思います。
Libec (リーベック) の自立一脚 HFMP は、スナップ動画のように、気軽に、スピーディに安定した撮影をする時には非常に便利な道具です(三脚よりも狭いスペースで設置出来るのもメリットです)。
FUJIFILM X-H1 ETERNAモードテスト動画↓
フレームレートは映画っぽさを狙って24p、ダイナミックレンジは400%、レンズは「XF56mm f1.2」「XF18mm f2」の2本を使っています。
先にも書きましたが、NDフィルターが無かった為、開放のf1.2では撮影出来なかったのが、残念です。街中は人口光が多いので、フリッカーの問題もありますので、必ずNDフィルターを携行しましょう。
(動画撮影時の、シャッタースピードについての記事はこちら→動画撮影時のシャッタースピードについて、NDフィルターの重要性がわかります)
正直言って、X-H1は動画機としてもかなり高いレベルにあると思います。脱帽です。本文中ではETERNAモードに話が集中してしまいましたが、高い転送ビットレートから作り出される画質の良さも、今までのFUJIFILMのカメラのイメージを覆すものでした。
実は、個人的に以前X-T10の動画画質が不満で、現在のSONY α6300にカメラを買い替えた経緯があり、FUJIFILMのカメラの動画画質にいいイメージが無かったのですが、そのイメージは完全に払拭されました。
写真画質には定評のあるメーカーだけに「動画」「写真」を高いレベルで両立出来るカメラとして、かなりおススメ出来ます!正直言って欲しいです(又か・・・笑)