Carl Zeiss (カールツァイス) Loxia 2.4/25 E-mount のレビューです。
高性能で鳴らした、Carl Zeiss (カールツァイス)のミラーレス一眼用のマニュアルフォーカスレンズを試したいと思います。テストカメラはSONYの高画素機α7RⅡを使いました。
「Loxia」はZeissのミラーレス用のシリーズで、デジタルカメラ用レンズとしては珍しい、MF(マニュアルフォーカス)のレンズになります。
手に持って初めに思うのは、フォーカスリングの感触の良さです。重すぎず軽すぎず、ピントを大きく移動する時も、ゆっくりと追い込む時も、非常に滑らかでやり易いと感じました。
この感触はAFレンズではなかなか再現出来ないものだと思います。
又、ピントリングの動きに合わせて画面拡大を行う「MFアシスト」機能にも対応している為、今回使用したα7RⅡのような、高画素でピントにシビアなカメラでも安心して使えました。
又、個人的には絞りをボディ側のコマンドダイヤルで行うより、レンズの絞りリングで行う方が好きです。開放~絞り込むなどの大きい操作をする時には、カメラのダイヤルより絞りリングの操作の方がスピーディーで間違いがないからです。
Loxia 2.4/25には絞りリングがあるので、とても重宝しました。
テスト撮影はJR中央線、国分寺駅から徒歩5分ほどの場所にある「殿ヶ谷戸庭園」で行いました。
殿ヶ谷戸庭園は、そんなに広くないこじんまりとした庭園です。入園料は¥150とリーズナブル、混雑していなければ三脚も使わせてもらえます(紅葉シーズンなど混雑時は禁止)。
この時期は色に乏しく、しかも撮影日はあいにくの曇り空とあって、淡い、低コントラスト下での撮影となりました。
昔から Carl Zeiss (カールツァイス) のレンズはコントラストが強く、メリハリのある画をつくりだしてくれました。光線状態が悪くても、十分なコントラストを保ち、美しいボケ味と合わせて、実物よりも美しく風景を切り出してくれます。
焦点距離25mmで開放f2.4だと、背景ボケの大きさに不満が残るケースもあるかと思いますが、近接側では上の写真のように十分大きなボケが得られました。
園内には「ししおどし」があります。
庭園の前の道路から聞こえるトラックの轟音を割って「こーん!」という風流な音を響かせています。
黒い水の上の波紋が綺麗です。
梅の花のつぼみが、はち切れんばかりに膨らんでいました。あと一息で開花しそうです。
寒空の中での撮影ですが、ほんの少しでも春の訪れが感じられて良かったです。
ほぼ最短撮影距離での撮影ですが、アウトフォーカスのボケの中にも、背景の雰囲気が残り、Zeissらしい写りだと思います。
何故か1個だけ、黄色い小さな実がついた木がありました。
Carl Zeiss (カールツァイス) Loxia 2.4/25 E-mount の最短撮影距離は25cm、ほとんど歪みの無い設計と併せて、上の写真のような撮り方をすると、広角レンズでありながら、標準レンズで撮っているように見えます。
上の写真からピントの合った葉の部分を拡大しました。
ものすごくシャープで、立体感に富んだ描写です。カメラは4240万画素のα7RⅡですが、カメラ側の性能に全く負けていません。
正直言って、ちょっと異次元な写り方ですね。しかも開放f2.4での描写です。
次に、いつもの造花でf値による描写の変化を確認してみます。
上からf2.4、f4、f5.6での描写力の比較です。ごくわずかに開放に甘さがあるものの、ほぼ画質の変化はありませんでした。
度々申し上げているように、開放からZeissらしい非常に高性能なレンズです。
ちなみに今回はテストカメラに4240万画素のα7RⅡを使用していますので、厳しい条件でのテストである事を付記しておきます。
ここ何回かの Zeiss のレビューですっかり Zeiss 信者になって来ています。
今回試した「Loxia 2.4/25」も素晴らしく魅力的なレンズでした。もう少し安かったら・・・と思います(笑)。
何本も買うのは難しいとと思いますが、気に入った画角を、1本だけでもZeissにすれば、きっといつもと違った写真が撮れるはず!フォーカスリングの滑らかな操作感まで含めて、写真を撮りたくさせられる、そんな魅力を持ったメーカーです。
まだまだ寒い日がつづきますが、冬の写真は冬にしか写真撮れませんので、頑張って撮影に励みたいと思います。
動画担当として、動画撮影時の操作感をチェックしました。ピント移動時の画角の変化など「動画用」と考えると欠点もありますが、滑らかなフォーカスの動きは非常に魅力的です。
写真のテストと同様、殿ヶ谷戸庭園で撮影テストをしています。良かったらご覧下さい↓