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2016.11.21
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スタッフ高山のオレに試させろっ! 第38回「Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM」 編

光芒
f22 AE(1/100) ±0 AWB ISO800 焦点距離 19mm
木々の間から陽の光が差し込んできたので、F値を22まで絞り、光芒を作ってみました。この状況ではフレアーやゴーストが それなりに出るものですが、今回のEF16-35mmF2.8LIIIではほとんど見当たりませんでした。逆光撮影で頼りになるのは、とてもありがたいですね。

 

EF16-35mmF2.8Lといえば、Canonを代表する超広角ズームレンズです。EF17-35mmF2.8Lの後継機種として初代モデルが発売されたのは2001年でした。その後2007年にII型へとモデルチェンジ。それから10年近く、キヤノン広角ズームのトップグレードとして、実績を重ねて来ました。しかし、流石に10年前のレンズということで、古さは隠しきれませんでしたが、ついに先月、待望の新型、EF16-35mm F2.8L III USMが発売となりました。

 

試してみるにあたって、このレンズを前にした第一印象は「菅笠を被ったお地蔵さん」だったのです。前のモデルはどちらかというとずんぐりむっくりしている印象でした。しかし全長が15.9mm伸びたおかげで、スリムな印象になりました。重さは150g増しています。フードは一見して小さくなり、逆付けして収納したときの形が「お地蔵さん」に見えてしまいました。さてさて、その実力はどのようなものでしょう。せっかくなので紅葉を撮ってみようと思い、色付きが始まっている群馬県渋川市の「赤城自然園」を訪れました。天気も良くて、一安心。

 

陽が当たり、紅葉の雰囲気が変わりました
f5.6 AE(1/2000) -0.66 AWB ISO1000 焦点距離 35mm

 

陽が当たると、紅葉の雰囲気はガラッと変わります。とても色鮮やかで、うっかりしていると時間を忘れて撮影に没頭してしまいます。光の当たっている紅葉の、1つ1つの葉の形がハッキリ解像されていました。色も鮮やかです。ただ、ちょっと望遠でも撮ってみたかったなぁ。

 

鮮やかな紅葉
f6.3 AE(1/2000) -0.66 AWB ISO1600 焦点距離 16mm

 

鮮やかの一言です。紅葉は全体にやや早いタイミングでしたが、こうして堂々と、その美しい姿をアピールしている姿に圧倒されました。まるで迫ってくるような画面は超広角ならでは。

 

ふと目に留まった枯れ葉
f2.8 AE(1/8000) -0.66 AWB ISO1600 焦点距離 35mm

 

ふと目にとまった枯れ葉。開放で撮れるモチーフがないかな。と探していたときにこれが目に入ってきたので、早速狙ったものです。背景との距離があるので、ボケも大きくなりました。それにしても、この葉っぱを眺めていると「うめぼし」に見えてしまいます。なんとも不思議なものです。

 

紅いとうもろこし発見!?「マムシグサ」の実
f 2.8 AE(1/4000) -0.33 AWB ISO800 焦点距離 16mm

 

紅いとうもろこしだ ! と思って近寄ってみたのですが、どうも違うようです。これは「マムシグサ」という植物の「実」でした。茎にある紫褐色のまだら模様が、マムシに似ていると考えられたのが名前の理由です。それにしても、見てくれはまさに「とうもろこし」ですね。16mm側の開放で撮影しています。ボケも適度で、背景の雰囲気を残すことができました。

 

木々が生い茂るところを、ローアングルから16mmで
f11 AE(1/250) ±0 AWB ISO800 焦点距離 16mm

 

木々が生い茂るところを、ローアングルから16mmで。まだ完全に色付いているわけではありません。ところどころに緑色が残っていました。即座にピント合わせができるので、その後からいろいろと構図を考えて決めて、シャッターを切ります。そのあとも何度かこの繰り返しを行いました。風景の写真を撮るときは、けっこうああだこうだと悩むことが多いのです。

 

赤城山 周辺に寄り道(見晴 山展望台)
f11 AE(1/2000) +0.33 AWB ISO800 焦点距離 30mm

 

赤城自然園での撮影を終えたあと、赤城山(あかぎやま) 周辺をちょっと寄り道しました。見晴山(1.457m)展望台からの風景を。右は富士山、左は地蔵岳です。あとで観光案内所の喫茶店のスタッフさんに伺ったところ、「富士山が見えたのは珍しいですよ」とのことでした。ラッキー。

 

大きく枝を伸ばしている白樺の木
f11 AE(1/1000) ±0 AWB ISO800 焦点距離 30mm

 

大きく枝を伸ばしている白樺の木。道路の端にたくさんありました。小さな白樺たちを従えるリーダー的な存在に見えたので、手前に大きく配置して構図を作っています。このカットだけピクチャースタイルを「スタンダード」に変えています。コントラストをやや抑えました。

 

池上本門寺
f3.5 AE(1/400) -0.33 AWB ISO1600 焦点距離 35mm

 

ここからの2つは「赤城自然園」に行く数日前、近場にある池上本門寺で撮影しています。力道山のお墓があるところとして知られるところです。境内に入ってすぐのところに、このお地蔵さんがいました。パッチリした目元がとてもチャーミングで、印象が強かったです。

 

木の表面がとても面白いことに気付いた
f2.8 AE(1/160) -1 AWB ISO2500 焦点距離 16mm

 

大きく伸びている木を近くでしげしげと眺めていたら、木の表面がとても面白いことに気付き、16mmで思い切り近寄ってみました。なんだか亀の甲羅みたいです。これがとても面白くて、いろいろと角度を変えて撮影しました。広角レンズは難しいけれど、新しい発見もあります。

 

EF16-35mm F2.8L III USM+EOS 5D Mark III
EOS 5D Mark IIIに装着したところ。やっぱりフードが短いのは気になりますね。。。

 

カメラはEOS 5D Mark IIIです。16-35mm F2.8L IIIだけを持って行ったので、これをカメラに装着し、首から提げて歩きました。レンズは重くなっているはずですが、不思議なことに、それを意識することもなく軽快に撮り歩きできました。全長が伸びたことにより、重量パランスが変化したのかもしれません。ズームリングはしっかり感がいっそう増したようです。焦点距離目盛りは16、20、24、28、35の5つが刻まれています。持ちやすく、安心してカメラを構えられました。AFはやたらと速いです。全くといっていいほど迷いもなく、構図の作成に集中できました。ただ、やはりフードの短さが気になります。フィルターを装着するとさらに深さが浅くなります。歩きながら掌でレンズの表面をガードしていると、うっかりしてそのままべったりと触ってしまいそうです。それと、手ブレ補正は入っていませんのでご注意を。

 

非球面やUDレンズの採用、特殊コーティングなどにより、色滲みはもちろん、フレアーやゴーストも大幅に低減されています。Canon独特の色乗りの良さに加えて、写真を大きく拡大したときのシャープさが一段と良くなりました。加えて、EOS 5D Mark IVにはデジタルレンズオプティマイザが内蔵されています。この組み合わせで使用すれば、今回のEOS 5D Mark IIIで撮影したものよりも、より解像感と鮮明度の高い写真が得られるでしょう。でも、他のカメラでも十分以上の性能を発揮してくれるはず。さすが3代目 ! ! 風景写真には欠かせませんね。

■撮影場所

・赤城自然園

・赤城山

・池上本門寺

※撮影はすべてJpeg、手持ちで行っています。ピクチャースタイルは風景に設定。

Photo & Text by 高山景司

 

>>> Canon (キヤノン) EF16-35mm F2.8L III USM


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