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2016.11.07
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スタッフ 高山のオレに試させろっ! 第36回「TAMRON (タムロン) SP 150-600mmF/5-6.3 Di VC USD G2 (A022)」編

フクロテナガザル
f5.6 AE(1/1250) -0.33 AWB ISO1600 焦点距離 400mm
フクロテナガザル。千葉市動物公園を代表する人気動物です。のど袋を膨らませて、大声で鳴くのが特徴です。子どもたちが大勢やってくると、縄張りを主張するために、このパフォーマンスをよく見せてくれます。今回は寛いでいるところを撮影。動物園にも秋の気配が訪れています。
 

今回のオレためは、タムロン150-600mmF/5-6.3 Di VC USD G2です ! 望遠好きとしては是非とも使ってみたかったので、とても楽しみにしていました。2013年に発売されて人気を集めた150-600mmの次世代モデル。「G2」は「Generation2」を意味しています。光学性能をはじめAFスピード、精度、手ブレ補正機能の向上(CIPA規格準拠4.5段)など、大幅な進化を遂げたのが特徴です。

 

使用する前に、まずはこの150-600mmをじっくり眺めてみました。まず感じたのは、デザインの滑らかさです。曲線を多用したフォルムは、直感的にセクシーだと感じました。鏡胴に触ると、つるつるしていて心地良いです。これを使ったら、どんな写真が撮れるのだろう。そう思うとワクワクします。それを実感するために、テストはやっぱりここ!最も撮影する機会の多い動物園、なかでも檻が少なく写真が撮りやすいと感じている、千葉市動物公園です。天気は晴れ。

 

ニシゴリラ
f6.3 AE(1/400) -0.33 AWB ISO1600 焦点距離 600mm

 

退屈そうに寝転がっていたニシゴリラ。起き上がったと思いきや、鼻をほじり始めました。ところがこのシーン、子どもたちにはなかなかの人気なのです。望遠端開放での撮影ですが、解像、コントラストともに好みの雰囲気。目元にはキャッチライトを入れることができました。千葉市動物公園のゴリラはなんと、檻なしの環境です。とても撮りやすいのでオススメ!

 

カピバラ
f6.3 AE(1/200) ±0 AWB ISO1600 焦点距離 309mm

 

お食事中のカピバラを。近くで見られるので、300mmでも割とアップで撮れました。解像感があり、毛の1本1がはっきり確認できます。全部で何本あるのか数えられるのではないかと本気で思ったのですが、何日かかるかわからないので諦めました。目元がキュートです。

 

カリフォルニアアシカ
f6.3 AE(1/800)±0 AWB ISO1600 焦点距離 309mm

 

水中をスイスイと泳ぎ回っていたカリフォルニアアシカ。この日はとても暑い1日でしたので、涼しげに泳ぐ姿が羨ましかったです。水面に顔を出してしばらく泳いでいたところを追って撮影しています。AFもきちんと追従してくれました。これだけ食いついてくれると心強いです。150-500mmという超望遠域でも、動きのあるシーンが簡単に撮れてしまうのは嬉しいなあ。

 

ホオジロカンムリヅル
f8 AE(1/2000) ±0 AWB ISO1600 焦点距離 150mm

 

こちらはワイド端で撮影したホオジロカンムリヅル。この2羽、ずっと羽繕いをしていました。下を向いたり後ろを向いたりしますが、顔を上げるタイミングが全く一致しません。ただし、それぞれが前を向くことがあるので、いつかそれが一致するタイミングが必ず来ると狙いをつけて、その瞬間がやってくるのを待ち続けました。ちょっと野性的なシーンでもあります。この丘の風景、千葉市動物公園ならではの光景です。自然がいっぱいの雰囲気になります。

 

千葉市動物公園の1番人気 レッサーパンダ
f7.1 AE(1/800) +0.66 AWB ISO3200 焦点距離 600mm

 

千葉市動物公園の1番人気はレッサーパンダ。10年くらい前に話題を集めた風太くんと、その子どもや孫たちが元気に暮らしています。たくさんいるので行動パターンも異なり、ふと気付くとこうして木に登っていることもあります。ズームはこういう時にとても役立ちます。しかもこの150-600mmは、超望遠の600mmまで使えるので、いざという時にとても頼りになるのです。

 

ムフロン
f 7.1 AE(1/500) -0.33 AWB ISO3200 焦点距離 428mm

 

岩の間から顔を出してくれたのはムフロンです。大きな角が立派です。周囲の雰囲気も入れたかったので、少しだけ引き気味に狙っています。前、中央、後ろと3つのボケに囲まれる構図を作りました。堂々とした、威厳のある風貌だと思います。目元はキラキラ輝いていました。

 

アジアゾウ
f8 AE(1/2500) ±0 AWB ISO3200 焦点距離 300mm

 

西日を浴びていたアジアゾウです。後ろ足でステップを踏んでいるところを撮影。強力なブレ補正を搭載している150-600mmですが、それだけで安心していません。それなりに速いシャッタースピードを選択するようにしています。動物園は撮影条件が動物によってすべて異なりますし、意外と暗いところが多いので要注意なのです。

 

セイタカアワダチソウとアミメキリン
f7.1 AE(1/1250) +0.66 AWB ISO1600 焦点距離 500mm

 

セイタカアワダチソウとアミメキリンを一緒に撮ろうと思っていました。時間を変えて何度も訪れましたが、なかなかいいシーンに出会えません。最後にもう1度寄った時、上空に飛行機が飛んできました。これの音に反応して首を上げたところです。キリンは顔を上向きにするとキャッチライトがキレイに入ります。最後の最後で、とてもラッキーなシーンに出会えました。キリンの運動場も、檻がなくそのまま素通しで撮れます。まさに「動物公園」なのです。

 

150-600mmF5-6.3 Di VC USD G2+EOS-1DX
EOS-1D Xに150-600mmG2を装着したところ。けっこうな大きさなので、持ち歩くのは一苦労かもしれません。しかし、動物園など撮影場所によっては、なくてはならない、頼れる存在になります。

 

カメラはキヤノンEOS-1D Xを使いました。この組み合わせですと3kgを超えます。さすがに重さを感じました。しかし、三脚座が持ちやすいので不便さはありませんでした。掌にきちんとフィットしますので、ホールディングは良いと思います。AFは想像していた以上に素早かったです。時々外れることもありましたが、修正をかけるためにもう一度AF操作を行えば、ピタッと目的の場所に合わせてくれます。ズームリングはやや重いので、回す際は中途半端な操作ではなく、意識してしっかり回すようにしたいです。スイッチ類の配置は申し分なく、撮影中に動いてしまうことはありませんでした。また、150-600mm G2の大きく進化したところの1つとして挙げられるのが、フレックスズームロック機構。ズームリングをスライドさせると、その焦点域でズームロックがかけられます。構図をきっちり決めたいとき、ズームを固定して単焦点レンズとして活用したいときなどに役立ちます。なお、開放F値は200mmを過ぎたところで5.6、400mmを超えると6.3になります(テスト機のEOS-1D X)。開園から閉園まで8時間近くこのレンズを持って園内を歩き回りましたが、さすがに疲れました。体力も必要ですね。

 

モニターで撮影した写真をチェックしている時からけっこう期待していましたが、写りは文句なしでした。ピント合わせやシャッター速度の選択には気を使う必要がありますが、コントラストの高い写真が撮れます。瞳にピントがしっかり食いつくと、キラキラと輝いて写真に力強さが増します。正直なところ、想像以上に良かったです。とても欲しくなってしまいました。

 

■撮影地

千葉市動物公園  

※撮影はすべてJpeg、手持ちで行っています。ピクチャースタイルは風景に設定。

Photo & Text by 高山景司

 

>>> TAMRON (タムロン) SP 150-600mmF/5-6.3 Di VC USD G2 (A022)


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