皆さん、写真撮ってますか?ちょっと気が早いですが、2016年も残り数ヶ月となりました。今年もカメラ業界ではいろいろなことがありました。中でも「ペンタックス初のフルサイズデジタル一眼レフ、K-1登場」は、ベスト5に入るくらいのビッグニュースでした。このカメラを最初に見たとき、頑丈そうだなあと思いました。強くてタフ、ガンダムやマジンガーZのよう。同時に、組み合わせてみたいレンズがすぐに浮かびました。シルバーで渋い、大きなアイツ。フィルム時代の高性能フラッグシップ標準ズーム、それが今回連れ出したFA★28-70mmF2.8ALです。
今回はこれを持って、宮城県石巻市・仙台湾に浮かぶ田代島に行ってきました。たくさんの猫たちが大切にされ 、のんびり暮らす「猫の島」として知られているところです。石巻港から船で向かうのですが、運行は1日3便のみです。始発に乗って最終で帰ってくると、島に6時間ほど滞在できます。島内をあちこち歩けば、たくさんの猫たちと出
会います。大半は、でれ?んと道路に寝そべっているか、おとなしく座っていて、ゆったりとした空気が流れています。
島内を歩いていると、最も多く見かけるこのシーン。堂々と道の真ん中で、寝ています。文字通り、手足を投げ出してとても気持ちよさそう。ここだけの話、真似したかったなあ。
たくさんの人に囲まれていた人気ネコさん。どうしても撮りたくて、船を1便遅らせて時間を作り、独占撮影させてもらいました。海や山を背景にしたカットは意外と狙いにくいのです。おとなしくポーズを作って、撮り終わるまで待っていてくれました。ありがとうありがとう。
広角側で風景を入れてみたり、望遠側でアップを狙ったり、K-1を向けても逃げることはほとんどありません。最新式ではないし、ズームの作動音もかなり大きいですが、猫たちはあまり気にしていないようです。古い世代に数えられてしまうレンズですが、AFは素早くストレスは感じませんでした。今ではすっかりスタンダードになった、パワーズームやフォーカスクラッチ機構といった装備がこの時代に採用されていたのは驚きです。先見の明を感じました。
島の中央部には、猫を祀った「猫神社」があります。そこで出会った猫さん。きりっと、とてもいい表情でモデルをつとめてくれました。玉ボケもキレイです。お礼にごほうび、と思うけど、ここではえさを与えることは禁止されています。しばらく遊んでもらって、バイバイしました。
日陰にたたずみ、遠くを眺めていました。何か語り合っていたのでしょうか。「今年の夏は暑かったにゃ?」「夏はまだまだ終わらないのかにゃ?」あれやこれやのセリフが浮かんでくるシーンでした。
前を通りかかったところ、ちょっと警戒の視線を向けられてしまいました。確かに怪しい風体をしているけれど、怪しいものじゃありませんよ?。見張り中のところを撮らせてもらいました。
港近くの広場に置かれていたアニメの看板。どうしてこれがここにあるのか不思議に思い、近くにいたネコさんに問いかけようとしました。でも、お休み中でした。後ろの子は毛繕い中。
田代島に到着して、路地を入ったらいきなりこんな展開でした。歩いて近づいても全く起きる気配がありません。心配事がなく、道の端でこんなにすやすや寝られるなんて。平和なんだなぁ。
ペンタックスK-1に装着。フードは入手困難なので、できればフード付きのものを選ぶといいでしょう。横にあるズームモードのスイッチが不良、または外れてしまうトラブルが多いようです。
このレンズ、とっても大きなフードがまず目を引きます。単純にカッコいい。しかし、重さは、なんと800g。ペンタックスK-1が1,010gですから、装着すると1,810g。1日これを持ち歩くと、さすがに疲れを感じます。発売当時は、定価約17万円もしました。今から20年以上も前にこの価格! メーカーを代表する1本だった、ということでしょう。写りは、さすがに年式相応です。かっちりとしたシャープさ、解像感を求めるのは酷というものでしょう。とはいえ、高性能レンズを採用した性能は健在です。ふんわりと、かつ芯のある描写を見せてくれます。島の穏やかな雰囲気にピッタリといえるでしょう。日常を忘れ、猫たちとたわむれる楽しい時間を過ごせました。だんだん中古の数も少なくなってきて、
今が買いのラストチャンスといえるかもしれません。こんな選択もあり、ですよ。
※撮影はすべてJpeg、手持ちで行っています。カスタムイメージは風景に設定。
(Photo & Text by 高山景司)
1994年発売
レンズ構成:11群14枚
最短撮影距離:0.43m
フィルター径:67mm
質量:800g
撮影で使用したレンズ: AB-ランク 70,740円 / ズームスイッチ不良、使用感高め
中古の見つけやすさ:☆☆ キレイな個体は少なめ。流通量は減少傾向。
商品の在庫を調べる